SDGsについて - 質問 -
SDGsについてお伺いします。
国連は、一昨年9月、世界を取り巻く経済、社会、環境という3つの側面を不可分のものとして調和させる統合的取り組みとして、持続可能な開発目標SDGsを全会一致で採択しました。
SDGsとは、持続可能な開発目標Sustainable Development Goalsの略称で、2030年までに国際社会全体が達成すべき普遍的な目標であります。誰ひとり取り残さないというテーマのもと、貧困をなくそう、飢餓をゼロに、質の高い教育をみんなになど、17項目からなります。
2001年に策定された従来のミレニアム開発目標は、主に途上国が目標達成のターゲットでありましたが、今回のSDGsは、先進国が援助する側から、ともに目標を担う側になったという点で大きく異なります。また、国連に加盟する全ての国々が、全会一致で合意できたこと自体が大変すばらしいことであり、いわば地球の基本計画、マスタープランと言っても過言ではありません。
私ども公明党も、SDGsを前進させるため、昨年1月から、党内に谷合正明参議院議員を座長とするSDGs推進委員会を立ち上げ、NGOや企業、市民団体、国連関係者など全国のステークホルダーからヒアリングを行い、12月2日、政府に要望書を提出。おかげさまでその全てが盛り込まれる形で、また、主要先進国に先駆ける形で、12月22日、国の実施指針が示されることとなりました。
SDGs達成に向けた我が国の8つの優先課題は、1、あらゆる人々の活躍の推進、2、健康・長寿の達成、3、成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション、4、持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備、5、省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会、6、生物多様性、森林、海洋等の環境の保全、7、平和と安全・安心社会の実現、8、SDGs実施推進の体制と手段となっており、これらの項目には、それぞれ具体的な施策が示されております。
例えば、項目1のあらゆる人々の活躍の推進では、一億総活躍社会の実現、女性活躍の推進、子供の貧困対策、障害者の自立と社会参加支援、教育の充実が挙げられ、2019年までをめどに、取り組みがどれくらい進捗したのかフォローアップを行うとしています。
また、地方自治体に対しましても、各種計画や戦略、方針の策定や改訂に当たっては、SDGsの要素を最大限反映することを奨励し、積極的な取り組みの推進を促しているのであります。
さらに、本年6月に開催されたSDGs推進本部会合を受け、安倍総理は、SDGsの考え方にかなう働き方改革の実現、地方での推進、民間セクターにおける取り組みの推進の3点の加速化を指示し、経済財政運営と改革の基本方針2017、いわゆる骨太の方針に盛り込んだところであります。
私は、国際社会が目指す誰ひとり取り残さない持続可能な未来を開くために、ぜひ我が国がその先頭に立ち、リーダーシップを発揮してほしいと願うものであります。
そこで、お伺いします。
県は、SDGsをどのように認識し、本県において、今後どのように取り組んでいこうとされるのか。
本県といたしましても、県の長期計画、県版総合戦略の次回改訂時に、SDGsの理念を可能な限り反映させてほしいと考えますが、その点も含め、御所見をお示しください。
また、将来を担う子供や若者に対して、SDGsの啓発を図ることはとりわけ重要であり、ぜひ学校教育の場を通じて、SDGsを念頭に置いた教育に取り組むべきと考えるのでありますが、教育長の見解をお聞かせください。
SDGsについて - 答弁 -
答弁:企画振興部長
SDGsに関する御質問のうち、認識や今後の取り組みなどについてお答えをいたします。
持続可能な開発目標SDGsは、経済危機や気候変動、自然災害、感染症といった課題がグローバルに連鎖して発生する中で、誰ひとり取り残さない社会の実現を目指して、国際社会全体で、経済、社会、環境をめぐる広範な課題に統合的に取り組むものでありまして、全ての国々が共有する普遍的な開発目標であると認識しております。
政府が策定したSDGs実施指針に盛り込まれている140の施策には、若年者の雇用対策や農林水産業の成長産業化、生物多様性の保全など、県長期計画や県版総合戦略に掲げる施策と趣旨を同じくするものが数多くありますので、計画の着実な推進がSDGsの取り組みを進めていくことにつながるというふうに考えております。
また、今後、長期計画等の改訂時においては、政府の実施指針の中で、地方自治体が各種計画等の策定や改訂を行う際、SDGsの要素を最大限反映するよう奨励していることを踏まえまして、その理念を取り入れながら、実効性のある計画の策定に努めてまいりたいと考えております。
答弁:教育長
SDGsを念頭に置いた教育についてお答えさせていただきます。
高度情報化やグローバル化が著しく進展する中、SDGsに取り上げられている格差や差別の解消、環境保護等は、全世界が手を携えて取り組むべき課題であり、我が国におきましても、小中学校の新学習指導要領に関連する文言が多く盛り込まれるなど、誰ひとり取り残さない社会の実現を目指すSDGsの重要性が一層高まっていると認識をしております。
こうした中、本県では、SDGsの実現につながる教育を推進しておりますユネスコスクールに、小学校17校、中学校11校、高校2校が加盟し、環境、福祉、歴史・文化等について、地域の課題解決に向けた取り組みが進められており、小学校では、ともに生きるをテーマとする防災マップの作成やキジハタの稚魚の放流、高校では、農業の授業で、雑草や剪定した枝を環境浄化微生物を活用して堆肥化する環境教育活動などが実践されております。
県教育委員会といたしましては、今後とも、各種研修会等を通じて、SDGsを念頭に置いた教育の推進を積極的に啓発していくとともに、身近な生活と地球規模の課題を結びつけて考える教育を発達段階に応じて実践することにより、持続可能な社会の実現を担う児童生徒を育成してまいりたいと考えております。