アメリカ合衆国上院議員、バラク・オバマ氏(46歳)。いうまでもなく、時の人、である。 現在行なわれている民主党・大統領候補予備選は、ヒラリー・クリントン氏との、伯仲の、一騎打ち。 ヒートアップする世界のメディア報道は、勝負の展開についてまだまだ予断を許さない、という。 そんな、アメリカ史上初の黒人大統領、になるかもしれない彼の著書、��合衆国再生」(ダイヤモンド社刊)を読んだ。 400ページを超える分量もさることながら、文法直訳の文章解釈に難儀した1冊であった。 その分、洋画の日本語吹き替えナレーションのように、これぞアメリカ、的な臨場感が味わえたともいえる。 重厚な内容を、まとめると。 彼の、生い立ちから現在に至るキャリア形成についての告白をベースにしながら。 現在、アメリカが抱えている様々な困難を、自国の歴史の上から検証し、整理し、特定し。それらに対する彼のビジョンとアプローチを提示した、愛国のメッセージレター、というべきか。 タイトル通り、実に、意欲的な1冊であった。 さて、そんな彼は、私より2つ年上。たった2歳違いなのに、えらい違いである。 それはさておき、こんなエピソード。彼が26歳のとき、ある先輩から次のように問いかけられた。 ��年齢を重ねるうちにわたしが知ったのは、人は自分に満足のゆくことをしなければならないということだ。��中略)そして問題は、自分以外にその疑問に答えてくれる人はいないということだ。その答えは自分で見つけるしかない。」 そして、20年が経った今、彼は。その先輩の言葉に感謝している、という。 ��自分は(中略)、テレビカメラのまばゆさや群集の拍手の中に満足は見つからないと知っている。その満足は、人々が多少なりと威厳を持って暮らしていける力になれたと実感したときに得られることが多いようだ。」 と、見つけつつある自らの答えを語り、そして。 “あの男は人の役に立つ人生を生きたと言われたい”、と母親に手紙を書いた、ベンジャミン・フランクリンの逸話に思いを馳せながら、続ける。 ��いま、わたしに満足をもたらすものはそれのような気がする。家族やわたしを選出してくれた人々の役に立ち、子どもたちの人生がわたしたち自身の人生より希望に満ちたものになるような遺産を残すことから満足は得られるのだと。」 その部分、次元は異なるといえども、私も同じであり、まったく違わないのである。 彼の多くのメッセージに対して、あるいは、同時代を生きる同世代として、��es,We Can! (ほぉよ、僕ら、できるんじゃが!)、と強く思った1冊であった。