「(略)今朝は、今国会の大きな議論の一つとなっている「選択的夫婦別姓制度」についての私たち公明党の考え方についてご報告いたしたいと思います。
わが国では、夫婦同氏(同姓)制度が採られており、婚姻に際しては、夫または妻のいずれか、一方の氏を改めなければならないと民法に定められています。
女性の社会進出に伴い、婚姻後も働き続ける女性が増える中、婚姻前の姓が使えないことで婚姻後の生活やビジネス上の不便など不利益が顕在化しています。
国際的に見ると、夫婦同姓を義務化しているのは日本のみであり、内閣府の調査では、婚姻届を提出した夫婦のうち約95%の女性が改姓しているのが実態であります。
また、女性への差別撤廃を目指す国連の委員会は、ジェンダー平等に向けた日本政府の取り組みに対する見解を発表し、結婚した夫婦が同じ名字になることを定めた民法の規定について、「女性が夫の姓を名乗ることを余儀なくされることが多い」と指摘し、夫婦が同じ名字にすることを定めた日本の民法について、夫婦が希望すれば結婚前の姓を名乗れる「選択的夫婦別姓」を可能にする法改正を行うよう日本政府に勧告を出しました。
選択的夫婦別姓制度に関するマスコミの世論調査で、60代までは「賛成」が約7割に上り、若い世代ほど「賛成」が多く、70代以上も5割を超えています。
民間企業や行政などの職場では、改姓によるキャリアの分断を避けるため、旧姓を通称として使うことが一般的になっています。経団連の提言では、「旧姓併記を拡大するだけでは解決できない課題も多い」とし、「女性活躍が進めば進むほど通称使用による弊害が顕在化するようになった」と指摘しています。
旧姓の通称使用でよいのではとの意見もありますが、公的な姓は“戸籍姓のみ”である以上、パスポートや住民票などに旧姓単独で記載できず、不動産登記などにも限界があります。
また、企業では社員のキャリアの連続性を重視するため、旧姓の通称使用が広がっております。しかし、通称使用は日本独自の仕組みであり、海外では同一人物と認識されず、契約や手続き、渡航の際などに不正を疑われてトラブルに遭遇するケースも発生しています。
こうした状況を受け、公明党は今年1月「選択的夫婦別姓制度導入推進プロジェクトチーム」を立ち上げ、会合で斉藤代表は、法務大臣の諮問機関である法制審議会が1996年に要綱案を答申してから30年近くが経過することに触れ、「社会の根幹に関わる問題について与党が意見を固め、野党との合意形成を図るべきだ」と強調し、早期に意見を集約し、自民党に議論を働き掛ける考えを示しました。
現在、党PTでは、旧姓の通称使用拡大に伴う、課題や子どもの姓の決め方などについて、有識者や関係団体からヒアリングを実施しています。
この中で経団連などからは、事業者で従業員の戸籍姓と旧姓を二重管理する不利益があるほか、旧姓併記は単独記載ではないため、税や社会保障の手続きなど公的な部分において通称使用の拡大では「根本的な解決にはならない」と指摘しており、選択的夫婦別姓制度の早期導入を求める声が上がりました。
党PT座長の矢倉かつお参院議員は、選択的夫婦別姓は、婚姻の際、同姓と別姓の「どちらも選べる」制度であることを強調し、別姓にした際の主要課題は、子どもの姓をどうするか、家族の一体性や戸籍制度を守るべき価値と、別姓を求める個人の人格的利益をどう両立させるかなどをテーマに、与党で成案を得て野党の皆さんとも議論し、公明党が幅広い合意形成の要を担ってまいります。
今朝は、「選択的夫婦別姓制度」についての私たち公明党の考え方についてご報告させて頂きました。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 12:13