本日、県議会公明党として「令和6年度当初予算編成に関する要望書」を中村知事に提出いたしました。
要望書は、私どもに寄せられた皆様のお声を反映した全153項目からなり、今後各会派から提出された要望を踏まえ、知事査定等を通して最終的に当初予算案として2月定例会に上程されることになります。1つでも多く実現できるよう県議会公明党として全力で取り組んでまいります。(以下全文を掲載。〇は新規項目、●は継続項目です)
【総務・企画 関係】
〇1)DX推進に欠かせないデジタル人材の育成について、県内4大学との協定や民間IT企業との連携、ネパールの高度IT人材と県内企業のマッチング支援等これまでの取り組みに加え、県職員の国家資格(情報処理安全確保支援士など)の取得支援など、庁内のDX推進を担う人的資本強化にも万全を尽くされたい。
〇2)わが国の最重要課題である少子化対策をはじめ子ども関連政策の司令塔として昨年4月、「こども家庭庁」が首相の直属機関として発足。本県においても「婚活」、「子育て」、「いじめ・虐待・貧困」、「若者活躍」、「男女共同参画」など部局にまたがる課題とタテ割りの弊害に対応するため、知事直轄の司令塔組織を新設し“県こども計画”の策定はじめ子どもの幸せを最優先する愛媛の実現をめざし、総合的に取り組まれたい。(保健福祉部・教育委員会と連携)
〇3)昨年10月から行政手続きをスマホで行う電子申請システムを16市町と共同で利用を開始し、全市町が高度デジタル人材を確保・シェアする本県独自のしくみを構築されたが、引き続き手続きの標準化を進め、“手のひら県庁・市役所・町役場”の実現へ1つでも多く“書かない窓口”が広がるよう取り組むこと。
〇4)県はベトナム・ベンチェ省との経済協力に関する覚書を締結し、県内の菓子製造、水質改善事業、水産加工事業などビジネスチャンスを広げつつある。県内最多のベトナム人との交流をさらに深め、定期便就航の早期実現に向け取り組まれたい。(観光スポーツ文化部・経済労働部と連携)
〇5)韓国(ソウル・プサン)に加え本年3月からは台北便の運航が再開され、松山空港国際線は過去最高の週12便を実現することになる。さらに中国定期便の再開やベトナムとの新規就航も視野に入れながら、駐機スポットの増設及びバックヤードの整備充実、国際線旅客ビルの拡張計画のできるだけ早期の実現に向けて取り組まれたい。(観光スポーツ文化部・経済労働部と連携)
〇6)先日、松山釜山便、ソウル松山便を利用した。どちらも満席であったが、魅力ある観光地として、インバウンドの新規客とともにリピーター客をしっかり確保する対策を。その為には、韓国側から要望の強い一定規模の免税ショップを整えることも課題。当面、百貨店等と連携して、免税店機能を強化するなどの対策が必要ではないか。検討願いたい。
〇7)県内事業者や自治体等にデジタル技術を実装し、地域課題の解決と事業者の稼ぐ力の向上をめざす“トライアングルエヒメ”事業について高く評価するとともに、県内全域へのビジネス実装に繋げ本県産業のDXが加速するよう、更なる推進を図られたい。
〇8)県文南側県有地の活用についてはMICE機能の向上につながる集客交流施設の整備を軸とする形で年度内に事業者と基本協定を締結し、来年度、整備計画の具体化を図るとのことだが、国内外から人・物・金・情報を呼び込み本県経済の更なる活性化に資するよう、松山市や関係団体等と連携し“オール愛媛”として取り組まれたい。
〇9)一般競争入札により公共事業の実施に関する指定管理事業者を選定する際、社会保険労務士による“労働条件審査”の導入・活用について検討すること。(経済労働部・土木部と連携)
〇10)昨年、伊予市双海町で自動運転バスの実証実験が行われたが、こうした経験値を中山間地や離島を有する自治体と共有するとともに、国と連携し、本県への社会実装が早期に進むよう積極的に取り組むこと。
〇11)燃油価格の高騰が長期化する中、県内バス路線を維持するため、EVバス及びその充電設備を導入するバス事業者に対し支援の拡充強化を図ること。
〇12)昨年、Netflixドラマ「離婚しようよ」が大ヒットしたが、県が設定したロケ地巡りモデルコースの積極的なアピールで本県への聖地巡礼に繋げるとともに、ネット配信ドラマや動画コンテンツを軸に、さらなるロケ誘致と本県の魅力発信に取り組まれたい。(観光スポーツ文化部と連携)
〇13)国では昨年末、しまなみ海道の自動車通行料について本年4月以降も現在の料金水準を維持する方針を決めたが、沿線住民の負担軽減という課題は残っており、今後も今治市と連携し、料金負担の軽減実現に向け粘り強く取り組むこと。(土木部と連携)
●14)東温市に移転した松山市三番町の旧県衛生環境研究所について、売却も含めてできるだけ早期に跡地利用を検討すること。(保健福祉部と連携)
