医療問題の続き、である。 来年4月から、高齢者医療制度がスタートする。2006年の医療制度改革を受け、高齢者負担の見直しにより医療費の伸びを抑制するためである。 改革をしなければ、と厚労省は、いう。 国民医療費が、2025年度には2006年度の約2倍の65兆円となり、老人医療費の割合が、その内の実に5割近くまでに膨らむ、と。 その結果、現役世代は負担の限界を超え、制度自体の持続性が危ぶまれる、というのだ。 しかしながら、この間、医療以外にも、年金・介護保険・税制などの改革を一気に推し進めた結果、個別では考えられなかった複合的な負担増が高齢者を直撃し、悲鳴を上げている。 それが、先の参院選に示された民意の1つであったろう。たしかに、医療制度改革の必要性は然りといえども、悲鳴もまた切実なる事実なのだ。 そうした声をもととする公明党の強い主張により、この間、負担増凍結が決定した。ポイントは、2点ある。 1つは、75歳以上の後期高齢者の一部が新たに負担する予定だった保険料を、半年間��08年4月から9月の間)免除し、その後の半年間(同10月から09年3月)は9割軽減する、ということ。 もう1つは、70~74歳の窓口負担が2割へ引き上げられる予定だったのを1年間見送り、現在の1割に据え置く、ということ。 緊急措置とはいえ、かかる財源は1,500億円以上である。簡単な政治判断ではなかったことを推察すると、ここは一定の評価を頂ければと思う。 とともに、国に対しては、前期高齢者を含めた高齢者医療制度のあり方を、税制を含む社会保障全体の制度設計という観点から取り組んで欲しいし、私も連携を取ってまいりたい。 そんな中、週刊東洋経済の、とある記事に目がとまる。 患者の中でも特に、後期高齢者をトータルに診る総合科医を中心とした在宅医療という、これからの地域医療の青写真ともいうべき取り組みが紹介されていた(同誌P100)。 久万高原町を、中島諸島を歩きながら、何となく私がイメージしていたのは、このケースだった。これにICTが活用できれば、どの中山間地域にも離島地域にも応用が可能だな、と思わず共感する。 今後の議会・委員会活動を通して、積極的にアプローチをしてまいりたい、と思う。 そして。 医療に対する頭のスイッチを切ってはいけないよ、と、記事の向こうからたくさんの高齢者の声が聞こえてくる、そんな気がした。