日経ビジネス11/26号で、とある記事に目がとまる。 紹介されているのは、地元今治市出身、青野慶久氏。皆様ご存知の通り、サイボウズの社長である。 同社は、創業10年にして年間売上100億円突破と東証1部上場を果たし、今や、国内グループウェア業界におけるトップ企業となったわけである。 記事の見出しは、パソコン少年の夢は世界へ、である。なるほど、写真の笑顔の眼差しからは、まさに少年のようなピュアマインドを感じる。 記事は、パソコンのプログラミングに熱中した小学生時代から書き起こされ、大学時代の挫折と、松下電工時代の試行錯誤の末の、仲間とのベンチャー起業への挑戦、と夢の足跡を綴り。 そして、元手は親から借り入れた資金と自分たちの知恵だけ、という草創期の奮闘と、リーダーが去った後、社長となってからの経営の行き詰まりへと、話は続く。 そして、苦悩の彼に、ある転機が訪れる。というより、見出したというのが正しいだろう、それは。 「真剣に志を立てよう。生命をかけるほどの思いで志を立てよう。」という、あの松下幸之助氏の言葉であったという。 その言葉こそが転機であった、と。 経営者としての自省を生み、「グループウェアで世界一になる」という真剣な志を立て、「自社を世界の公器に」との、世界への貢献という壮大にして明確な夢を描くきっかけとなったのだ。 記事は続くが、ここまでとして。 私は、ハッとするのである。彼は、今治市の玉川出身である。 地方から世界へ、は可能なのだという希望あふれるエビデンスと、自社を世界の公器に、グループウェアで世界一に、という経営理念・目標の明確さ。 政治が発信すべき、今、最も重要なメッセージは何かということを、明快に示唆している気がする。生活者が政治に対して最も知りたいのは、将来の具体であり、求めているのは希望であろう。 記事を読んで、政治は、不信から信頼への転機を自ら見出さねばならないと、痛感した。 ちなみに、僭越ながら。青野社長は、母校・今治西高の8つ後輩にあたる。 理念通り、ますますのご活躍と、世界へのさらなる雄飛を心から念願するとともに、一人の先輩として恥ずかしくないよう、愛するわが愛媛に貢献してまいりたい、と思う。