午後、松山市内で開催された国土交通省主催の会合に出席した。 同会合は、地域の自立と相互補完のあり方に関する意見交換を趣旨に、今日は東予と中予、明日は南予を巡回しての開催ということである。 伺えば。 国土計画について、国交省が地方の意見を聞いてまわるということは、かつてなかったらしい。そういう意味では、今回の開催は画期的といえる。 が、中予・松山会場の参加者は、3市3町の首長・県市町議会議員・議会関係者ら、約40名である。これだけの大人数が、果たして意見を交わせることができるのか、というと案の定、難しく。 どちらかというと、説明会の色彩が強く、消化不良の感が残った。画期的であるだけに、今後の継続開催とさらなる充実を心から期待したい、と思う。 さて、会合だが。 山本順三国土交通政務官の挨拶の後、国交省関係者から、地域再生に向けた冬柴プランのレクチャがあった。 プランの概要は、全国を9つの広域ブロックに分けて、各ブロックごとに、今後10年間を見越した戦略的国土形成に取り組むというものであった。 次いで、そうした国の指針に基づく、四国ブロック計画のたたき台となる、新四国創造研究会がまとめた意見書案が提示され、参加者の意見・要望を求められたのだが。 すべての発言者、というより参加者全員であろう、その共通した所感は、財源の所在であったろう。 提示された将来ビジョンについては、おそらく誰も異議を挟むものではないが、それを実現させる財源を地方で賄う、となれば、それは絵に描いたもちである、と。 地方の共通した要望は、目の前に差し迫った社会基盤整備をどうするか、であり、財源不足のため、案件の大半がペンディング状態の今、それをどうするかが先だ、ということである。 そのあたりの苦渋を、各首長が具体的事実を持って訴えられ、私も思わず頷く。 この間、県民から寄せられた、道路・河川・交通・港湾・下水道等に対するご要望のうち、財政事情により対応を待たねばならないケースが、どれだけあったろう、と共感する。 それもそのはず、今年度の公共事業関係予算は7兆円弱。10年前に比べて、ほぼ半減、と数字は厳然としているのである。 まだまだメスが入っていないムダな歳出領域への斬りこみによる財源確保と、真の必要性をきちんと見極めた上での基盤整備は、表裏一体であり、矛盾しない。 国にしても、県にしても。生活者の生命と財産を守ることを、政治の最大のミッションとするならば。 今、求められている地方の国交行政は、プラスをさらにプラスにするという発想以上に、マイナスをまずはプラスに転換するという、生活者の現実を直視した施策の実行であろう。 会合を終えて、すっかり日が落ちた屋外に出た。 国交省というタテ割りの時間から、ニュートラルな頭に切り替えて、急ぎ足で、次の訪問先へと向かった。