●15)昨年度の本県への移住者数は7,162人で過去最高となった。引き続き2026年の転出超過の解消に向け積極的・戦略的に取り組むこと。
●16)本県出身で新幹線生みの親である十河信二と妻の物語をNHK朝ドラに実現しようと、西条市・新居浜市が連携し誘致を進めているが、本県経済への波及効果は元より、四国新幹線導入への機運醸成を図るため、県としても全力で誘致に取り組むこと。
●17)運転免許証を自主返納した高齢者に対し、自治体や事業者等による様々な支援が行われているが、マイカーに依存することなく移動できることが当事者の求める本質であり、自治体と連携を図り、オンデマンド交通、貨客混載、カーシェア、超小型モビリティなど地域の実情に応じた公共交通ネットワークを構築すること。
●18)エネルギー価格や物価の高騰が長期化する中、今後も生活者・事業者・生産者等に対する支援を必要に応じて適切に講じること。(経済労働部・農林水産部・保健福祉部等と連携)
●19)今治市の大学獣医学部が本年、1期生の卒業を迎える。本県にとって念願の公務員獣医師確保及び地元就職にもつながるよう、学園・自治体・経済界等と連携し取り組むこと。(保健福祉部と連携)
●20)「流域治水マニュアル(住民版)」について自治体や県教育委員会等を通じて県内児童生徒に普及啓発を図るとともに、家庭や自主防災組織での実践を通じ、地域防災力の強化に繋がるよう取り組むこと。(土木部・県教育委員会と連携)
●21)本県産の首都圏向け柑橘・水産物のほとんどはトラックで輸送されており、トラックドライバーの「2024年問題」を解消すべく、より合理的な輸送オペレーションの実現に向け、業界関係者と協力し対策を講じること。(農林水産部と連携)
●22)昨年4月、道交法改正により自転車用ヘルメット着用が努力義務となったが、特に着用率が低く最も交通事故が多い高齢者層に対し、運転免許返納の特典やヘルメット購入に使える地域商品券として配布するなど工夫し、着用の推進に取り組むこと。(県民環境部・経済労働部と連携)
●23)空飛ぶクルマの導入に向け、今年度は県内運航ルートの調査と利活用の将来像や利便性の見える化を含め、新たなビジネス創出につながる取り組みを進めるとのことだが、2027年度のサービス開始に向け着実に取り組みを進められたい。
●24)知的能力に異常がないのに文字を読めない障がい、いわゆるディスレクシア、発達性読み書き障がいの人が少なくとも人口の5%いると言われている。スピルバーグやトム・クルーズも、自身がディスレクシアであることを公表している。ただ最近開発されたUDデジタル教科書体であれば、読みやすいとの声も多くWINDOWSでは、標準搭載されている。普通に読みやすい書体なので、「誰ひとり取り残さない」社会を目指して、行政文書など県民も共有する書類に関してUDデジタル教科書体の導入を図られたい。
●25)岩城橋完成により残った生活航路として不可欠な2航路と、トラックやトレーラー、観光バスなど車長の長い車両が唯一乗り入れ可能な1航路については、上島町で大規模災害が発生し救援物資の搬入や島民の大規模避難が必要となった場合のリダンダンシー確保の意味で今後も維持されるよう支援に取り組むこと。(土木部と連携)
【観光・スポーツ・文化 関係】
〇1)昨年、ソウル線がデイリー運行となり、新たにプサン線が週3便で運航することとなった。搭乗率も順調に推移しているが、安定就航を維持するために、県民の認知度向上やパスポートの取得促進など、アウトバウンドの向上に向け積極的に取り組むこと。
*本年1/21-1/24愛媛県議会国際交流促進議連によるプサン・ソウル視察研修での現地の方々から要望(以下7項目)
①プサン便の安定就航に向けては本県からのアウトバウンドの向上が課題。それには官民の愛媛県関係者がもっとプサン市を訪れ、自らによるマスメディア出演、ソーシャルメディア発信を強化するべきとの指摘あり。アウトバウンド向上への交流のあり方やしくみについて検討すること。
②県としてグラハン支援の取り組みを行っているが、エアプサンによると福岡市など他の都市に比べて費用が2-3倍高いとの指摘あり。
③松山市内へのシャトルバスや市内で使える無料クーポンへの評価が高い一方、免税店の数を増やし規模を大きくしてほしいとの要望あり。
④松山空港カウンターの狭さや人手不足による搭乗手続きや入出国手続きに2時間かかるなど改善要望あり。
⑤チェジュ航空では、2024年のマーケティングの方向性の1つとして、20-30代に向けた道後温泉の次の魅力の創出、アクティビティを満喫できる新しい松山旅行を検討しているとのこと。クレアソウル事務所とも連携し、次なる松山・愛媛旅行商品の造成に取り組まれたい。
