県外視察2日目は、奈良県議会。 昨日も触れましたが、平成の大合併、 実は奈良県ではあまり進みませんでした。 47市町村が8つ減って39市町村、 その減少率は全国43位です。 これには幾つかの理由があるのですが、 私が最も印象的だったのは 地方分権に関する荒井知事の意向でした。 ご案内の通り、 奈良県は関西広域連合に参加していないのですが、 そこに通底するのは、 いわゆる道州制に対する懐疑といえるでしょう。 それとは異なる、 地域に即した地方分権へのアプローチがあって然るべき。 そうした知事の考え方から2009年に始まったのが、 県知事と市町村長が一堂に会する 「奈良県・市町村長サミット」であり、 年に5~10回もの開催を積み上げながら生まれたのが “奈良モデル”と言われる先進的な県・市町村間連携です。 奈良モデルの基本は、 基礎自治体が主役であり 県はそのサポートに徹する、という思想。 具体的には、県から市町村への「権限移譲」、 市町村間で事務の共同処理を行う「水平補完」、 小規模町村の事務を県が支援する「垂直補完」、 という3つの角度から業務を連携させ、 県による市町村道の補修工事支援、 自治体クラウドの共同運用、 消費者行政の広域連携など、 広範にわたる成果を上げていることがよくわかりました。 奈良県同様、中山間自治体が多い本県にとって 水平補完、垂直補完という手法は 貴重なメルクマークとなるでしょう。 学ぶべきは学び、 可能なものは速やかに導入を図らねばなりません。 これからの愛媛に即した県・市町連携のあり方について、 私も積極的に提言を行ってまいりたいと思います。