犬猫の殺処分数削減等についてお伺いします。
“この地域は野良猫が多く、衛生面などで困っている。何とかしてほしい。”
“近所に猫の餌やりをする人がいて、地域猫対策が進まない。行政が何度指導に行っても埒が明かない。”
“猫を個人的に保護しているが、限界を感じている。譲渡したくても公民館が譲渡会場として使用できない。不妊去勢手術の助成拡大など動物愛護施策を強化してほしい。”
これは、地域の皆様から寄せられたご意見の一部です。
ご案内の通り、本県は犬猫の殺処分数において、全国ワーストクラスに位置しており、無責任な餌やりによる野良猫の増加が一つの要因ではないかと考えられています。
良かれと思っての餌やりが野良猫を繁殖させ、それが地域住民からの苦情となって、市町窓口に持ち込まれ、新たな飼い主が見つからない場合には殺処分されることになります。
こうした状況を打開するため、県では動物愛護センターに収容された動物を、殺処分ではなく、飼い主を募って譲渡する取組みを強化することとし、今年度、新たに譲渡施設の整備を進めていると聞きます。
また最近では、テレビCMなどで見かけるようになりましたが、地域住民が中心となり不妊去勢手術を実施し、地域で見守ることにより、野良猫の増加を抑える“地域猫活動”も広がりを見せています。
私は、そうした流れをより確かなものにし、不名誉な殺処分ワーストクラスを返上するためにも、市町と連携した“地域猫活動”の推進や、より譲渡しやすい環境づくりなど、飼い主のいない猫の増加を抑える更なる取組みが重要と考えます。
地域住民に正しい知識を広げ、人と動物とが共に生きていける社会の実現に向けた県の取組みを心から期待し、お伺いします。
犬猫の殺処分数削減に向けたこれまでの施策の成果はどうか。
とりわけ飼い主のいない猫対策に、今後どのように取り組んでいくのか、ご所見をお聞かせください。
〈答弁概要:保健福祉部長〉
県では、犬猫の殺処分数を削減するため、令和2年度の改正動物愛護法の趣旨を踏まえ、飼い主への動物の終生に渡る適切な飼養の啓発強化や、市町窓口における飼い主のいない猫の安易な引取りの拒否の徹底、地域猫活動やボランティアを介した譲渡事業などに取り組み、令和3年度の殺処分数は749頭と令和元年度に比べて約7割削減することができました。
さらに、譲渡数の増加を図るため、動物愛護センターに譲渡動物専用の飼養施設や、犬を人にならすための訓練場、譲渡希望者と猫のマッチングを行うことができるスペースの整備などを進めています。
飼い主のいない猫対策については、今後、県が今年度までを期間としてモデル的に実施している地域猫活動を普及させるため、リーフレットの作成や普及セミナーの開催による理解促進を図るとともに、獣医師会が行う不妊手術の助成事業を継続するほか、動物愛護サポーターによる適正飼養の啓発やボランティアによる譲渡の仲介など、民間と連携した取組みを更に推進することとしています。
引き続き、人と動物の共生できる豊かな地域社会づくりに努めて参りたいと考えています。