出張続きにて、久しぶりに議会控室に足を運ぶ。この間の新たな県民相談に動き、いくつかの進展をそれぞれにご報告する。 あっという間に半日は、過ぎ。夕方、これまた久しぶりに議会図書館を訪れる。 先輩議員が、いた。12月議会の質問原稿を準備されていた。 いくつかのDVDを借りた後、がんばってください、失礼します、とその場を辞した。 そこで、今日の本題、というかイチオシのトピックス。 「不都合な真実」(パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン)、このドキュメンタリーDVDを、ぜひ各位にPRしたいということである。 ご承知の通り、過日、ノーベル平和賞を受賞されたアル・ゴア米元副大統領の、あの「不都合な真実」の映画版である。 鑑賞の後。 かつて広告業界に在籍した者としては、決して驚くべきことではないけれど、それでも認識を新たにさせられてしまった。 それは、映像のチカラ、であり、優れたプレゼンテーションの力、に対してである。強烈なメッセージは、チカラある手段により、ずば抜けて増幅されるのだ。 確かに、同氏の著作はもとより、他の地球温暖化関連本も、何冊か読んだ。それぞれに挿入された多くの、有名な、真実の、現場写真も見た。 情報としてトレースしていたにも関わらず、この映像のインパクトはどうだろう。刺さるところが違うというか、まったく質が異なるのである。 腑に落ちる、のだ。はっきりと。 地球温暖化の進行がいかに危機的かという現実と、それが不都合であるゆえ決してそれを認めないアメリカ社会の現実と。 そして。私は信じている。あなたと、あなたの行動を。 主旨だが、その、いかにもアメリカ的なセリフで締める希望あふれるエンディングに、思わず、しかし気持ちよく、Yes, We Can、と言わされてしまうのである。 このドキュメンタリーDVDは過たず、1つのメッセージを、見る人の、心の奥深くに届けるであろう。そして、行動を変えるであろう。もちろん、人種・言語・年齢・性別、その他の属性を問わずに。 ぜひ、一人でも多くの方に見て頂きたいし、特に、小・中・高校生の若い感性には、ぜひ今の年齢のうちに見させてあげたい。 私と私たちの、次の、なすべき行動に頭を巡らせながら、そう思った。 ��写真はDVDパッケージ。ちなみに環境に配慮して、プラではなく、紙。)
医療問題の続き、である。 来年4月から、高齢者医療制度がスタートする。2006年の医療制度改革を受け、高齢者負担の見直しにより医療費の伸びを抑制するためである。 改革をしなければ、と厚労省は、いう。 国民医療費が、2025年度には2006年度の約2倍の65兆円となり、老人医療費の割合が、その内の実に5割近くまでに膨らむ、と。 その結果、現役世代は負担の限界を超え、制度自体の持続性が危ぶまれる、というのだ。 しかしながら、この間、医療以外にも、年金・介護保険・税制などの改革を一気に推し進めた結果、個別では考えられなかった複合的な負担増が高齢者を直撃し、悲鳴を上げている。 それが、先の参院選に示された民意の1つであったろう。たしかに、医療制度改革の必要性は然りといえども、悲鳴もまた切実なる事実なのだ。 そうした声をもととする公明党の強い主張により、この間、負担増凍結が決定した。ポイントは、2点ある。 1つは、75歳以上の後期高齢者の一部が新たに負担する予定だった保険料を、半年間��08年4月から9月の間)免除し、その後の半年間(同10月から09年3月)は9割軽減する、ということ。 もう1つは、70~74歳の窓口負担が2割へ引き上げられる予定だったのを1年間見送り、現在の1割に据え置く、ということ。 緊急措置とはいえ、かかる財源は1,500億円以上である。簡単な政治判断ではなかったことを推察すると、ここは一定の評価を頂ければと思う。 とともに、国に対しては、前期高齢者を含めた高齢者医療制度のあり方を、税制を含む社会保障全体の制度設計という観点から取り組んで欲しいし、私も連携を取ってまいりたい。 そんな中、週刊東洋経済の、とある記事に目がとまる。 患者の中でも特に、後期高齢者をトータルに診る総合科医を中心とした在宅医療という、これからの地域医療の青写真ともいうべき取り組みが紹介されていた(同誌P100)。 久万高原町を、中島諸島を歩きながら、何となく私がイメージしていたのは、このケースだった。これにICTが活用できれば、どの中山間地域にも離島地域にも応用が可能だな、と思わず共感する。 今後の議会・委員会活動を通して、積極的にアプローチをしてまいりたい、と思う。 そして。 医療に対する頭のスイッチを切ってはいけないよ、と、記事の向こうからたくさんの高齢者の声が聞こえてくる、そんな気がした。
体調を崩したまま、2週連続の上京となり、未だ芳しからず。ドクターストップを振り切ったツケか。 と、自宅にて少しだけ静養しながら、1冊手に取る。「貧乏人は医者にかかるな!」(永田宏著/集英社新書) なんとも過激なタイトルである。 一読したところ、氏は、現今の医療崩壊の真因は、医師不足であると結論する。 そして、これは地方、あるいは、産科・小児科に限った話ではなく、2025年までには、全国の、主要な診療科目のほとんどで生じる、厳しい現実であると、データをひも解きながら指摘する。 では、どのような対策が考えられるか、というと、 医学部の定員を増やすか、国外から医師を輸入するか、患者を国外に輸出するか、 という、過去にイギリスで有効とされた3つの例を挙げ、検証を試みるが、日本においては、いずれも決定打にはなりえない、とし、結局のところ、4つめとして、患者にならない、という未病・予防の重要性を説いている。 