アキウとは、宮城県仙台市にある人口約3800人の“秋保”地域の名称です。
1500年もの歴史があり、秋保温泉がとりわけ有名ですが、駅前が多くの人であふれ湯治客でにぎわった往時の面影は影を潜め、近年では雇用の多くが温泉旅館に勤務する“宿泊業に特化した地区”として存続してこられたそうです。
そうした中、アキウに23の事業者が集まり“AKIU VALLEY協議会”を結成し、食・農業・観光の文化を基にした魅力の創出と地域経済の循環をめざした取り組みがスタート。
5年間で、飲食店や小売店など事業者数は約3倍に増加。日帰り客数も年間約66万人に増加したとのこと。
地域再生を実現するまでにはどんなご苦労があったのか、これまでの取り組みについて(株)アキウツーリズムファクトリー代表取締役の千葉大貴さんからお話を伺いました。
私が最も感銘を受けたのは、観光人口→関係人口→移住人口→定住人口の順で地域再生に携わるアキウブランドメーカーズを創出しようという千葉さんの構想です。
初めて訪れた観光客がアキウと何らかの形で関わりを作れないか
関わりが増えるとアキウへの思いが芽生え、関係性が高まり
その中から一定の移住者が生まれ、仲間が増え
それぞれの役割と情熱をビジネスとして落とし込むことができれば、最終的に定住人口の創出、つまりアキウの再生に繋がっていくのではないか
という構想を、時間をかけて、会社設立メンバーや地域住民と対話を重ねながら共有していったところに強く感動させられました。
(皆さんもぜひ、古民家を再生した古民家レストラン「アキウ舎」に足を運んでみてください。きっと彼らの情熱が伝わってくると思います。)
今回の視察で学んだアキウの地域づくりは、その後、経済産業省の“持続的な成長ができる地域のエコ・システム構築”の基本指針で“先進モデル”として選出されることとなりました。
アキウツーリズムファクトリーの今後ますますのご発展をお祈りいたしますとともに、本県の各地域で、意欲的な若い人たちの手により、地域資源を活用した観光振興が様々なカタチで生み出されるよう、私もしっかりと後押ししてまいりたいと思います。
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 23:09