⑥2つめの方向性として松山へのリピーターの強化を上げ、大洲市など松山以外の地域への移動の不便解消への協力要請あり。
⑦3つめの方向性として日本からのアウトバウンドを上げ、韓国・ソウルへの修学旅行や企業訪問の機会を増やしてほしいとの要望あり。
〇2)韓国(ソウル・プサン)に加え本年3月からは台北便の運航が再開され、松山空港国際線は過去最高の週12便を実現することになる。さらに中国定期便の再開やベトナムとの新規就航も視野に入れながら、駐機スポットの増設及び国際線旅客ビルの拡張計画のできるだけ早期の実現に向けて取り組まれたい。(企画振興部・経済労働部と連携)
〇3)県はベトナム・ベンチェ省との経済協力に関する覚書を締結し、県内の菓子製造、水質改善事業、水産加工事業などビジネスチャンスを広げつつある。県内最多のベトナム人との交流をさらに深め、定期便就航の早期実現に向け取り組まれたい。(企画振興部・経済労働部と連携)
〇4)アフターコロナにおけるインバウンドの本格的な回復に向け、欧米豪などをターゲットにツアープロバイダー等と連携し高付加価値のツアーを図りながらインバウンド誘客の促進に取り組むこと。過疎地等における交通・宿泊など受け入れ態勢強化への支援を講じること。
〇5)昨年、Netflixドラマ「離婚しようよ」が大ヒットしたが、県が設定したロケ地巡りモデルコースの積極的なアピールで本県への聖地巡礼に繋げるとともに、ネット配信ドラマや動画コンテンツを軸に、さらなるロケ誘致と本県の魅力発信に取り組まれたい。(企画振興部と連携)
〇6)eスポーツは障がい者の日常活動の充実やコミュニケーション能力の向上、手指の機能回復や社会参加意欲の向上など様々な有効性が認められ、現在15市町にモデル施設があるが、すべての市町へと展開し、eスポーツのさらなる普及に取り組むこと。
〇7)一般的にどの観光地も地元利用率が高いが、本県においても国の重要文化財である萬翠荘や道後温泉、松山城など主要な観光コンテンツに関する県民の利用状況を「県民生活に関する世論調査」等で分析し、利用率の向上とシビックプライドの醸成強化を図ること。
〇8)昨年、県美術館を中核とした文化観光推進拠点計画が大臣認定を受け、2028年度の開館30周年に向け種々の取り組みを進めるにあたり、「県庁本館」や「萬翠荘」、「坂の上の雲ミュージアム」、「松山城」など、県美術館がハブ拠点となり周遊できるしくみを構築するなど国内外からさらなる観光客誘致を図り、地域活性化の新たな好循環が実現するよう取り組むこと。
〇9)県美術館は空調改修工事のため本年8月から南館が利用停止になるが、工事に万全を期すとともに、来館者の減少が大きく落ち込まないよう対策を講じること。
〇10)来年、県美術館で開催される全国図書館大会愛媛大会に向け万全の準備を進めるとともに、本県出身にして日本の図書館界の先覚者である図書館学者・今澤慈海にも光を当てながら、ゆかりある本県にふさわしい知の拠点“愛媛県立図書館”として将来的な新築移転の検討も含め“令和の再興”を図られたい。
〇11)インバウンド誘客の強力なコンテンツとなるナイトタイムエコノミー及びツアーについて、現状の文化観光施設のナイトタイムの営業及び、パッケージツアーの開催などを検討すること。
●12)とべもりエリア全体をフィールドミュージアムに見立てた周遊性の高い芸術祭「えひめアートプロジェクト」(来年度開催予定)に向けては、官民の各機関と連携しながら推進体制の構築からアート・コミュニケータの育成まで、準備に万全を尽くされたい。
【県民生活・環境・防災 関係】
〇1) 能登半島地震では家屋倒壊、火災、道路の寸断、孤立集落、断水、停電等が各地で多発し、救助活動の初動において深刻な課題を残した。過酷な地形という点では本県も同様である。被災地の復旧復興支援を持続する中で、南海トラフ地震や伊方原発事故を想定した事前防災等に資するよう取り組みを進めること。特に、死亡原因の多くを占める家屋の倒壊について、耐震化率が低かったことが挙げられている。一般居住家屋の耐震化率向上に向けて、一段の施策を望みたい。
〇2) 避難生活の長期化は心身に危険を伴うため、ホテルや旅館などへの2次避難が不可欠だ。被災者からは集落ごとの移動や地元を離れる際に安心して移動できるよう治安対策の強化や地元情報の適時提供などの要望が上がっていると聞くが、本県においても自治体や宿泊事業者等関係団体と連携協定を結ぶなど事前防災に万全を期すこと。具体例として、一時避難所において、知的障害の子が夜中に大声を出して、親族等が肩身の狭い思いをしていた等の話もある。2次避難への早期移行へのシミュレーション等、特に社会的弱者に対し、検討を願いたい。
