めざしたのは、化粧筆のエルメス。20年かけてそれを実現されたのは、「白鳳堂」高本和男社長。 日経ベンチャー4月号の、特集記事である。ここにも、揺るぎない信念の人がいた。 広島県の山あい、熊野町にある高級化粧筆メーカー「白鳳堂」は、なんと、世界シェア約5割、である。 ��ご参照URL⇒ http://www.hakuho-do.co.jp/index.html ) 確かに、もともと同町は、書筆や絵筆の産地であり栄えた、筆の町ではあった。が、それだけの理由で、世界ブランドになれるものではあるまい。 ある時期、完全に行き詰まってしまった。旧来のビジネスモデルが通用しなくなったのである。 そして、その困難の中から、挫折を経て、あらたなビジネスの構想が浮かんだ、という。 それは、まだ誰も手のつけていない、筆職人による高級化粧筆、という分野だった。世界に開かれた、新たな市場、の発見である。 “自社の作った化粧筆を、エルメスのような世界ブランドにするのだ”、という彼の信念は、このとき生まれたといってよい。 以来、質で勝負、とばかり。いい筆を作る、いい筆を残す仕事に、ひたすら没頭したという。 手間隙かけて、手作業で作り上げた化粧筆には、絶対の自信を持ちつつも、見たこともない高級価格に、商談は空回り、難航の連続だった。 が、その価値が受け入れられる、新たな市場は必ず創り出せる。との確信で、あとは電光石火の行動あるのみ。 といっても、それは高本社長だからこそ可能であったろう。 アメリカに飛び、カナダに飛び、後の飛躍の橋頭堡となる、メークアップアーティスト、化粧品メーカーへの売り込みに次々成功していった。 そして、20年かけて、世界の「白鳳堂」となった。昨年度の売上実績は、15億円である。 次は、愛媛の山里から、海原から、世界へ、だ。 そのために政治ができること、私のすべきこと。日々、県下を動きながら、考え続けてまいりたい、と思う。 ��写真は、日経ベンチャー4月号より)