2日目。 昨日に引き続き、 講師は三重県議会議員の三谷哲央氏。 本日のテーマは 「議員報酬と政調費のあるべき姿」。 ご案内の通り、 議員の報酬と政調費に対する批判は後を絶ちません。 議会と議員の活動実態が見えない、 適正金額の根拠がない、等など。 三谷氏は冒頭、批判される背景から論を進めました。 議会と議員の役割、 議員と議員報酬の法律上の位置づけ等の検証を行った後 「そこで私たちは…」 からが、正に目からウロコでした。 三重県議会では、 県民に説明し納得頂ける 議員報酬と政調費のあり方の“根拠”を見い出すべく、 2011年、都道府県議会で初めて、 有識者による「議員報酬等に関する在り方調査会」を設置し、 全議員に対しアンケート調査を実施したのです。 毎日の活動時間、内容などを分類・整理した結果、 年間活動時間数5,475時間から 「政党活動」「後援会活動」「選挙活動」「宗教行事」 などの私的活動時間を除くと4,211時間。 さらにその内、 県議会の公的支援の対象となる活動時間数を 精査すると2,317時間。 次に、 議員は首長と同じ公選職ということから、 知事との対比を試みます。 但し、知事の活動詳細は把握できませんから、 知事公舎を出て公舎に戻ってくるまでの時間を 公務遂行時間と認めると、年間3,282時間。 ここで知事と議員の活動時間を比較すると、 3,282時間:2,317時間=1:0.7 という図式が成り立ちます。 条例で定められた知事給与は128万円ですから、 それを基準にすると、 あるべき議員報酬額は128万円×0.7=89.6万円となります。 但し、これは、現状を6.6万円上回る水準であり 実現には至っていません。 むしろ今のところ、殆ど困難といえるでしょう。 しかし、 県民に納得頂ける“根拠”を 県議会自らが見い出そうとするその姿勢に、 私は甚く感動させられました。 現状維持。 何もしない、というのは確かにラクです。 しかし、時代はそれを許容しないでしょう。 ドラッカーいわく、 「この世において唯一確実なものは変化である。 自らを変革できない組織は、 明日の変化の中で生き残ることはできない。」 のです。 議会も、議員も、然り。 そう心得、本県議会の改革に取り組んでまいります。