〇3)被災地では、視覚障がい者が災害に関する情報を得られるよう音声コードを読み取るためのアプリが無償で提供されているが、本県においても障がいの種類や特性に応じた被災者個々人に寄り添った支援が行えるよう体制整備に万全を期すこと。
〇4)近年、海外ではカリフォルニアやハワイ、県内では昨年の大洲市など“大規模林野火災”が相次いでいる。気候変動の影響が指摘される中、県地域防災計画(風水害等対策編)等を適切に見直すとともに、市町や関係団体と連携し災害予防から復旧復興まであらゆる事態を想定し、対策に万全を期すこと。
〇5)大阪府と兵庫県が“大阪湾ブルーカーボン生態系アライアンス”を始動させる中、本県においても2050年カーボンニュートラル実現に向けて改正瀬戸内海環境保全特措法及び気候変動の観点からブルーカーボンを積極的に推進し、新しい時代にふさわしい里海づくりに取り組むこと。
〇6)これまで厚労省が所管してきた水道事業が来年度から国交省に移管されるが、本県においても混乱することなく安定した水道行政が引き継げるよう国及び部局間連携を密にしながら対応に万全を期すこと。(土木部と連携)
〇7)これまで愛媛県が行ってきた水道事業功労者表彰式については、国交省へ移管された後も継続されるよう配慮願いたい。また、国の褒章・叙勲に関しては、全国団体だけでなく県からも内申できるよう検討されたい。(土木部と連携)
●8)伊方原発3号機「使用済樹脂貯蔵タンク」増設工事にあたっては、「えひめ方式」による通報連絡の下、安全確保を最優先に実施するとともに適切な情報公開に努めるよう指導徹底すること。
●9)「使用済樹脂貯蔵タンク」は放射性廃棄物の一時保管施設であり、その運用開始後は協力会社を含めた作業員への教育を徹底し、安全確保と環境保全を優先させること。
●10)使用済樹脂の保管はあくまでも一時的なものであり、事業者の責任において最終的な処分方法を確立し計画的な搬出に取り組むよう指導すること。
●11)廃炉措置に関しては約40年にわたる長期的作業であり、人材を継続的に育成・確保していく必要がある。業界他社等との連携を強化するなど、事業者に対し教育訓練の充実強化を求めること。
●12)今年度から、男性職員の育休取得率100%を目指し、気兼ねなく育休を取得できるよう給与や人事配置などで環境を整備する取り組みが始まった。大いに期待するとともに、県庁が官民の先頭に立って“日本一子育てしやすい愛媛”を体現してほしい。
●13)昨年4月、道交法改正により自転車用ヘルメット着用が努力義務となったが、特に着用率が低く最も交通事故が多い高齢者層に対し、運転免許返納の特典やヘルメット購入に使える地域商品券として配布するなど工夫し、着用の推進に取り組むこと。(企画振興部・経済労働部と連携)
●14)直近における本県の基幹管路耐震適合率に関しては32.9%(全国34位)と低水準に留まっている。市町に対する財政措置や耐震化計画策定の促進など適切な助言を行いながら整備促進の加速化を図られたい。(土木部と連携)
●15)近年の自然災害の激甚・頻発化に伴い消防団の重要性が増す中、県下において団員確保が深刻な状況となっている。市町や県消防協会等と連携し、機能別消防団や女性の加入促進など、多様な担い手の確保に向けて積極的に取り組むこと。
●16)還付金詐欺など悪質業者とのトラブルが絶えない中、困ったときの相談窓口として「消費者ホットライン188」があるが未だ認知度が低い状況にある。とりわけ高齢者、若者など被害の傾向が高い方々に対する啓発に積極的に取り組むこと。
●17)昨年、愛南町で“町海洋環境保全プロジェクト”を立ち上げ、漂着ごみゼロを目指した取り組みが始まったが、豊かな海を次世代に継承するために、プロジェクトが全県へ広がるよう、県として積極的に後押しすること。
【保健・福祉 関係】
〇1)わが国の最重要課題である少子化対策をはじめ子ども関連政策の司令塔として昨年4月、「こども家庭庁」が首相の直属機関として発足。本県においても「婚活」、「子育て」、「いじめ・虐待・貧困」、「若者活躍」、「男女共同参画」など部局にまたがる課題とタテ割りの弊害に対応するため、知事直轄の司令塔組織を新設し“県こども計画”の策定はじめ子どもの幸せを最優先する愛媛の実現をめざし、総合的に取り組まれたい。(総務部・企画振興部・教育委員会と連携)
〇2)医師不足や地域偏在に対応するため創設された県の医師確保奨学金制度が拡充され、本年3月から募集が始まる。医療関係機関とも連携を図りながら、深刻な医師不足に直面する地域の医療体制の強化と医療環境の改善に繋がるよう取り組むこと。(公営企業局と連携)
〇3)身体障害者補助犬法に基づき、県内における補助犬(介助犬・聴導犬・盲導犬)の育成と使用者である身体障害者の施設利用の円滑化、さらには補助犬を使用する身体障害者の自立と社会参加を促進する取り組みの拡充強化を図ること。
