議会質問

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2024年 2月定例会(3/5)

テーマ未来世代対策

震災対策の見直し等について(2024年2月定例会)

皆様、おはようございます。公明党の木村ほまれでございます。

質問に先立ちまして、元日に発生した能登半島地震により犠牲となられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、今なお、不自由で厳しい避難生活を余儀なくされている被災者の方々に、心からお見舞いを申し上げます。

そして、年頭より、愛媛県被災地支援本部を設置し、今日まで継続的な支援に取り組まれている県職員並びに自衛隊、警察、自治体職員の皆様、JMATやDPATなど関係団体の皆様、8,000万円を超える義援金をお寄せ頂いた県民及び関係各位に、衷心より感謝と敬意を表したいと思います。

被災された方々が1日も早くなりわいを再建し、新たな日常を取り戻せますよう、そして被災地の復旧復興が着実に進みますよう祈念いたしつつ、質問に入らせて頂きます。

初めに、震災対策の見直し等についてお伺いいたします。

国民の誰もが心穏やかに迎えるはずであった本年元日夕刻、突如発生し240人以上が犠牲となられた能登半島地震から2か月が経過しました。

この間、被害の甚大さが1つ1つ明らかになると同時に、生活やなりわいの再建、産業の再生など、被災地の本格的な復旧復興への道のりを思うと、心が痛みます。

冒頭にも述べましたが、全県挙げての被災地支援の取り組みに深く敬意を表しますとともに、この後も被災地に寄り添いながら、本県として可能な限り、息の長い支援を講じられますようお願いを申し上げます。

さて、この度の能登半島地震では、土砂崩れによる道路の寸断やそれに伴う水道、電気、通信などライフラインの破損、地面や海底など地形そのものの隆起や、脆弱な木造家屋の倒壊・火災、小さな集落の孤立など、いくつもの厳しい状況が広範囲にわたり発生しました。

専門家から、1000年か2000年に1度と言われる未曽有の事態であり、そのため、人命救助や救援物資の輸送など、発災対応の初動が思うように進まず、被災地に深刻な状況をもたらしました。

本県も、佐田岬半島や由良半島、南予に広がるリアス海岸を有する地域や、代替路線の選択肢に乏しい中山間地など、孤立集落となる可能性が高い地域を多く有しており、被災地に寄り添った復旧支援を行う中で、教訓も含めた形で、震災対策に関する知見を広げ深めていくことが求められます。

その意味では、これまでの南海トラフ巨大地震や伊方原発の原子力災害も含め、今後、国が行う被害想定の見直しも注視しながら、また、市町も含めた形で、本県独自の新たな震災対策を講じる必要があると考えます。

そこで、お伺いいたします。
まず、能登半島地震の救援救助の初動が遅れた主な要因として、土砂災害等による道路の寸断が挙げられる中、孤立地域の避難、輸送路確保の視点から、県地域防災計画の見直しの検討を進めていくべきと考えますが、見解をお聞かせください。

大規模災害発生時に、被災者にとって最も必要とされるライフラインは“水”です。

そのことは西日本豪雨の際、約1か月にわたり被災者の方々がどれほどかご苦労をされましたし、私も支援活動に足を運ぶ中、自らの無力さを痛感させられました。

今回の能登半島地震では道路の啓開が思うように進まない中、2か月経過した今もなお、約1万8000戸で断水が続いており、全国各地からの水道施設の復旧支援が、懸命に続けられています。

あらためて感じるのは、水道設備工事の技術を有する人材の確保と育成の重要性です。

私は、管工事を志望するものの、県内で本格的に学べる実業高校がないため県外進学を余儀なくされているといった声も踏まえ、実業高校への設備科の設置の必要性について、本会議で累次にわたり取り上げてまいりましたが、令和3年の2月定例会で教育長から、“職業学科のあり方については県立学校振興計画の中で、時代のニーズに沿った見直しを検討しており、新たな学科等の設置についても、総合的見地から必要性を検討していきたい”との答弁がありました。

そこで、お伺いいたします。
私はこの際、教育長がご答弁で述べられた“総合的見地”に“防災・減災”の観点を加え、水道設備工事を含めた電気・ガス・道路など、ライフラインの基盤に携わる高度な技術の継承と、人材の確保に向けた職業学科の設置の必要性について、あらためて検討すべきであり、災害の激甚化、頻発化が続き、国が南海トラフ巨大地震に係る被害想定の見直しを行っている中、“時代のニーズ”に沿った形での新たな学科を、ぜひ設置して頂きたいと考えますが、ご所見をお聞かせください。

〈答弁概要:中村知事〉
近い将来、南海トラフ地震の発生が危惧される中、多くの孤立集落が発生した能登半島地震の教訓を、半島や中山間地域、原発立地など、共通の地域特性を有する本県の震災対策に生かすことは極めて重要であると思います。現在、本県の地域防災計画にも照らしながら、全庁で課題等を洗い出し、検証作業を行っているところでございます。

本県では、これまで孤立地域の避難や輸送路の確保に向けて、緊急輸送道路170路線226区間の道路啓開計画を策定の上、発災後直ちに啓開作業に着手できるよう、県建設業協会等と協定を締結するとともに、緊急救出手段確保のため市町による臨時ヘリポート6箇所の整備を支援したほか、海上保安庁や県旅客船協会等と連携した避難訓練などにも取り組んでまいりました。

来年度は、当初予算案に計上している県の地震被害想定調査に際して、集落孤立の可能性についても改めて見直すこととしており、その結果を踏まえ、道路啓開計画等の検証を行いたいと思います。また、国・市町・防災関係機関との連携強化や、民間企業等との災害時連携協定の締結拡大など、原子力災害時も含めた避難・輸送体制の充実を図り、これらを県の地域防災計画にも反映させて、県民の安全・安心の確保に全力で取り組んで参りたいと思います。

〈答弁概要:教育長〉
災害の激甚化や頻発化が憂慮される中、県民生活に不可欠な水道や電気、ガス等のライフラインを支える人材確保の重要性は認識しており、県教育委員会では、工業科を設置する県内6校において、確かな知識と技術を身に付け即戦力として活躍できる人材の育成に取り組んでおります。

お話の管工事についても、上下水道やガス設備等の学習に加え、県管工事協同組合連合会の出前授業や企業技術者による匠の技教室等を実施することで技能を磨き、今年度は、管工事施工管理技術検定2級に過去最高の16名が合格したほか、電気科での電力技術、土木科の土木施工や社会基盤工学、建築科の建築計画や構造設計など、ライフラインや防災技術に関する学習のほか、災害時に対応した設備製作やロボット研究等の探究学習にも取り組みながら、防災対応に関する実践力を高めております。

新学科設置につきましては、昨年度策定した振興計画において、時代や地域の要請を踏まえながら、高校入学を志す中学生や保護者の進路希望を重視した学科編成を行ったところであり、今後についても生徒ニーズ等を勘案しながら検討することとなりますが、当面は既存の工業科を中心に社会基盤整備や防災技術に関する学びを時代に応じて進化させながら、社会貢献できる人材養成に努めて参りたいと考えております。

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