午前、県民相談。午後、KHJ愛媛県こまどりの会・第12回月例会に参加させて頂く。 今回のゲストスピーカーは、えひめ若者サポートステーション・カウンセラーの、加藤敏美先生。私も以前取材にお伺いした、県下では知る人ぞ知る、臨床心理のスペシャリストであられる。 演題は、「不登校・引きこもりの子どもへの親のかかわり方について」。当然ながら、集われた親御様共通の、最大の関心事である。 私も又、議員としての立場こそ違え、同じ気持ちで参加させて頂いた。来週から始まる2月議会で代表質問にも盛り込む、重要なテーマであるからだ。 さて。冒頭まず、引きこもりの定義についてのお話があった。 加藤先生いわく、これが正解という唯一解はないとし、自分なりの解釈で表現するなら、“心身のオーバーヒートによっておきる、心のサーモスタットが作動した状態”、だそうだ。 適正を超えて、熱くなりすぎる、オーバーヒート。エネルギーの自動制御装置である、サーモスタット。 心は温度であり、エネルギーであるとするなら、誠に的確な表現である。 これなら、引きこもりがどこから来た何者であるか、ひとつかみに想像を掴まえることができそうだ。 現状では、まだまだ、引きこもりの問題に対する無関心と無理解は、多い。 そんな中では、まず、この問題そんな簡単なものじゃない、という苦悩の存在認知を、当事者の身近から地域へ、社会へ、広げていくことだ、と私は思う。 そのとき。ひとことの定義による、引きこもりのイメージ化は極めて重要、なのである。 つまり、引きこもりとなった若者たちは。 心のエンジン系統に何らかのトラブルが発生し、自動的に安全弁が働いた一旦停止状態なのだから、一定の時間を要しながらも、焦らずに正しくアプローチすることによって、エンジンは必ず動き出すのだ。 そんな、20年以上にわたる、ご自身の臨床体験に裏づけられた加藤先生のお話には、これまで多くの引きこもりの若者の自立をサポートしてきた、自負と確信に基づく説得力があった。 加藤先生には深く感銘するとともに、貴重なレクチャを頂き、心より感謝申し上げたい。 最後に一言、と予期せぬご指名を頂き、私も、参加された親御様にご挨拶を申し上げた。 最初、私がこの問題について、あるご婦人からご相談を頂いた時、その方と、そのご家族における個別単独のお悩み、と受けとめた。 しかし、そのご相談の解決をめざす中で、しばらくと経たないうちに、これが、もはや個人ではどうすることもできないくらいの、大きな社会問題であることに、ハッキリと、気がついたのである。 いじめや不登校との因果から見ると、引きこもりは教育問題であり、ニートとの関係性でいうと雇用問題であり。 未婚・非婚・晩婚の現実から見ると少子化問題であり、親御さんの高齢化の進展から考えると社会福祉問題、なのである。 そして、それは。 行政のタテ割りを試すかのように、厚労省だけのマターではなく、文科省・経産省ほかを跨いで、大きく横たわっているのだ。 しかし、必ず、解決させなければならないし、解決できる、ということを今日拝聴した加藤先生の講演に、ますます意を強くさせて頂いた。 そんな主旨のご挨拶と決意を申し上げたのだが、その通りまっすぐに。 国とも市町とも、官とも民とも、連携し。知恵を働かせながら、寄せ合いながら。 1日も早く、当事者とご家族に、元の笑顔が取り戻せる日をめざし、しっかり取組んでまいりたい、と思う。 ��写真は、えひめ若者サポートステーション・加藤先生の講演風景。)