〇4)補助犬の育成や身体障害者の使用拡大については、補助犬について企業団体など幅広い県民が安心して受入れられるよう正しい理解を広げることが肝要であり、県は市町等と連携し補助犬の認知度向上はじめ普及啓発活動に積極的に取り組むこと。
〇5)動物愛護センターについて、訓練士や看護師など獣医学部や動物専門学校レベルの専門スキルを有する正職員を着実に増やしながら、本県としての動物愛護管理行政の底上げを図り“人と動物の共生社会”の実現を図ること。
〇6)社会的養護を必要とする子どもや若者たちの支援について。児童養護施設を退所して自立を目指す若者は、本人の成育歴や現在の環境によらず様々な 課題を抱えており、社会に馴染み自立した生活を続けていくのが困難な若者が多いのが現状となっている。このような若者に寄り添いながら相談支援・居場所支援等により自立を継続させるためのアフターケア事業が必要。自立援助ホーム等では、年齢制限と児相が関わっていないと、入所できない等の課題もある。民間資金で運営しているところもあるが、施設の維持に四苦八苦しているのが現状。国では、これらの課題を解決すべく来年度からの新たな政策として、「社会的養護自立支援拠点事業」等を計画しており、予算化を目指している。 来年度整備されるこの政策を活用し、若者のアフターケア事業について進めることを要望したい。国においては、子ども家庭庁の所管と聞いているが、働く場所の確保なども関係しているので、県においては経済労働部との関係も重要と考える。当事者ファーストでの推進をお願いしたい。
〇7)本年3月をめどに策定される第4期県がん対策推進計画では、国の基本計画が求めるロジックモデルを活用するなど、データと当事者の思いの両方を反映させながら、健康格差の縮小と誰一人取り残さない本県独自のがん対策をめざし、取り組むこと。加えて、国の骨太の方針でも示されているがんの先進治療について、可能な限り、本県への導入を図られたい。
●8)東温市に移転した松山市三番町の旧県衛生環境研究所について、売却も含めてできるだけ早期に跡地利用を検討すること。(総務部と連携)
●9)エネルギー価格や物価の高騰が長期化する中、今後も生活者・事業者・生産者等に対する支援を必要に応じて適切に講じること。(総務部・経済労働部・農林水産部等と連携)
●10)国は今年度、全自治体を対象に初の「ひきこもり実態調査」を行い、その結果を踏まえ来年度中に支援マニュアルを策定する考えを示した。8050問題が深刻になる中、市町や当事者・支援団体等と連携し、伴走型の多様な支援に繋がるよう取り組むこと。(総務部と連携)
●11)視聴覚をはじめとした障がい者の方が情報アクセスの機会を確保するため、コミュニケーション条例の制定に向けて取り組むこと。また、外国人の方が適切な情報に到達できるよう多言語対応を促進するなど、誰もが安心して暮らせる社会の実現に取り組むこと。
●12)単身世帯が4割となる中、今後、高齢者(特に未婚者)の身寄り問題が懸念される。亡くなった後の葬儀やアパートの現状回復等の事務を誰が担うかといった課題や、多死社会到来への準備は急務であり、国や市町と連携しつつ対策を講じられたい。
〇13)動物殺処分のワースト上位が続く本県の現状を打破するためには、とりわけ処分数の多い猫への思い切った対策が必要だ。不妊去勢手術に対する補助制度を県の制度として一元化し、期限を設定した上で“全県一斉”に実施できる体制の実現に向け取り組まれたい。
以上を踏まえた上で具体策の提言として
①地域猫制度の利用で、犬猫の去勢や避妊の手術を行う助成金の申請手続きが簡素化できるよう市町村に働きかけること。
②移動式手術室バスの使用により、島やへき地で一度に30匹以上の避妊・去勢手術を行うことができる。現在バスはボランティア団体が準備しているため、愛媛県動物愛護センターが移動式手術バスを購入すること。
③動物愛護センター等が中心となって地域猫に関する講習を子供向けに行い、殺処分を減らすための啓発運動に取り組むこと。
●14)犬猫のマイクロチップの装着率は2割に満たない現状に加え、まだまだ抵抗感がある飼い主も少なくないため、県として、安全性や動物共生に対する理解が着実に広がるようしっかり取組むこと。
●15)50代から発症率が高くなり、80歳までに3人に1人が発症するといわれる帯状疱疹について、発症予防のためにワクチンが有効とされている。しかし、費用が高額で接種を諦める方が少なくない。国に対し費用助成並びに定期接種化を強く求めること。
●16)本県は、国民健康保険の加入者が対象となる特定健診の受診率も全国下位が続く。市町や県総合保険協会等と連携しながら、受診率の向上を図られたい。
