議会質問

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2008年 9月定例会(9/26)

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公益法人制度改革について(2008年9月定例会)

公益法人制度改革について - 質問 -

質問の最後は、公益法人制度改革についてであります。

政治不信ということが言われて久しいわけですが、ことしを振り返っただけでも、官僚の天下りや政治家の不正、税金の無駄遣いの実態が次々に明るみとなりました。2月議会以降、2,000名を超える県民の皆様との直接対話の中で、私は、皆様の怒りを肌で感じ、この国の政治不信は極まれりとの感を禁じ得ませんでした。その多くは国会議員と中央官僚の無駄と不正に対する怒りではありましたが、地方議員だからといって決して看過できるものではありません。何としてもこの政治不信を信頼に変えていかねばならない、微力ながら、私自身その責務を痛感するものでありました。

さて、御案内のとおり、いよいよ本年12月から新公益法人制度がスタートいたします。平成19年10月時点で国が所管している公益法人は約6,700、都道府県が所管している公益法人は約1万8,000で、本県所管の公益法人数は、本年4月時点で257。過日、内閣府大臣官房の制度説明会を拝聴してまいりましたが、今回の制度改革は、本県でいえば257法人、ここにメスを入れようとするものであります。

説明を受けた審議官より、それは明治29年の民法制定以来の大改革と聞いて、驚きました。つまり、公益法人の設立許可と監督については、明治以来一度も書きかえられることなく、主務官庁である国や都道府県の裁量権に基づいて行われてきたというのであります。明確なルールや統一基準のない中で、公益が裁量されるということは、既にその構造自体に天下りや不正の温床があったと言わざるを得ません。

今回の制度改革の最大のポイントは、公益をだれがどのように認定するかというルールを初めて明確にしたという点にあります。本県の257法人につきましては、先ごろ立ち上げられました県公益認定等審議会において公益性の判断が下されていくことになりますが、その際、公益性が認定されない場合は、公益法人にはなれず、一般法人となり、税制面において公益法人ほどの優遇措置は受けられなくなるのであります。そうした新制度による公益法人の見直しが、移行期間である今後5年の間に行われるわけであります。

先ほど申し上げましたとおり、官僚の天下りや不正、行政の無駄に対する国民の怒りは、今、頂点に達していると言って過言ではありません。今回の公益法人制度改革の局面は、国と同様、本県行革におきましても非常に重要なポイントと考えるものであります。

そこで、3点お伺いいたします。

  1. まず第1点は、県は、今回の公益法人制度改革の意義について、どのようにお考えかお聞かせください。
  2. 次に、県は、第三者機関である県公益認定等審議会のメンバーをどのような基準で選任されたのかお聞かせください。
  3. 最後に、新公益法人制度の運用について、今後、どのように取り組んでいくのかお示しください。

以上、南予を初め、地域活性化にひたむきに取り組まれる皆様、自立を目指す若者と、それを祈りサポートされる皆様、がんで苦しまれる患者、御家族、御関係者の皆様、離島・過疎地域で懸命に生活を営まれる皆様、政治と行政の無駄と不正の撲滅を心から願う、そうした多くの県民の皆様にとって、勇気と希望がわくような力強い御答弁を期待し、質問を終わらせていただきます。

御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

公益法人制度改革について - 答弁 -

答弁:総務部長

木村議員にお答えいたします。
公益法人制度改革につきまして、3点お尋ねがございました。

まず、今回の公益法人制度改革の意義について、どのように考えているのかとのお尋ねがございました。

今回の制度改革の最大のポイントは、木村議員お話のとおり、現行制度のもとでは、何が公益かという公益性の判断を主務官庁、いわば官が行っていたことに対しまして、新しい制度では、第三者機関である合議制の機関が行うことによりまして、公益法人の認定について、より中立性、公正性を確保しようとすることにございます。

また、認定を受けた公益法人は、不特定多数の者の利益、すなわち公益を実現するものでありますことから、新制度におきましては、法人の運営や事業内容等の情報開示について、法律でルール化されますとともに、税制上の優遇措置が拡充されまして、寄附が受けやすい、また、公益目的事業が行いやすい環境が整備されることとなっているところでございます。

このような改革によりまして、新制度における公益法人は、民間の非営利部門の重要な一翼といたしまして、さらに地域に開かれた存在となり、地域住民の理解と協力のもとに、より自主的で柔軟な公益目的事業の展開が期待されますとともに、県といたしましても、今後は、公益社団法人、公益財団法人のみの指導監督を行うこととなりますことから、簡素で効率的な行政にも資するものと考えているところでございます。

次に、県公益認定等審議会のメンバーをどのような基準で選任したのかとのお尋ねがございました。

新しい公益法人制度におきましては、何が公益かという公益性の判断は、第三者機関である合議制機関、本県では公益認定等審議会が行うこととされておりまして、審議の中立性、公正性の確保は非常に重要な課題でございます。

このため、本年2月議会で議決いただきました愛媛県公益認定等審議会条例第3条では、委員の資質につきまして、「人格が高潔であり、審議会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律、会計又は公益法人に係る活動に関して優れた識見を有する者のうちから、知事が任命する」と規定しているところでございます。

県におきましては、この基準に従いまして、法律の専門家として弁護士を1名、会計の専門家として公認会計士を1名、公益活動に関する専門家として大学教員を2名、民間の視点から意見を徴するため企業経営者を1名の合計5名を委員に委嘱したところであります。

なお、委員の選任過程におきましても、透明性、公正性を確保する観点から、愛媛弁護士会や日本公認会計士協会愛媛支部、大学、経済団体に就任の条件などをお示しし、適任者を御推薦いただきまして、その中から委員を選任したところでございます。

次に、新公益法人制度の運用について、今後、どのように取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。

県では、本年7月に愛媛県公益認定等審議会を立ち上げまして、これまでに公益認定の具体的な指針となる公益認定等ガイドラインを決定、公表いたしますとともに、今月9日には、このガイドラインをもとに、内閣府との共催によりまして、所管法人の役職員の方や県職員を対象とした実践的な説明会や、個々の法人を対象といたしました個別相談会を開催したところでございます。

県といたしましては、今後とも、ホームページ等を活用して、積極的な情報提供に引き続き努めますとともに、公平、公正な公益認定が受けることができますよう、法人に対しまして、定款や実施事業の見直しについて、関係部局が連携して指導に当たることとしてございます。

また、新しい公益法人制度は、法律による全国共通の制度でありますことから、県のガイドラインは国と同じものとしておりまして、今後とも、国の公益認定等委員会や各都道府県が設置する合議制の機関とも積極的に情報交換、連携を行うなど、公平、公正な公益認定制度の運用に向けまして、万全を期してまいりたいと考えております。以上でございます。

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