最近、読んだ本。といっても、読書もずいぶん久しぶりではある。 ��日本の大逆襲」という本で、長谷川慶太郎氏と田原総一朗氏の対談もの。 ��長谷川さん、日本は大丈夫ですか?」��大丈夫ですよ、田原さん。なぜなら・・・」 お2人の吹き出しコピーの秀逸さに、思わず興味が沸いてしまった。なるほど、日本は大丈夫だろうか、という思いは、まさに国民共通であろう。 そして、得てして。 その答えをどこかに、そして誰かに求めてしまいがちな、私たちの心理をついたディレクションはお見事、と思いながら、一気に読んだ。 長谷川氏の本は初めてなのだが、終始一貫、歯に衣着せぬ、なのである。換言すると、ドキッとさせられっぱなしであった。 例えば、昨年の参院選における与党の真の敗因は“タマ”が悪かったから。政治を変えるには、マスコミを変えなければダメ。 格差問題の唯一の解消法は、カネをバラ撒かないこと。弱者を救済するには、弱者に自らやる気を出させること。 農業に対する過度な保護が、農業を衰退させ、過疎を進めている。農協をつぶして、世界に売り込む農業への転換が、再生の必要条件だ。 などなど。 ドキッのオンパレードなのだが、文脈をつなげていくと、新たな視点が発見できたような気がするのである。 それは、今、生じている格差が、小泉路線による新自由主義政策によって生じたものではない、という視点。 それは私にとっては、疑ったこともなかった視点、であった。 そして、長谷川氏は。 戦後の日本経済の流れそのものが生んだ格差を、政治の力で逆転させることは不可能、とし、その上で格差弱者のモチベーションを喚起させ、正しい政治的フォローが必要である、という。 新たな視点を昇華しながら、私自身。 痛みを乗り越えた、その先を。生活者の皆様に提示すべきそのイメージを、さらに明確なものに構築しなければならない。 既成概念とか、既得権益とか。染まらぬよう、馴染まぬよう、細心の注意とともに。 常に必要なものは、勇気だ。読後に、感を抱いたのは、その2文字であった。 それにしても、田原氏、さすがに対談の名手であった。