離島・過疎地域対策について - 質問 -
次に、離島・過疎地域対策についてお伺いいたします。
本県の有人離島は幾つあるか、皆さん御存じでしょうか。正解は33です。これは長崎県に次いで全国第2位であり、それほど多くの離島を有する本県は、離島公共団体と言ってよいのかもしれません。
その33島のうち、私は、この夏、9島を訪ねました。津和地島、野忽那島、しまなみの大島、伯方島、大三島、弓削島、佐島、新居浜市の大島、宇和島市の戸島であります。それぞれの島にそれぞれの課題を感じたわけですが、共通して挙げられる課題は、やはり社会資本の脆弱ではないかと思うのであります。
例えば、上島町では、同じ町内の弓削島から岩城島へ車で移動するのに、まず、県境をまたぎ船で因島へ、橋を渡って生口島へ、そして、船で県境をまたぎ直して岩城島へというふうに、しかも有料で行かねばなりません。それまで、島民の足であったフェリー航路が、本年6月、経営判断によりその区間の運航を廃止したため、そうした状況になったのであります。このことは、離島に限らず、中山間地域が大部分を占める過疎地域などにおいても、バス路線の廃止など、今後、容易に起こり得ることであります。
また、交通だけではなく福祉も同様です。例えば、同じ松山市で同じ介護保険料を支払っているにもかかわらず、島嶼部では受けられないサービスが幾つもあります。医療も教育もしかり、考えれば考えるほど、同じ県に暮らしていながら地域格差が厳然とあることに気づかされ、それが拡大していると感じてなりません。
そこで、お伺いいたします。
離島・過疎地域等に見られる社会資本の地域格差について、県はどのように認識され、その対策についてどのように取り組むお考えかお示しください。
また、個別になりますが、現在進めておられます上島架橋整備事業のうち、岩城島と生名島を結ぶ岩城橋を早く完成してほしい、そういう島民の皆様の要望に対する今後の見通しをお示しください。
離島・過疎地域対策について - 答弁 -
答弁:加戸守行知事
木村議員の質問に答弁いたします。
離島・過疎地域等に見られる社会資本の地域格差をどう認識し、その対策にどう取り組むのかとのお尋ねでございました。
本県では、これまで、離島振興法及び過疎地域自立促進特別措置法に基づきまして、愛媛県離島振興計画及び愛媛県過疎地域自立促進方針並びに同計画を策定し、国の補助率のかさ上げや市町における過疎対策事業債等の財政支援措置を活用して、離島・過疎地域の対策に総合的に取り組んできたところでございます。
その結果、道路や生活環境などの基盤整備は一定の水準までは進んだものの、木村議員お話のございましたように、人口減少や高齢化の急速な進展により、他の地域に比べ、例えば公共交通の廃止、縮小、情報格差、耕作放棄地、放置林の増大等の問題が深刻な状況にあると認識いたしておりまして、引き続きこれらの計画を着実に実施して、格差是正に努めてまいりたいと考えております。
殊に、議員立法であります過疎地域自立促進特別措置法は、平成22年3月末で期限が切れることとなっておりますが、引き続き過疎地域の公益的機能維持や持続的発展のための法的枠組みが必要であると認識いたしておりまして、新たな法律が制定されますためには、国会や政府への強い働きかけが不可欠でありまして、議員各位の特段のお力添えを得たいと考えております。その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。
答弁:土木部長
木村議員にお答えいたします。
離島・過疎地域対策について、上島架橋整備事業のうち、岩城橋の今後の見通しはどうかとのお尋ねでございました。
上島架橋整備事業は、定住促進や産業、経済の活性化を図るため、岩城島、生名島、佐島の3島を岩城橋、生名橋の2橋で結ぶものでございまして、既に完成しております弓削大橋を含めまして、平成16年12月に合併いたしました上島町の新しいまちづくりに重要な役割を担う事業と認識しております。
このうち、生名島と佐島を結ぶ生名橋につきましては、平成16年度に事業化し、現在、橋脚工事を行っている段階であり、引き続き早期完成を目指し工事を進めております。
御質問の岩城橋の整備につきましては、上島架橋の本来の整備効果を発揮させるためには必要不可欠と考えておりますが、着手時期につきましては、今後の財政状況や生名橋の進捗状況を見きわめながら検討してまいりたいと考えております。以上でございます。