宮城県には仙台藩を築いた伊達政宗が花開かせた“伊達”な文化のほか、1000年以上の歴史を持つ史跡が数多く残っており、貴重な観光資源となっています。
今回の視察では、職員の方から“宮城県の観光振興”と“宿泊税の導入”についてお話を伺いました。
同県では人口減少と高齢化が進む中、観光の重要性が年々高まっており、コロナ禍で失速した経済もコロナ前を超える水準にまで回復しつつあるものの、県内への旅行客の7-8割が自家用車による日帰り観光のため消費単価が低いという課題を抱えているとのことでした。
この点は、本県も含めてどの地方にも通底する課題だと感じます。
そうした中、仙台市と宮城県では、観光施策を拡充するための財源となる“宿泊税”の導入を決定し、2025年11月の導入を目指しているとのことで、背景とこれまでの経緯について詳しくお話を伺いました。
人手不足の解消や多様化する観光ニーズへの対応、欧米豪等の新規市場の開拓といった課題を先取りして、手遅れになる前に対応するためには一定規模の財源が必要になってくる。
その着想から宿泊税の導入を検討し、2018年からいったん議論の中断はあったものの、関係事業者・団体、自治体、地域の多様なステークホルダーと協議を重ね、本年10月、宿泊税条例が可決成立したとのことでした。
観光客1人1泊あたり300円からなる想定税収規模は年間約11億円で、魅力ある観光資源の創出、観光産業の活性化、観光客受入環境整備の充実、国内外との交流拡大の促進に充てるとしています。
本県におきましても今後、宿泊税の導入は視野に入ってくると考えられ、福岡県など他県の事例も含めて研究を深めてまいりたいと思います。
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 23:20