消費者問題について - 質問 -
次に、消費者問題についてお伺いいたします。
先月発覚した中国製冷凍ギョーザによる中毒事件は、命にかかわる大問題に発展し、生活者の食に対する信頼を根本から揺るがす大事件となりました。昨年は、その年を象徴する一字が、偽りと書く「偽」でありましたように、豚や鳥をまぜたミンチ肉を牛100%として販売した食肉偽装事件や消費期限切れの牛乳を使った洋菓子、消費期限が改ざんされた和菓子の販売など、悪質な食品メーカーの摘発が相次ぎました。
一方、食品以外でも、石油温風機、ガス湯沸かし器、シュレッダーなどの製品事故、住宅の耐震偽装や英会話教室、金融商品をめぐるトラブル、詐欺、悪徳商法など最近の消費者被害は、生活のかなりの広範囲に及んでいるのであります。
御承知のとおり、それら事件の多くに共通しているのは、企業や行政の初動対応のおくれであり、それが被害を拡大させているという見方があるのでございます。
特に消費者問題が起きた場合、その行政窓口が商品や被害の内容ごとにばらばらで一本化できていないということが発覚のおくれにつながっている、そういったケースが目立つという御指摘があります。例えば、食品表示を例に挙げますと、日本農林規格法に関するものは農水省、景品表示法に関するものは公正取引委員会、不正競争防止法に関するものは経産省、食品衛生法に関するものは厚労省というふうに管轄が分かれるのであります。
先月発覚した今回の冷凍ギョーザ事件におきましても、発生は昨年末でありました。行政間の連携が密で報告体制がきちんとしていれば、ここまで被害が拡大することはなかったと言われております。
こうした現状を踏まえ、福田首相は、消費者行政推進担当相を設置し、今後の消費者行政一元化の取り組みを加速させております。そして、例えば消費者庁のような独立官庁あるいは新組織を立ち上げ、要は、ここに連絡、相談すれば安心という体制づくりを目指しているのであります。
我が県もまた、今回の事件を機に、消費者である県民の皆様が、これなら安心というバックアップ体制を盤石に構築する必要があると考えるのであります。
そこで、お伺いいたします。
まず、県民から消費者に危害が及ぶような事例の相談があった場合、どのように対応しているのか。そして、現実に複数の部局にまたがるような消費者問題が生じた際、行政窓口を一本化するなどの体制について、県ではどのように考えているのか。その2点について御所見をお伺いいたします。
消費者問題について - 答弁 -
答弁:県民環境部長
木村議員にお答えします。
消費者問題についての1問目、県民から消費者に危害が及ぶような事例の相談があった場合、どのように対応しているのかという御質問です。
消費者からの相談に対する総合的な行政窓口といたしましては、県は消費生活センターを設置しておりまして、市町は消費生活相談窓口を設置し、個々で食品や製品事故などの消費者の安全に係る相談を含め、県民からの消費者問題に関する相談を幅広く受け付けております。
この窓口で受けた相談への対応といたしましては、相談のうち、消費者に危害を及ぼすような事例の情報は、食品に関しては保健所、製品事故に関しては経済産業省所管の独立行政法人製品評価技術基盤機構など、所管する機関に取り次ぎや情報提供を行っております。
なお、消費生活センターには専用の電話を設置しておりまして、市町からの連絡や相談を受け付け、連携して対応できる体制をとっております。さらに、県の消費生活センター等で扱った情報は、国民生活センターの全国消費生活情報ネットワークシステムに登録しておりまして、そのうち死亡・重篤事故に係る危害情報等は、国民生活センターが速やかに内閣府を通じて各省庁に提供する仕組みとなっております。以上でございます。
答弁:副知事
木村議員にお答えします。
私の方からは、消費者問題についてのうち、複数の部局にまたがるような消費者問題が生じた際、行政窓口を一本化するなどの体制について県はどのように考えているのかとの点についてお答えします。
消費者問題に係る国の管轄でございますが、木村議員もお話ございましたとおり、複数の省庁にまたがっております。また、県におきましても複数の部局が所管しておりまして、これら各機関の連携が課題となっているところであります。
このため、本県では、消費者問題の中でも、特に県民の生命、健康に直結する食の安全・安心の確保に関係する問題につきましては、平成15年度に副知事を本部長とする部局横断的な食の安全・安心推進本部を発足させまして、関係部局で情報を共有するなどの連携を図り、食に関する危機管理を行っているところであります。
お話の消費者行政の一元化問題につきましては、消費者と接する国の窓口をどのように一元化するのか。製品、商品、サービスに対する規制は、現在、主務官庁縦割りとなっておりますが、これをどのようにするのか。さらには、消費者被害や救済の現場であります自治体と国との連携や役割分担をどのようにするか等々、極めて広範で根本的な課題がたくさん横たわっております。
このため、国におきましては2月8日に消費者行政推進会議を設置しまして、これらの課題について議論を開始したところであります。県としましては、現在この国の議論の動向を注視しているところであります。結果が出ますれば、それを踏まえまして、必要に応じて体制整備を検討したいと考えております。以上でございます。