今日は、今年に入って13回目、もはやご近所の、久万高原町を歩く。ちなみに訪れた13回ともすべて快晴。不思議なめぐり合わせか、温暖化の影響か。 さて、今日の特筆は、ある87歳のご婦人との対話である。この方、長らく開業医の院長先生を務めてこられた名誉ある方である。そして、素朴だが知的で、この町を誰よりも愛する、立派なお方である。何よりも驚いたのは、この町に対するプライドである。 200億円を超えるといわれる久万高原町の借金を、どうやって返済するか、そのアイデアを私にぶつけてくるのである。町長でもなく、町議でもなく、お役人でもない、一人の老婦人が、である。 「この町が消えてなくなるかの瀬戸際に、お役人は背広を着て机に座っとる場合とちがう。作業着を着て、毎日、田んぼへ、山へ、総がかりでお金を作らんでどうするの。」 「久万出身で今、松山で働いている団塊世代に、引退したら、ぜひ山へ帰ってもらお。彼らは、山を知っとるから、田んぼでも畑でも山でも、やれることは何ぼでもある。そうやってお金を作って、この町の借金を返そうや。」 「医療格差やへき地医療いうて、この町にももっとお医者さんが欲しいけど、今の労働環境や待遇では、お医者さんももたん。もう少しお医者さんの立場にも立ってあげな、いかん」 200億円というのは、よもや、このご婦人が作った借金ではない。にも関わらず、どうやったら返済できるかを、毎日、畑へ出かけながら真剣に考えているのだ。しかもアクションプランを、だ。その屹立した精神性に、圧倒される思いがした。 大正生まれの、このご婦人に、触発され、啓蒙され。この町と、わが愛媛の危機を、自己の責任において打開する覚悟のありやなしや、を問われる思いがした。その屹立した精神性に圧倒されながら、議員の立場と責任の重さを、教えて頂いた。 田んぼには、孵化したばかりの、おたまじゃくし。議員とさせて頂いたわが身の今と、だぶって見えた。