早朝、久万高原町へ向かう。今日は、街頭遊説の、日。 いつもの小鳥のさえずりに加え、セミの鳴き声が、シャワシャワとにぎやか、だ。 キンチョーの夏、日本の夏、というCMが、かつてあったが、 セミこそ、日本の夏、である。 まだ私が小学校の低学年だった時、セミから、命の不思議、を学んだことを思い出す。 当時、私の家の周りは、みかん畑だった。 梅雨が明ける頃、土の中のセミの幼虫が、夜半ぞろぞろと、木に登ってくる光景を観察した。 示し合わせたかのように、一斉に、である。不思議、だった。 そして、登ってきた幼虫を手に取ると、薄茶色で、怪獣のような格好をして、しかも柔らかい。 面白くって、納屋にあったいぐりを持ってきて、取れるだけ取って、家に持ち帰った。 辺り一面、いぐりから這い出した、ニイニイゼミや、クマゼミや、ツクツクボウシの、幼虫だらけになった。 そして、朝、その鳴き声のやかましさで目覚めた。部屋中、♪セミ、セミ、セーミ、ミー、だ。 そして、柱に無数の、抜け殻。窓を開放すると、たちまち、勢いよく空へ飛んでいった。 セミを見ながら、父親は言った。 “セミはのー、土の中で7年くらい過ごしての、たった1晩で、成虫になっての、あと、1週間くらいしたら、死ぬんじゃ。” げっ。 何も知らない私は、セミは、普段はどこかに隠れていて、 夏になると出てきて鳴くもの、とばかり思っていた。 あと1週間で、死ぬ。本人、知ったらどんな気がするじゃろか。 かわいそう、と、命の尊さを、幼心に知ったのである。 そんなことを思い出しながら聞くセミの大合唱は、まさに命の謳歌。 生きる喜びを精一杯、おもいっきり、表現しているのだ。 セミの話が、長くなりすぎた。 AM9:00。地元党員の皆様とともに、三坂峠にて第一声。 私からは、先ごろ閉幕した通常国会における、公明党の取り組みと実績についてお訴えする。 学校耐震化の促進、クラスター弾全面禁止条約の批准、クールアースデーの創設、国家公務員制度改革など、 そして、党員の皆様には、長寿医療制度の改善内容などについてご報告を頂いた。 間違いなく、今日は猛暑日、と9時の段階で確信したが、まさに、その通り、となった。 体感温度がグングン上昇する中、私たちは、県下随一の広大な町を、計11ヶ所、回りに回った。 そして、語りに語った。セミに、負けないように。 たくさんの方のお手を振っての応援が、夏の日差しとともに、眩しく感じられた。 なかんずく。 猛暑にも関わらず、汗まみれになりながら、同行頂いた党員の皆様に、感謝が尽きない。 いつも本当にありがとうございます。 そんな、帰り道。 車のバックミラーに映る私の顔は、すっかり、こんがり、トースト色になっていた。