●17)児童虐待相談件数が年々増加する中、児童相談所の職員増強を図ること。特に里親になりたいと希望するもののなかなか成立するまで行かないとの声もあり、里親制度の拡充強化を図られたい。
●18)放課後デイサービス事業の支援について、県や自治体間で各種サービスの認定基準や評価判定についてばらつきが大きいことが指摘されている。国による児童福祉法改正の動向も踏まえ事業者と連携を密にし、適切かつ公平な対応を図ること。
●19)直近の厚労省による「健康寿命」に関する調査によると、本県は男性が71.50歳でワースト2位、女性が74.58歳でワースト4位であった。延伸を阻害する要因を把握するとともに、ビッグデータ活用等による疾病予防や健康づくりをより一層推進すること。
●20)保護を必要とする子どもたちを取り巻く児童養護施設、自立援助ホーム、ファミリーホーム等の運営状況は総じて不安定な環境にある。現場ニーズにしっかりと耳を傾けながら、安定的な運営が可能となるよう支援の拡充強化に努めること。
●21)がん対策の強化に向け、がん検診受診率50%以上の早期達成をめざし、リスクの高い人に介入する「リスク検診」の導入を一層強化すること。
●22)将来子どもを持つ可能性を残すために精子や卵子を凍結保存して不妊に対処する「妊孕性温存治療」を行うAYA世代の患者にとって、その費用は高額で出産をあきらめる人も多い。若者が希望を失わないよう県としての助成・支援制度を創設されたい。
●23)県内の公衆浴場は年々減少を続け、存続が危惧される状況となっている。2005年度以降、県の助成措置がなくなったが、このままだとボイラーが壊れた時点で廃業せざるを得ない状況であり、銭湯文化の継承の観点からも補助金、優遇税制など新たな支援策を導入されたい。
●24)全国に約200万人ともいわれる線維筋痛症患者が、国の難病対策の進展を一日千秋の思いで待たれている中、県としても実態の把握と共に相談窓口の設置など患者に寄り添った支援体制の整備を進められたい。
●25)2060年に出生数を8500人に増やせるよう“愛顔の子育て応援事業”のスキームを活用し、上乗せ・横出しを図るなど“第1子”へのインセンティブのさらなる強化に努められたい。
●26)今治市の大学獣医学部が本年、1期生の卒業を迎える。本県にとって念願の公務員獣医師確保及び地元就職にもつながるよう、学園・自治体・経済界等と連携し取り組むこと。(総務部と連携)
〇27)ファミリーホームにおいて、年々増加している障がい児の対応や、今後、家庭養育を推進する中で一層増加が見込まれる乳幼児の対応を行うため、補助者等の雇上げ体制を推進し、養育者の負担軽減を図ること。
〇28)虐待への対応について
①児童相談所への相談件数は毎年増加傾向にあり、職員は相談から48時間以内に対応に当たっているが、人員不足は否めない。1人約50件の相談件数を緩和し、より緊急性の高い子どもへ早急に対応できるよう人員確保に取り組むこと。
②個人情報の守秘義務により虐待の通報者への経過報告は認められていない。しかし、子どもが保護者以上に通告者に対して信頼関係を築いている場合、通告者と児相との協力で子どもの環境改善が期待できる。ケース会議などを通し子どもを守るための情報が共有されるよう組むべきである。
③虐待被害件数が最も多い乳幼児の命を守るため、里親制度をNPOに委託し拡充を図るべきである。
【経済・労働 関係】
〇1)韓国(ソウル・プサン)に加え本年3月からは台北便の運航が再開され、松山空港国際線は過去最高の週12便を実現することになる。さらに中国定期便の再開やベトナムとの新規就航も視野に入れながら、駐機スポットの増設及び国際線旅客ビルの拡張計画のできるだけ早期の実現に向けて取り組まれたい。(企画振興部・観光スポーツ文化部と連携)
〇2)世界最大のインド市場をターゲットとした知事のトップセールスに敬意を表する。現地政府との経済連携協定や県内企業・商品等のセールス、インド人材の県内受入れなど、本県経済の活性化に繋がる画期的な成果を上げられることを心から期待したい。
〇3)県はベトナム・ベンチェ省との経済協力に関する覚書を締結し、県内の菓子製造、水質改善事業、水産加工事業などビジネスチャンスを広げつつある。県内最多のベトナム人との交流をさらに深め、定期便就航の早期実現に向け取り組まれたい。(企画振興部・観光スポーツ文化部と連携)
〇4)県の中核産業人材確保奨学金返還支援制度について、深刻な人手不足の現状と中小企業や若者のニーズに鑑み、“新卒以外”も対象に入れ制度の拡充を図ること。
〇5)2020年の本県1人あたり県民所得は全国ワースト5位・四国最下位で、分析すると第1次産業が比重を占める産業構造と共働きの少なさが主な要因と言われる。DXを軸とした労働生産性の向上と働き方改革を加速し、県民所得の飛躍的な向上に向け取り組むこと。
