本年のノーベル平和賞に、アル・ゴア前アメリカ副大統領が決定した。久々の明るい国際ニュースであり、まずは、満腔からの敬意を表したい。 受賞理由は、地球温暖化問題の深刻を、全世界の共通認識に引き上げた点といえよう。 ゴア氏は、その受賞声明で「地球の真の危機に直面した今、この問題は全人類にとっての道徳的・精神的課題だ」とし、賞金約1億8,000万円は全て寄付するという。 私は、本棚から、氏の「不都合な真実」を取り出し、久しぶりに読み返してみた。 あらためて思うのは、人生の道理についてであった。 彼の、政治家を志す気持ちの芽生えは、上院議員の父君へのリスペクトからであり、環境問題への蒙を啓いたのは、大学時代の恩師・レヴェル教授との出会いにあり。 それを、政治家としての自身の、最重要のライフワークと決めたのは、息子さんの瀕死の事故と、そこからの奇跡的な生還、という究極の体験を通してである。 私なりの解釈だが、彼は、有限の中に無限の喜びを見出したのだと思う。 限られた人生の中で、本当に大事なものは何か。政治家として、自身唯一に由来する最も重要なテーマは何なのか。 世界と人類の現在と永遠に対して貢献する、そのテーマこそ、環境問題である、と自覚したとき、彼はその後の人生に迷うことはなくなったという。 なるほど人生というものは。 歩む人それぞれに、また時々に、理由があり、やがてそれぞれの道になるのだ。なるほど、道理で・・・。そう、思った。 ゴア氏が、ノーベル平和賞を受賞したというのは、彼の人生を振り返ると必然であったし、仮に受賞がなかったとしても、彼の道理に対する賞賛は些かも色褪せるものではない。 さあ、ここからは、私たちの番である。もはや、目は啓かれた。 今、目の前にある危機に対して、どのように立ち向かうのか。私たちの子孫のために、地球の未来のために。 NO IMAGINATION,NO LIFE。 地球温暖化の当事者として、人類の一員として、しっかりと決意し、行動に代えてまいりたい。