5/30・31、東京で行われた「2024年度日本自治創造学会研究大会」に出席。
全国から500名を超える地方議員・行政関係者が集い、2日間にわたり様々な研鑽を行いました。
今回得た知見をしっかりと今後の議会活動に生かしてまいりたいと思います。
識者による主な講演についてポイントを整理してみましたので随時アップしてまいります。
■「地方自治体の目指す道」
講師:吉川 洋(東京大学名誉教授・財務省財務総合政策研究所名誉所長)
〇財政・金融政策及びマクロ経済が専門の立場から、近年のGDPの動向や人口構造の変化など大局的なトレンドを説明
〇1913年(大正2年)と1994年(平成6年)を比べると人口は約4.8倍に、GDPは約35倍に増加している。“資本主義のエンジンは(人口ではなく)イノベーション”というシュンペーターの指摘は正しい
〇世界の一人当たり名目GDPの推移を見ると、日本は2000年は世界第2位だが2022年は第30位に転落。一人当たり購買力平価GDP(USドル)は2021年で世界37位、2023年の世界競争力ランキングは35位など日本経済は長期停滞が続いているが、その主な要因は“後退するイノベーション”と“消費の停滞”だ
〇2011-2021年の10年間で日本の企業は内部留保をほぼ倍増する一方、研究開発費、企業の人的投資、設備投資のいずれもマイナスとなっており、これではイノベーションは期待できない。また平均消費性向も10ポイント悪化し消費マインドはますます冷え込む状況となっている
〇増大する社会保障の給付(2023年134兆円)に対し保険料だけでは約60%しか賄うことができず、恒常的に財政赤字が膨らむ構造となっている。こうしたことから多くの国民は社会保障の将来に不安を感じており、消費の停滞を克服するには“安心できる社会保障制度への転換”や“財政赤字の改善に向けた道筋”が求められる
〇そうした中、東京都多摩地区では出生率を好転し人口が増加する自治体が広がっている。地域の実情に応じた少子化対策がそれぞれ講じられており、このことからもアイデアやひらめきは身近な“草の根”にあり、“経済成長のエンジン”ともいうべき“イノベーション”の素は“地方”にこそあるということを本事例は示唆していると考える
〇人口減少が続く中、地方自治体の皆様にはそれぞれの“草の根”から大胆かつ積極的にアイデアを生み出し、これからの日本経済を成長させる“イノベーション”を大いに巻き起こして頂きたい
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 20:53