議会質問

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2008年 2月定例会(2/29)

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障害者支援について(2008年2月定例会)

障害者支援について - 質問 -

次に、障害者支援についてお伺いいたします。

御承知のとおり、心身障害者扶養共済制度の改正に伴い、県においては条例の一部改正案がこのたび上程されました。本制度は、道府県及び政令市が条例に基づき実施する共済制度を独立行政法人福祉医療機構が再保険し、国が制度設計及び指導監督を行っているものであり、今回、国に置いて掛金の引き上げ等が行われたことに伴い、県においても条例の一部改正を行う必要が生じたのであります。

この掛金につきましては、加入者の負担軽減を図るため、各自治体が独自に補助を行っておりますが、生活保護世帯や市町民税非課税世帯を除く一般世帯については、ほとんどの自治体が100%自己負担という状況の中で、現在、本県を含めて5府県・市のみが補助を行っているのであります。そういった意味で、本県は、心身障害者に対して非常に理解のある前向きな取り組みを行ってきたものと高く評価するものであります。

しかしながら、国の掛金引き上げに伴い県費負担がここまで増加すると、一般世帯の加入者についてのみ掛金補助率を段階的に引き下げざるを得ないというのが、今回の見直しの主な理由なのであります。

私たち会派も県政を担う一員として、そうした財政事情の逼迫は十分に承知しているのでありますが、率直に申しまして、これまでに大変多くの不満の声、失望の声、怒りの声が上がってきているのであります。

心身障害を持ったこの子を、働こうにも働けない、助けてくださいとさえ言うことすらできないこの子を、親亡き後、だれが面倒見てくれるのか。そのときのために生活を切り詰めながら、やっとの思いで掛金を払い込んできた親御さんにとって、今回の補助金縮小・廃止による掛金の大幅な引き上げはどのように映ったことでありましょう。そうした方々の思いを我が思いとしたとき、私たち会派は、本件につきましては断固反対と申し上げねばなりません。

ほかを削ることはあっても掛金の補助は削らない。現行水準の維持ということを強く要望申し上げたいのでありますが、まずは、心身障害者扶養共済制度の改正に伴い、一般世帯の加入者の掛金が増加することにつきましての御所見をお伺いいたします。

その上で大事なことは、一連のプロセスであります。

不本意ながらも新聞報道が先行したとはいえ、当事者世帯へは文書通知で、そして、肝心の改正内容は極めて後退するものとなっているということでは、怒りの声が上がるのも当然なのであります。障害者は、ややもすると声なきマイノリティーの存在であります。であればこそ、また、愛と心のネットワークを標榜する加戸県政だからこそ、こうした障害者支援施策については、丁寧に一つ一つ取り組む必要があると思うのであります。

そこで、お伺いします。
財政難の中にあっては、障害者支援あるいは社会福祉は最後の最後まで後退させてはならないという強い意志を持ち続けない限り、どんどん後退していくものと私たちは危惧を感じるものでありますが、どのようにお考えか、知事の御所見をお願いいたします。

障害者支援について - 答弁 -

答弁:保健福祉部長

木村議員にお答えをいたします。
障害者支援に関しまして、まず、心身障害者扶養共済制度の改正に伴い、一般世帯の加入者の掛金が増加することについてどのように考えているのかとのお尋ねがございました。

心身障害者扶養共済制度につきましては、国における加入者掛金の引き上げなど制度の見直しに伴いまして、県が市町と行っている掛金助成について、あり方を検討いたしましたが、この制度は任意加入の制度であり、障害基礎年金などの公的所得補償制度の上乗せであること、掛金助成以外にも、将来の年金支給に備え毎年2億円余りの特別調整費負担金を県費負担していること、本県の助成制度は全国でもトップクラスであり、現行掛金助成を維持すると県費の大幅増となることなどから、現下の極めて厳しい財政状況においては、現行の掛金助成の継続は困難であり見直しを行わざるを得ないこととなった次第でございます。

この見直しに当たりましては、低所得者世帯に配慮しながら、安定的に持続可能な制度とする視点に立ち、生活保護世帯や市町民税非課税世帯には現行どおりの掛金補助率を継続することとし、それ以外の一般世帯には、来年度以降、段階的に県単独補助を縮減することとしたところでございます。

これまで、自分が亡くなった後に残された子供のことを考えて掛金を支払ってこられた親御さんの心情を考えますと、今回の措置はまさに苦渋の選択と言わざるを得ませんが、加入者の方々に対し、見直しの趣旨を十分周知し理解が得られるよう努めてまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いいたしたいと存じます。

次に、財政難の中では、障害者支援あるいは福祉が後退していくことを危惧するが、県としてどのように考えているのかとのお尋ねがございました。

県では、障害者とともに歩む社会づくりに向けて障害者計画を策定し、障害者の自立と社会参加を支援するさまざまな事業を実施しておりますが、木村議員お話のとおり、財政難の中にあっても、障害者支援あるいは福祉を最後の最後まで後退させてはならないという強い意志を持ち続けることは重要なことと認識いたしております。

しかしながら、必要としている地方交付税等の総額が十分確保されているものとはいえず、一方で、社会保障関係経費の増加等により極めて厳しい財政状況の中にあっては、これまで財政力の範囲内で行ってきた任意の県単独補助につきましては、絞り込まざるを得ないところでございます。

このような場合には、県民の皆様への十分な説明と丁寧な対応を通じて理解が得られるよう努めますとともに、障害者の方々が温かみを感じられるよう、障害者の立場に立った支援を行い、障害を持つ人も、持たない人も、すべての人がともに暮らし支え合う共生社会の実現を目指して、障害保健福祉施策の一層の推進に取り組んでまいりたいと考えております。

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