雨音で目覚める。石手川ダムの貯水率が80%を切り、心に“どよん”と水不足に対する不安が広がる中、久々の慈雨である。傘を差しながら、今日も市内を歩いた。お昼までに、背広は雨に濡れ、ずしりと重くなった。 午後、庁内折衝の後、お世話になった方々へのご挨拶のため、西条市へ移動。思いがけず、懐かしい友人に再会。約20年ぶりか。お互いの若き日に、とある人材グループで切磋琢磨した仲間である。人の不思議は、一瞬にして、当時にタイムスリップすることである。ひとしきり語らった後、それぞれの来し方と未来に思いを馳せた。感慨とともに、新たな決意が漲る。雨上がりの、西条でのみちみち。水を張った田んぼに目がとまる。車から降りて、近づいた。曇り空を水面に移したその中をのぞきこむと、いろんな生き物が賑やかだった。それぞれが一生懸命に、生きている。昔習った、食物連鎖と生態ピラミッドを思い出した。自然は、実に合理的にできている。 そして、すっかり帳の下りた帰り道。そのように営まれる大自然と環境を、決してなおざりにしてはならないぞ。蛙たちの大合唱が、窓を開けて車を運転する私に、そう訴えているような気がした。