「(略)中村知事は先週、1人当たり県民所得の向上を図る「愛媛県ものづくり産業・サービス産業振興指針」について発表しました。今朝は、その概要についてご報告させて頂きます。
今回策定された指針は、少子化・人口減少と若年層を中心とした県外への転出超過が予想を上回るスピードで進む中、こうした状況に打ち克つ産業構造への変革を図り、全国下位に低迷する本県1人当たり県民所得の回復と更なる向上を実現するためのアクションプランです。
具体的には、2020年度の本県1人当たり県民所得245.8万円を、2030年度には300万円へと向上させることを目指します。
私は、人口減少問題が県政最大の課題であるとの考えから、これに歯止めをかけるには県民所得を向上させる経済政策が重要であり、そのための具体的な取り組みについて昨年9月、本年2月の本会議で質問させて頂きました。
本年2月議会の際には、知事から“2026年度1人当たり県民所得288.4万円の目標達成を目指す”との答弁がありましたが、今回の指針ではその先を見据えた300万円という更なる高みを示されたわけであり、とても心強く感じますとともに私自身も、その実現に向けてしっかりと後押ししてまいりたいと思います。
さて、1人当たり県民所得の向上に向けた方策は、大きく3つの柱からなります。
まずは、“産業人材の減少を最小化させる”観点からの取り組みです。
県内全産業の維持・発展の原動力となる人材育成・確保や県内企業における人的資本経営の意識醸成を推進することにより、産業人材の減少の最小化を図り、県内経済の持続的な発展と1人当たり県民所得の向上に繋げます。
具体的には、若年女性の転出超過の解消に向けた官民挙げての体制構築や県内大学との連携による育成環境の整備、ベトナム・ベンチェ省やインド・タミルナドゥ州などMOU締結国からの外国人材受け入れ拡大等に取り組みます。
2つ目は、“既存産業を伸ばす”観点からの取組みです。
産業DXの推進による生産性の向上や新技術・新商品の開発などへの支援を通して、現在、県内において生産活動を行っている企業の産出額や利益率の向上を図り、1人当たり県民所得の向上に繋げます。
具体的には、トライアングルエヒメによるデジタル実装の加速化、捏炭素ビジネスとしての洋上風力発電分野への参入支援、経済交流ミッションを通じた海外販路開拓などに取り組みます。
3つ目は、“新たな活力を創出する”観点からの取組みです。
情報通信業をはじめとする稼ぐ力の高い企業の誘致や付加価値の高いスタートアップの創出などを推進し、産業構造の強化を図りながら新たな産出額を増加させ、1人当たり県民所得の向上に繋げます。
具体的には、高付加価値を創出するIT関連企業等の誘致や大規模産業用地の確保、若手IT企業家の創出、産学金官の連携によるスタートアップ支援に取り組みます。
このように、県は1人当たり県民所得の向上を目指すにあたり、大きく3つの方策によって、そして1つ1つの取組みに対し具体的な目標を掲げ推進することとしました。
主な成果指標は以下の通りです。
【大学生・高校生等の県内就職率】
2022年度/59.7%⇒ 20026年度/63.7%
【育児休業取得率(男性)】
2021年度/14.3%⇒ 2026年度/80%
【デジタル人材の輩出】
2023年度/2570人(累計)⇒ 2022~2026年度/約6000人(累計)
【特定技能・技能実習の人数】
2022年度/6644人⇒ 2024年度/7330人
【ものづくり分野の海外における県関与成約額】
2023年度/2.1億円⇒ 2026年度/10億円(累計)
今朝は、先週、中村知事から発表された「愛媛県ものづくり産業・サービス産業振興指針」の概要についてご報告させて頂きました。
私自身、県外への人口流出に歯止めをかけ、少子化と人口減少を乗り越えるためにも、1人当たり県民所得の向上に向けて引き続き全力で取り組んでまいる所存です。
今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 10:28