昼下がり、某メーカーの拠点長を訪ねる。昨年まで大変お世話になった方である。旧交を温めるといえば失礼だろうが、ともかく話に花が咲く。業績順調とのことで、何より何よりだ。一方、私の業績はというと、今から、一からである。 さて、今からというと、議会質問。昨日、事務局に提出した原稿について、理事者側と午前・午後・夕方の3回にわたり、打合せを行う。 質問が、このような事前のネゴを経て成立すること、いわば議員と理事者側の共同作業で作り上げること、そういうしくみになっていることを、私は知らなかった。果たして、どのくらいの県民が知っているのだろう。うーむ、無知の知はソクラテスの弁明だが。 それはそれとして。ふと気づいたら、その人も自分の隣で夜風を涼んでいる。というくらい、私は皆様の身近な議員になりたい。 知らないことを知っては伝え、伝えては意見を伺い。ブログでのメッセージ表現は限られても、対話ではいつも本音を交わせる議員でありたい。 議事堂周辺を何気に歩いていると、おや、こんなところに、というところに、彫刻家の、空 充秋氏のモニュメントを発見。 空氏といえば、あの「平成之大馬鹿門」で有名である。その作品の心は、実るほど頭を垂れる稲穂かな、だ。ならば、私は「新人之大馬鹿門」でまいろう。
議事堂内のベルが鳴り響くAM11:00。 いよいよ6月の定例県議会が、開幕。支持者の皆様の顔を思い浮かべながら、席につく。 粛々と議事が進められ、約30分で閉会。その後、議員内の小会合が種々、議会質問打合せ等諸々。 夜は愛媛県議会スポーツ振興議員連盟表彰式・祝賀会に参加。受賞された県下各地域の指導者の皆様には、あらためて、その地道で人知れぬご苦労に、敬意と祝福を申し上げたい。 にしても、あっという間の初日であった。少しづつ、いろんなことが見えてきて、新鮮な1日となった。 議会こそ、支持者の皆様のご期待に応える主戦場である。ここで、私がなすべきこと。なすために、なさねばならないこと。考えながら見上げる夜空に、三日月。 君も見ているだろう この消えそうな三日月。ふと、絢香のラブソングが浮かんだ。 歌い上げる歌詞はラブストーリーそのものだが、わたしにとってその最後のフレーズは、質問に立つとき思うであろう気持ちと重なり、心に響く。 そのフレーズは、君に届け この想い、である。
公務・党務ある中で。歳月は人を待たず、所用は後を絶たず、の感あり。 午後、企業訪問。ありがたくも100名以上の皆様にご挨拶をさせて頂く。うらやましいほどに雰囲気のよい職場である。若き日の、わがサラリーマン時代を思い出し、懐かしく。 さて、目下の急務は質問原稿の準備である。昨夜は、ほぼ完徹でおよそ6割がたをまとめ上げた。 夕方のお忙しい中、井上和久代表に原稿内容を見て頂く。 井上代表はいうまでもなく、私がバトンを引き継いだ前任県議であり、衆議院議員も務められた、この道30年のベテラン政治家である。ゆえに原稿チェックも、融通無碍なのである。 1年生の原稿は、みるみる朱色に染まっていく。気持ちよいほどに。その指摘の一つ一つは、まさに絶妙。さすがという他はなく。さあ、今から手直しだ。明日提出のため、今日も徹夜となるか。 それにつけても、6月定例議会。いよいよ明日が、その初日。やはり、歳月は人を待たないらしく。
午前、「KHJ愛媛県こまどりの会」様の定例会に参加させて頂く。 同会は本年2月に立ち上がったばかりの、「社会的ひきこもり」の子息を持たれる親御様のネットワーク組織である。 ちょうど立ち上がったその時期に、私はあるご婦人のご訪問を受け、その知られざるお苦しみのご心情の投げかけを頂いた。その出会いが、この問題の壮絶なる深刻を知るきっかけとなったのである。 以来、ご家族からのヒアリングを重ね、できる限りの書物に目を通し、情報を収集。そして、現時点での私の結論。この問題は、個人で解決できる領域をはるかに超えた、明らかな「社会問題」だ。全国に急増する「社会現象」といってよい。 なかなか光の当たりにくい弱者の方々に光を当て、そのお気持ちに寄り添って、行政としてなすべき現実対応を行い、一つ一つ、生活課題の解決を図っていく。その結果として、県下に、生活者満足度の総和が高まっていく。それが、議員としての私の初心であり、めざすべき目標である。 定例会では、涙ながらの、ご家族の切実なご心情を、あらためてしっかりと受け止めさせて頂いた。何としても、解決に向けた一歩前進のお力に、と、強く心に刻ませて頂いた。先の初心に立ち、初めての議会質問で、早速取り上げさせていただく所存だ。 入梅し、じめじめした日々が続く。かといって、水不足を解消するような雨にも恵まれず。 中途半端な天候にも似て、この「社会的ひきこもり」問題は、我々の前にどんよりと横たわる。それでも季節はやがて夏になるが、苦しみのご家族と当事者に、やがて、は無慈悲だ。 こうした方々が一刻も早く、もとの笑顔を取り戻せるよう、そして、心に太陽が昇り、さわやかな気持ちが晴れわたる日をめざし、連携の和を広げながら、全力で働いてまいりたいと思う。
水を張って、整然と並ぶ苗。山を映し、空を浮かべ。この時期の田んぼは、えも言えず美しい。と、ふと、目に留まったのは、白鷺。 道後温泉由来の、白鷺伝説を思い出した。 その昔、足を痛めた白鷺が、岩から流れる湯に足を浸すと、みるみるその傷が癒え、やがて元気に飛び立って行った。それを見ていた村人が、その湧き出るお湯を温泉と名づけ、その効能を発見したという、伝説である。 伝え話だとして、この話のポイントは、村人の洞察力にあろう。 足を痛めて岩陰にじっとしている白鷺。腹が減っている人は、どうやって捕まえて食べようかと考える。普通の人は、あぁ、白い鳥が休んでいるなと考える。この村人は、白鷺の傷の回復を見、このお湯には秘密があると考えた。私だったら、どう感じたろう。 日々、庶民の生活現場に飛び込み、様々な生活課題を見聞きし、感じる中で、表層ではない、その向こうにある、真の課題を発見できる洞察力を、伝説の村人に習い、養いたいと思う。