離島から始まる、日本再生。ムムム、とページをめくる。 気になる特集タイトルは、日経ビジネス9.24号。4つの島での、起死回生の取り組みのルポである。 島根県海士町の中ノ島。岡山県笠岡市の笠岡諸島。愛知県一色町の佐久島。大分県姫島村の姫島。 ズシン、と読みごたえのある中身であった。多くの島嶼部を抱える本県にとって、十分、示唆を得ることができる。 これらの島々の、成功例、正確にいうと成功しつつある事例は、私なりに解釈すると、共通点が、3つある。 1つめは、危機感と情熱を持った最初の1人または有志から出発していること。 2つめは、彼らは、地域固有の強みを核とした新たなビジネスを試みていること。 3つめは、最初は受動・傍観のサイレントマジョリティに、やがて触発と共感と協働が起きていること。 機会を見つけ、ぜひ視察してみたいところである。島嶼部自治体各位におかれても、かの地域について、ぜひベンチマークされることをおすすめしたい。 さて、記事の中で、印象に残ったのは、中ノ島の山内町長の談。その応接室の壁には、南北を逆さまにした、日本地図が張られているのである。 こうしてみると、日本自体が中国大陸の離島であることが、よくわかり、勇気がわいてくるのだ、とのこと。 たしかに、である。離島に、弱気も引け目も、不要なのだ。 そして、町長は言う。 「日本が直面する問題を離島は先取りしている。ここで見出した解が、全国で生かされる時が来る。」 私も、完全に同意するのである。