氏の説を、私なりにまとめると。 加速する少子高齢化と、医師不足。つまり、患者のパイがこのまま増大すると、今後ますます医療資源がシェアできなくなる。 従って、喫緊の課題は、そうした事実を前提とした国民皆保険・健康保険制度の抜本的見直しと、医療のイノベーションと、健康の自己責任という国民の意識向上である、ということになろう。 医療の現場を知悉する氏の提言は、警鐘を乱打するかのように、心に響いてくる。重たい読後感は否めないが、大いに、考えさせられた。 生活者を足場としながらも、地元の医療現場をもっともっと歩かねばならない。そして、政治は、生活者を守るために、何としても医師を守り増やさねばならない。 強く、深く、決意した。
午前に所用を済ませた後、ここはせっかくとばかり、新橋の「せとうち旬彩館」を訪れた。ご存知、愛媛・香川のアンテナショップである。 写真の通り、あいにくの外壁工事中であったが、館内は予想以上の客入りであった。 まさに、愛媛特産品の見本市。 特に、日の丸みかんと真穴みかんが並んで売られていたのと、今治名物・鯛めしのPOPが、私の目を引いた。 中高年のご夫婦が多かったように思うが、その会話から推察するに、愛媛・香川のご出身、あるいはご縁の深い、都内在住の方々なのであろう。 そして。彼らにとってここは、ある種、自己確認を行う場所なのかもしれない、と思った。 そして、束の間、銀ぶらの後、一路、松山へ。 喧騒からのどかへ。帰ってきたその足で、向かったのは、支持者の座談会会場だった。 早速、上京報告をはじめ、1年生議員が見た政治の現場というテーマで、この半年の活動についてお話をさせて頂いた。 地方はどこも、少子高齢化と格差化によって生じる様々な課題に苦しんでいる。それに対して、等しく財政難という状況で、有効な解決を見出せずもがいている。 という現実を認識した上で、それでも希望はある、ということをお訴えした。 それは、本当の意味で、私たち庶民が、政治の主役を勝ち取ることだ。それぞれの社会責任に立った上で、もっと声をあげ、知恵を結集し、強くなることだ。 ということを、事例紹介を通しながら、お話をさせて頂いた。 希望は、ある。それを1つ1つ、現実にしていく。 その流れを創り拓いていくことが、微力ながらも自身の果たすべき使命に他ならないし、新人議員としての強みがあるとするならば、この初心のみ、であろう。 皆様とともに、皆様のために、という初心のままに走り続けることを、温かい支持者の皆様にお誓いし、散会となった。 ��写真:左は鯛めしのPOP、右は銀座の歩行者天国)
東京都内で開催された「第7回都道府県議会議員研究交流会」に、愛媛県議団11名の一員として参加させて頂く。 600名を一堂に会するコンベンションは、まったくもって壮観、であるが、その内実は、それぞれに、地方の課題を背負って集う者同志であったろう。 ざわつく中、2部構成の第1部、パネルディスカッションから会は始まる。 道州制をテーマに、中央大学大学院佐々木教授をコーディネーターとして、政官財民の各界から5名のパネリストによって活発な議論が行われた。 コーディネーターから、道州制論議の背景と理由、そして制度設計を巡る論点と導入のメリット・デメリットの整理、及び、今後の課題について、簡単なレクチャがあった。 それを受ける形で、パネリスト各氏の持論が展開されたわけである。 いずれも、それぞれの立場が明瞭に反映されていて興味深かったが、総論賛成という点において一致していた。 その後、会場との質疑に入るわけだが、ここから一気にヒートアップ。一言物申す挙手は止むことなく、時間の関係上、6名の質問があった。 道州制推進ありきは茶番だ、とする三重県議の発言が象徴的で、多くの参加県議の心情は、推進に慎重または懐疑的、であったように感じられた。 そのことよりも、真の地方分権を望む声が圧倒的であったと思う。つまり、手段である道州制論議を先行させるのは本末転倒である、と。 政府の意向は、2015年頃をメドに道州制を導入したい、とのこと。あと、8年だ。 しかし、ここは期限提示以上に、それが何のため、誰のためなのかについて、国民と地方の合意形成をしっかりと行うことが肝要であろう。 私も、このテーマについてこれから更に深く、研究を深めてまいりたい。 さて、第2部は、分科会。テーマごとに5つのグループに分かれて行われた。 私が参加したのは第5分科会。テーマは、「議会の政策立案機能の強化について」である。 奇しくも愛媛出身、中央大学磯崎教授のコーディネートにより、最初に、議員提出条例の立案過程における手法と課題などについてのレクチャがあった。 実務レベルで非常にわかりやすく、トークも巧みで思わず唸った。 そして、わが横田議長が、宮城県議とともにパネリストに挙がり、それぞれの取り組み事例の紹介を行ったのである。 それを受けての質疑応答では、ここは愛媛が主役とばかり、私も発言をさせて頂いたが、議会のあり方が今、確実に変革期に入っていることを、あらためて実感した分科会であった。 夜は、横田議長の主宰で懇親会が催され、駆けつけられた山本順三参議院議員と、水口愛媛県東京事務所長を囲んで、こちらも活発に意見交換を行った。 半日強という短時間ではあったが、実に、有意義な知見を得た研究交流会であった。すべては県民のために、との視点で、これからの県政発展につなげてまいりたい。 ��写真:左から、午前中表敬した愛媛県東京事務所、第5分科会風景、横田議長パネリスト発言風景)