〇6)一般競争入札により公共事業の実施に関する指定管理事業者を選定する際、社会保険労務士による“労働条件審査”の導入・活用について検討すること。(総務部・土木部と連携)
●7)エネルギー価格や物価の高騰が長期化する中、今後も生活者・事業者・生産者等に対する支援を必要に応じて適切に講じること。(総務部・農林水産部・保健福祉部等と連携)
●8)昨年4月、道交法改正により自転車用ヘルメット着用が努力義務となったが、特に着用率が低く最も交通事故が多い高齢者層に対し、運転免許返納の特典やヘルメット購入に使える地域商品券として配布するなど工夫し、着用の推進に取り組むこと。(企画振興部・県民環境部と連携)
●9)「流域治水マニュアル(企業版)」はBCP策定や各種助成制度の解説など実践向きに策定されており、新設された「県流域治水推進企業等登録制度」の周知徹底と機運醸成を図りながら、官民・地域が一体となった防災力の強化に繋がるよう取り組むこと。(土木部と連携)
●10)新たな経済活動のフロンティアであるWEB3の動向を注視し、メタバース市場の創出と普及をめざすこと。
●11)「愛媛フードイノベーション・コンソーシアム」の取り組みを加速するとともに食品関連産業と農漁業におけるイノベーションを創出し、「フードテック先進県えひめ」実現に向けて産官学一体で取り組むこと。
●12)再生可能エネルギーの地産地消に向けてカギとなるのが蓄電池と言われている。全国ではCNF(セルロスナノファイバー)によるバッテリーの開発が進んでいるが、本県もCNF先進県として遅れを取ることなく、新産業の創出に向け全力を挙げられたい。
【農林水産 関係】
〇1)北海道では自動走行トラクターを遠隔操作して農作業を行うなど先進的な取り組みが進められているが、担い手不足など多くの課題に直面する本県において基幹産業である農林水産業を持続可能ならしめるため、DX・GXによる農林水産業のスマート化への投資など生産性や付加価値を高める取り組みを強力に推進すること。
〇2)本年1月、収入保険の保険金算定に気象災害特例が創設された。これまでは気象災害で被害が出て収入が減少すると翌年以降保険金を算定する際の基準収入が低くなる懸念があったが、今回の措置で保険金の目減りを抑えることが可能となる。農家に心強い制度拡充であり、制度の周知及び保険加入率の向上に向けた積極的に支援されたい。
〇3)鳥獣被害の拡大防止に向け、若手ハンターの育成や大型檻の普及など捕獲対策の一層の充実とともに、ジビエの活用や南予4市町が導入を進めるペットフード専用処理施設など捕獲後の有効な出口戦略も含めた重層的な取り組みを進められたい。
〇4)昨年、愛媛県産ブリの商談会をパリで開くなど、本県水産業の海外輸出拡大の取り組みを高く評価したい。水産王国愛媛のさらなる発展をめざし、パリからフランス全域へ、北米地域やブラジル等新たな販路開拓を世界に広げるとともに、アジア地域の既存市場のフォローアップにも積極的に取り組むこと。
〇5)選果場の再編・統合を進め、施設の高度化と大規模化を図ることで作業効率の改善と生産量確保を実現し、産地の振興と柑橘王国愛媛のさらなる発展に取り組むこと。
〇6)藻場・干潟ビジョンに基づきソフト、ハード両面から効果的な対策を講じながら、海洋環境の変化に適応した持続的な漁業生産力を持つ漁場・生産体制を構築するとともに、2050年カーボンニュートラル実現に向けブルーカーボンの推進を図ること。
〇7)野生いのししによる被害への対応について。
①令和5年8月、高浜住民がいのししに襲われ数名負傷した。野生のいのしし等が住宅街へ現れる危険な現状を踏まえ、高浜・三津方面での捕獲活動に早急に取り組むこと。
②防護柵設置のための補助金を受けた世帯は、その後14年間補助金を受けることができない。現在実際に柵の効果がなく作物被害がある農家には、年数に関わらず効果の期待できる柵の設置費用を支援するよう市町に働きかけること。
●8)本県産の首都圏向け柑橘・水産物のほとんどはトラックで輸送されており、トラックドライバーの「2024年問題」を解消すべく、より合理的な輸送オペレーションの実現に向け、業界関係者と協力し対策を講じること。(企画振興部と連携)
●9)エネルギー価格や物価の高騰が長期化する中、今後も生活者・事業者・生産者等に対する支援を必要に応じて適切に講じること。(総務部・経済労働部・保健福祉部等と連携)
【土木・建設 関係】
〇1)来年3月末完成予定の松山駅西口南江戸線の建設について、最後まで無事故で安全、円滑な工事を推進すること。さらに将来的な伊予鉄路面電車の延伸についても事業者等と連携し、できるだけ早期かつ円滑に計画が進むよう取り組むこと。
