次に、米倉山電力貯蔵技術研究サイトを訪問。
山梨県企業局では水素エネルギー社会の実現に向けて、①水素エネルギーの利用拡大、②CO2フリー水素サプライチェーンの構築、③水素・燃料電池関連産業の振興に取り組んでいます。
同サイト施設は米倉山太陽光発電所に隣接し、水電解水素製造装置を用いて再生可能エネルギー電力と水からグリーン水素を製造する“P2G(パワー・トゥー・ガス)システム”の実証設備を設けており、岸田前総理や経産・環境大臣がたびたび視察に訪れているそうです。
また、2023年3月、水素・燃料電池等に関する世界最先端の技術者が交流する研究開発拠点として、米倉山次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジが整備され、国や民間企業との連携をさらに深め、国内エネルギーの安定供給やエネルギー安全保障への貢献、カーボンフリー農業や新たな産業の芽を創造することで県内産業の発展をめざしています。
県内の水力発電所28カ所、太陽光発電所5か所を有し、もともと県の電気事業として潤沢な収益を維持できた点や、燃料電池のフロンティアランナーである山梨大学の存在、複数の大企業の大型工場による安定した電力需要の確保など、いくつもの好条件が背景にあっての先進プロジェクトと感じました。
本県にそのまま当てはめることは困難ですが、例えば製造業がさかんな東予地域で、タオル、造船、化学など業界分野の連携によりシナジー効果を発揮するような形で、再生可能エネルギーや水素エネルギー社会に向けた独自の取組みができないか、今後、研鑽を深めてまいりたいと思います。
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 21:19