なぬ?世界は今、石油ショック前夜? 衝撃的なタイトルは、日経ビジネス4/21号。原油価格の行方に関する記事である。 石油経済の世界的権威といわれる、英王立国際問題研究所、ポール・スティーブンス教授の説だ。 途中を端折ると、今後5~10年のうちに、原油価格は2倍に急上昇するという。 これは、捨て置けない。 そんなことになれば、日本経済は未曾有の大打撃を受けるし、そもそも、全国津々浦々の、庶民の生活が成り立たなくなる。 記事によると、というより、スティーブンス教授によると。 過去2回の石油ショックのメカニズムの前兆と、現在の状況が酷似している、というのだ。 過去の石油ショックは、先進国の高度成長に伴う需要増に対して、 中東産油国が禁輸と急激な供給削減に踏み切ったため、といわれる。 現在の国際情勢を、原油の需要面から見ると。 かつての先進国を、中国・インドなどの新興国に置き換えればピタリ当てはまるし、 今後、それらの国の経済成長率が急減速することは考えにくい、とすると、今後も需要は伸び続ける、と。 一方、供給面では。 かつては石油メジャー、あるいはOPECが価格の決定権を握っていた。が、今は、わかりにくい。 その他の産油国が増え、OPECの地位が相対的に低下したことも、投機マネーが、低迷する他市場から原油先物市場に流入していることも、ある。 が、一番懸念されるのは、それに加えて、石油メジャーも産油国も、需要増に見合う増産への動きを十分に進めていないこと、と教授はいう。 つまり、供給不足に対する懸念である。価格支配を復活させたいそれぞれの思惑が、はっきり見えてきそうだ。 いずれにしても。私たちは、国内で政争に明け暮れている場合ではない。 どうすれば、そうした事態に対応できるのか。 化石燃料依存からの脱却を唱えながら、それに代わる新エネルギー政策は、まだ試行錯誤の域を超えていない。 危機感を強く覚えるのは、私1人ではないだろう。 テロ問題しかり、食糧問題しかり、環境問題しかり、その他にも。私たちの生活の根幹に関わる国際問題は、多岐にわたり複雑に絡まる。 小なりといえども。視野を、リアルタイムで世界に広げながら、県政に取り組んでまいりたい。