議会質問

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2017年 2月定例会(3/6)

テーマ地域経済対策

水道施設の今後について(2017年2月定例会)

水道施設の今後について - 質問 -

御案内のとおり、日本の水道インフラは高度経済成長期の1970年代に急速に整備が進んだため、今後、一気に老朽化の波が押し寄せることは確実であります。しかし、2014年度の全国の管路更新率は0.76%であり、国の資料によりますと、このままのペースでは全てを更新するまでに130年かかる見通しとのことであります。

いまだ記憶に新しい昨年の熊本地震では、水道インフラの破損により水道水の供給が停止するなど、一時的に都市機能が麻痺状態となりました。本県の管工事協同組合連合会を初め、全国から延べ5,000名を超える水道関係者が現地に入り、約1カ月間の不眠不休のサポートによって無事復旧がなし遂げられましたが、耐震適合率の高い地域ほど復旧のスピードが速いということが、今回の震災で明確となり、改めて管路更新の重要性が浮き彫りとなったのであります。

南海トラフ地震は130年も待ってくれない、私たちはそうした危機意識を持って、管路更新のスピードアップを図らなくてはならないと思います。

そこで、お伺いします。

本県の管路更新率と耐震適合率はどうか。現状の課題と今後の施設更新に向けた取り組みについて、時期的な目標も含めてお示しください。

また、水道事業の健全な経営と安定的な水の供給確保に向けては、中長期的な更新需要と財政収支の見通しを把握するアセットマネジメントが必要になってくると思いますが、市町における現時点での実施状況はどうか、御所見をお示しください。

次に、人口減少に伴う水道事業の収支悪化や技術者の確保が困難な現状に対し、住民生活に直結する水の安定供給のために、私は、広域連携が今後ますます重要になると思います。

御案内のとおり、香川県では既に進められているわけでありますが、本県は水道事業の広域連携について、今後、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。

最後に、技術者の確保についてであります。

私たちの暮らしに欠くことのできない水が、いつも安全で安定的に供給されるのは、水道設備業者等のすぐれた技術があってこそであります。その意味で、後継の育成と技術の継承は本県にとって極めて重要であり、熊本地震の復旧に見られますように、防災・減災の観点からも優先順位の高い政策課題だと思います。

そこで、お伺いします。

県は、水道設備業における技術の継承と人材育成について、職業教育を含め、今後、どのように取り組んでいくのか、見解をお示しください。

以上で私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。

水道施設の今後について - 答弁 -

答弁:県民環境部長

次に、本県の管路更新率と耐震適合率、今後の取り組みについてお答えをいたします。

県内の水道施設の耐震化率は、浄水場49.7%で全国6位、配水池52%で全国17位とそれぞれ全国平均を上回っております。管路につきましては、26年度の管路更新率は0.72%で、全国16位ではございますが、全国平均0.76%を下回っており、27年度末の基幹管路の耐震適合率は、全国平均37.2%に対し、本県は23.9%と全国45位と下位にございます。

この要因は、事業主体である市町において、大もとであります浄水場や配水池の耐震化を優先していることや、山間部や半島部に小規模な施設が点在し管路が長くなるといった地理的条件によるところが大きく、耐震適合率等の向上につきましては、厳しい財政状況の中、更新に係る多額の財源確保が課題となっております。

県といたしましては、26年度に策定したえひめ震災対策アクションプランで、36年度までに基幹管路の耐震適合率45%を目標としておりまして、その着実な実行に向け、引き続き国に対して、市町と共同して財源確保を強力に要望してまいりたいと考えております。

答弁:県民環境部長

次に、市町におけるアセットマネジメントの実施状況についてお答えいたします。

アセットマネジメントは、人口減少に伴う将来の水需要の減少や水道施設の更新に関する費用の見通しを把握し、長期的な観点から水道施設の計画的な更新を実施することで、水道事業の経営を将来にわたって安定的に継続させる計画的な資産管理の方法でございまして、県内では、上水道事業と用水供給事業を合わせた32事業のうち、昨年末で22事業で実施されております。

県では、これまでアセットマネジメントの実施を促進するため、市町等の水道担当者を対象に講習会を実施したほか、毎年の担当者会議において、その必要性等について説明を行うとともに、活用事例等の情報提供を行ってきたところでございます。

なお、今国会に提出予定の水道法改正法案では、台帳整備のほか、長期的な観点からの施設の計画的な更新や事業の見通しの作成、その公表に努めなければならないと規定されることから、今後も、説明会等を通じて情報提供を行い、未実施の水道事業者に実施を促してまいりたいと考えております。

答弁:副知事

水道施設の現状等についてのうち、水道事業の広域連携の取り組みについてお答えをさせていただきます。

県内では、20市町及び2つの水道企業団、南予と津島になりますが、水道事業を実施しております。各団体とも施設等の老朽化に伴います大量更新期の到来や人口減少に伴う料金収入の減少など、経営環境は厳しさを増しており、一層の経営健全化が求められていると認識しておるところであります。

このような中、国では水道事業に係る経営効率化等を図る方策として広域連携を掲げ、県が市町村等と検討体制を構築するよう求めておりまして、本県でも、県関係部局と20市町及び2企業団による検討会を設置し、平成30年度をめどに経営効率化等の対応策を整理すべく、東・中・南予別の課題の把握や広域連携策の検討を行っているところであります。

本県に比べて、香川県は面積が小さく平坦な地形が多いことや、水道管のうち個人所有部分については鉛製からの取りかえが進んでいないことなど、一概に香川県と比較することはできませんが、広域連携については、地域の実情に応じ相互協力することが重要と考えており、施設の共同設置等の事例を初め、民間事業者のノウハウ活用の事例も参考としながら、将来にわたる健全な水道事業体制の維持・確保に向けて検討してまいりたいと考えております。

答弁:経済労働部長

水道施設に関する御質問のうち、私の方からは、水道設備業における技術継承と人材育成に向けた取り組みについてお答えをさせていただきます。

水道施設の整備を進めていく上で、配管施工技術の技能継承や人材育成は重要な課題であることから、県では、愛媛県管工事協同組合連合会が実施する配管施工技術等の訓練を認定職業訓練として、その運営費の一部助成を行っており、平成27年度は延べ135名に訓練を実施し、そのうち11名が建築配管作業の技能検定に、そして24名が給水装置工事等の国家資格に合格しているところでございます。

また、ものづくり産業等において、卓越した技能、技術、そして指導力を有する愛媛マイスターとして、配管職種についても認定を行い、実技講習会を通じて、技能向上と人材育成に力添えをいただくほか、高校生に職業人としての知識、技能や心構え等を身につけさせるための匠の技教室においても、配管工事技術者による出前授業を実施しているところでございまして、今後とも、関係団体等とも十分連携しながら職業訓練や教育にしっかりと取り組み、水道という重要なライフラインを支える人材の育成を図ってまいりたいと考えております。

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