議会質問

皆さまの声を
県政に、
カタチに
2023年 9月定例会(9/19)

テーマ未来世代対策

人口減少に歯止めをかける経済政策について(2023年9月定例会)

公明党の木村ほまれでございます。

初めに、全国各地で記録的な豪雨をもたらした台風6号、7号等により、犠牲となられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。

一日も早い復旧と安寧を祈りつつ、県民の生命を守る防災減災対策のさらなる強化に向け、引き続き全力で取り組んでまいりたいと思います。

さて、本年4月の改選におきまして、ご支援を頂いた皆様の絶大なるご尽力により、5期目の当選を果たすことができました。頂いた任期の1日も無駄にせず、ご期待にお応えできますよう、全力で精進いたしますことを、まずもってお誓い申し上げたいと思います。

“青春は密”のフレーズで有名な仙台育英高校野球部・須江監督の言葉になぞらえますと、“改選5度目の初登壇”となりますが、このような機会を与えて頂いた先輩、同僚議員各位に感謝を申し上げます。

県議選初挑戦の際、前職の会長から餞に頂いた「苟に日に新たに、日日に新たに、又日に新たなり」との一節を胸に、この場に立たせて頂いた16年前の初心を決して忘れず、新たな決意を胸に、公明党を代表し、質問に入らせて頂きます。

初めに、人口減少に歯止めをかける経済政策についてお伺いします。

先日、県民の方からSNSを通じて、次のようなお声が寄せられました。
“物価高騰に対して低所得層への補助金がありますが、低所得層はいろいろな免除や控除があるのに対し、中所得層はまったくなく、扶養している子どもの多い家庭もあるのに、何の救済制度もありません。家族の人数が多い分、出費が増えるので、貯金を崩しながらの生活をしているのに不公平だなと思えて仕方ないです。”

私は、貴重なご意見に対する謝意とともに、次のように返信しました。

“正に今、大事なことは、中間層といわれる方々が豊かさを感じることができる経済を取り戻すことだと思います。そうでない限り、少子化による人口減少は続き、ますます社会の維持が困難になると考えるからです。T様ご指摘の通り、子育て世代、現役世代の方の生活負担の軽減と賃上げの実現など、長引く物価高騰の中、1つでも多く安心を広げられるよう頑張ってまいります。”

頂いたご指摘の通り、実質賃金の減少と物価高騰が続く中、エネルギーや教育コスト等の負担増により“生活が苦しい”と感じる県民が、特に中間層と言われる方々において、今般一段と増えているように感じます。

とりわけ若者や子育て世代では、そうした生活防衛の帰結が婚姻数や出生数の減少、ひいては県外流出に繋がっており、本県の人口減少対策をより実効あるものにするためには、私は、何をおいても“彼らが将来に希望を持てるようにすること”が根本でなければならないと考えます。

ドイツでは2012年から2016年にかけて、出生率、出生数がともに顕著に上昇しましたが、分析によりますと、積極的な“少子化対策”とともに、良好な経済環境によって若い世代の雇用が安定し、“暮らしぶりが好転したこと”が大きな要因であったと言われています。このことからも、少子化対策は優れた経済政策でなくてはならないと私は考えるのであります。

県は、本年策定した「愛媛県総合計画」において2040年頃の目指すべき愛媛の将来像を示し、2026年度までに達成する政策目標KGIとともに諸施策が体系化されておりますが、その中で出生数を8,500人に引き上げ、転出超過の解消を当面の目標としています。

その実現のためには、先程も述べました通り、若者や子育て世代の方々に、“将来に対する希望”をどれくらい実感して頂けるか、ということが重要であります。

物価高騰に対する支援の拡充や、教育・医療・子育てなど現物支給・補助の拡大による生活負担の軽減とともに、ジェンダー・雇用格差の解消や生産性の向上、リスキリングやスタートアップ支援等を促しながら、“人と地域の稼ぐ力をどう高めていくのか”という、「本県経済の好循環の実現」が非常に重要なカギを握っている、と考えるのであります。

そこで、お伺いします。

本県の人口減少に歯止めをかけ、少子化対策において実効を上げていくためには、地域の稼ぐ力と県民所得を向上させることにより、若者や子育て世代の暮らしぶりの好転が感じられるような経済政策の展開が重要と考えますが、県として、今後どのように取り組んでいくのか、ご所見をお示しください。

〈答弁概要:中村知事〉

県民所得の向上につながる地域の稼ぐ力を強化していくためには、農林水産業、ものづくり産業、観光業など全ての生業・産業のさらなる振興が重要であることから、地域産業を支える担い手の育成確保、新産業・新技術の創出やDX推進も含めた付加価値の向上、縮小する国内市場を踏まえた対外的な販売力の強化に取り組んでまいりました。

具体的には、デジタル人材の育成・確保に向けた企業によるリスキリングへの支援等に加え、賃上げの促進や魅力ある雇用環境づくり、「えひめ愛顔の農林水産人」による一次産業のイメージアップ、「愛媛グローカル・フロンティア・プログラム」による新ビジネス・スタートアップの育成や、産業DXフラグシップモデルの創出と横展開、さらにはインバウンド誘客による国外からの活力の取り込みや魅力ある観光まちづくりの推進、スゴ技・すご味・すごモノなど世界に誇る本県の強みを軸に、10年以上前に設置した営業本部を核として、私も先頭に立ち、県関与成約額300億円という新たな高い目標の達成に向けて、国内外への販路開拓支援などを進めているところでございます。

9月補正予算案にも所要の経費を計上し、県内大学との連携によるデジタル人材育成の強化や、戦略的な企業誘致に向けた大規模産業用地の確保、新たに就航が決定した釜山線のイン・アウト双方での利用促進に取り組むほか、ものづくり企業のインドネシアにおける農水産分野への販路拡大を目指すこととしております。

引き続き、「令和8年度1人当たりの県民所得288万4千円」を目標に、実需の創出に徹底的にこだわり、若者や子育て世代を含め、県民が将来に希望を感じることができる「稼ぐ力を高め、県民所得が向上した愛媛県」の実現に向け、市町や関係団体等と連携したオール愛媛体制で、全力で取り組んでまいりたいと思います。

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