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2024年 2月定例会(3/5)

テーマ地域経済対策

次世代を担う企業の誘致について(2024年2月定例会)

半導体など、次世代を担う企業の誘致についてお伺いします。

本年1月、地方創生・産業振興対策特別委員会として北海道議会を訪問し、“Rapidus社の立地を契機とした半導体関連産業の振興”について調査を行いました。

半導体は、スマホやパソコン、自動車、家電などあらゆる電子機器の頭脳にあたる部分で、デジタル化の進展に伴い、市場が急拡大を続け、今後も右肩上がりでの成長が確実視されています。

世界的な半導体メーカーである台湾のTSMCが昨年、熊本県菊陽町に進出し、好景気に沸いている報道をよく見聞きするところですが、先月には第一工場が開所するなど、その経済波及効果は10年で4兆3000億円に上ると言われています。

一方、Rapidus社は、トヨタ、ソニー、ソフトバンク、デンソー等により国策に基づく形で設立され、千歳市を次世代半導体の製造・研究・人材育成拠点として、来年の稼働開始、2027年からの量産体制をめざし、現在、本格的な建設工事が進められています。

さらに、Rapidus社の立地に伴い、半導体関連企業100社以上から問い合わせがあり30社が進出を決めるなど、企業集積の動きが出始め、今後14年間で18.8兆円の経済波及効果が見込まれています。

こうしたRapidus社の立地を契機とした動きには、実は、明確な理由がありました。

北海道は、他の方面に比べて台風や豪雨などの被災リスクが低く、コロナ後の本社機能移転やサテライトオフィスの開設数が圧倒的全国NO.1で、立地面積が広大、かつ地価も断然、安価である上に、最大15億円の支援など、国と連携した手厚い助成制度や優遇税制など、誘致にあたっての条件がずば抜けているのです。

本県にとってなかなか真似できるものではありませんが、こうした動きと連動し、県内企業やデジタル人材のアライアンス、あるいは次世代半導体を活用した新たな技術やサービスで、県内の幅広い産業にイノベーションを生み出すことは十分可能といえるのではないでしょうか。

例えば、本県が直面する深刻な公共交通の廃止・縮小に対し、自動運転やドローン輸送、空飛ぶクルマなど、次世代半導体を活用した新技術が実装できれば、中山間地や離島の未来を大きく拓くことが可能となります。

担い手不足で一次産業を持続できないことが懸念される中、DXを活用したスマート農林水産業が実現すれば、基幹産業としての維持発展に向け、期待が膨らみます。

医師不足や地域偏在の解消が困難な中、半導体搭載型機器を活用した遠隔医療やスマートヘルスケアが進めば、患者の安心や貴重な医療資源の有効かつ最大限の活用にもつながります。

そうした未来に繋げるべく、ぜひ、本県企業の進出や提携、そして人材の派遣や供給等を通じ、新たな技術や知見を県内産業にフィードバックできるようなアプローチについても、今後検討頂ければと思います。

そこで、お伺いします。
半導体関連産業を誘致し、産業振興を図る“熊本県”や“北海道”の取り組みを踏まえ、県は、次世代を担う国内外の企業誘致にどのように取り組んでいくのか、見解をお示しください。

〈答弁概要:経済労働部長〉
県民所得の向上を図るとともに若年者の希望する雇用の受け皿を確保するためには、DXの推進に資するIT企業の誘致に加えまして、付加価値の高い製造業の呼込みが不可欠となっております。このため、今年度増員した企業誘致アドバイザーの協力も得て、国内外に繋がる港や空港の利便性のほか、優れた技術力を誇るスゴ技企業が集積する本県の強みを前面に押し出し、積極的な誘致活動に取り組んでいるところでございます。

まず、IT関連企業との誘致交渉では、デジタル人材の確保が鍵を握ることから、昨年までに情報系の学部・学科やリスキリング講座を新設する県内4大学と協定を締結し、高等教育機関との人材確保に向けた連携体制を構築する等、2030年度までにデジタル人材1万人輩出に向け、産学官が連携して各取組みを着実に進めていることを相手方にアピールしているところでございます。

一方、半導体などの製造業誘致については、県内には即応可能な産業用地が乏しいことから、令和10年度までに50haの確保を目指し、現在4市で適地調査を実施するとともに、来年度、豊富な知見を有する用地開発の専門家を派遣する経費を当初予算案に計上しており、意欲的かつスピード感を持って取り組む市町と協働し、高い経済波及効果をもたらす企業をターゲットに攻めの姿勢で粘り強く誘致活動を展開して参りたいと考えております。

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