〇2)これまで厚労省が所管してきた水道事業が来年度から国交省に移管されるが、本県においても混乱することなく安定した水道行政が引き継げるよう国及び部局間連携を密にしながら対応に万全を期すこと。(県民環境部と連携)
〇3)これまで愛媛県が行ってきた水道事業功労者表彰式については、国交省へ移管された後も継続されるよう配慮願いたい。また、国の褒章・叙勲に関しては、全国団体だけでなく県からも内申できるよう検討されたい。(県民環境部と連携)
〇4)需要が少なく老朽化した歩道橋について総点検し、バリアフリーの観点も踏まえながら、改修や撤去、付け替えなど箇所ごとに適切な対応を進めること。(県警と連携)
〇5)“命の道”、“地方創生の道”である高速道路の南予延伸実現のため、未着手区間である御荘~一本松区間について早期に事業化がなされるよう、引き続き国に対する働きかけを行うこと。
〇6)国では昨年末、しまなみ海道の自動車通行料について本年4月以降も現在の料金水準を維持する方針を決めたが、沿線住民の負担軽減という課題は残っており、今後も今治市と連携し、料金負担の軽減実現に向け粘り強く取り組むこと。(企画振興部と連携)
〇7)国交省では2050年カーボンニュートラル実現に向け、CO2吸収源対策としてブルーインフラの拡大に向けた取組みを昨年度から開始した。今月、大阪府と兵庫県が“大阪湾ブルーカーボン生態系アライアンス”を始動させたが、そうした先進事例も踏まえながら藻場や干潟の造成、生物共生型港湾施設の整備推進に取り組むこと。
〇8)管工事を学べる実業高校が県内にないため、志望する生徒は県外への進学を余儀なくされている。将来の担い手が確保できるよう、工業科を持つ8校のいずれかに設備課を設置すること。(教育委員会と連携)
〇9)一般競争入札により公共事業の実施に関する指定管理事業者を選定する際、社会保険労務士による“労働条件審査”の導入・活用について検討すること。(総務部・経済労働部と連携)
●10)直近における本県の基幹管路耐震適合率に関しては32.9%(全国34位)と低水準に留まっている。市町に対する財政措置や耐震化計画策定の促進など適切な助言を行いながら整備促進の加速化を図られたい。(県民環境部と連携)
●11)「流域治水マニュアル(住民版)」について自治体や県教育委員会等を通じて県内児童生徒に普及啓発を図るとともに、家庭や自主防災組織での実践を通じ、地域防災力の強化に繋がるよう取り組むこと。(総務部・県教育委員会と連携)
●12)「流域治水マニュアル(企業版)」はBCP策定や各種助成制度の解説など実践向きに策定されており、新設された「県流域治水推進企業等登録制度」の周知徹底と機運醸成を図りながら、官民・地域が一体となった防災力の強化に繋がるよう取り組むこと。(経済労働部と連携)
●13)遮断機も警報機もない危険な踏切について、費用負担の大きさや地域事情によりなかなか改良が進まない状況がある。国や自治体と連携し、協議会や補助制度等を活用あるいは新設し、踏切の安全確保に向けて取り組むこと。
●14)介護度が軽い、もしくは不要な高齢者の方々に対する民間施設にサービス付高齢者住宅があるが、高額なため年金生活者では手が出ない。県営住宅の空き室・空き棟の活用や高齢者集住型団地の可能性など、「年金生活者が安心して暮らせる公営住宅、又はサービス」の実現に取り組んで頂きたい。
●15)空き家対策を加速化させるため、自治体と連携し、空き家に関する多様な相談にワンストップで対応できる相談窓口等の整備を進め、空き家を利活用した古民家や滞在型施設の支援など、新しい生活スタイルに向けた取り組みの推進を図ること。
●16)バリアフリーのまちづくりを推進するため、市町と連携し、歩道の拡幅や段差の解消、音響式信号機の設置、無電柱化、視覚障害者誘導用ブロックの整備等による歩行空間のバリアフリー化、ICTを活用した歩行者移動支援サービス等の普及に努めること。
●17)岩城橋完成により残った生活航路として不可欠な2航路と、トラックやトレーラー、観光バスなど車長の長い車両が唯一乗り入れ可能な1航路については、上島町で大規模災害が発生し救援物資の搬入や島民の大規模避難が必要となった場合のリダンダンシー確保の意味で今後も維持されるよう支援に取り組むこと。(企画振興部と連携)
〇18)河川の汚染と雑草被害について取り組むこと
①河川や護岸の除草のための草刈りロボットが購入され、今後東予地方局で使用・貸出を行っていくことが予定されているが、県下一律に要望の多い事項のため中予・南予への各1台の除草機の設置を早急に進めること。
②河川内の除草は土砂の除去のための付加的な作業となっているが、河川のそばの住民は水害の危険性を感じている。背丈の高い草で子どもの姿が隠れてしまったり、ごみの投棄も増えたりと、防犯面・衛生面においても課題が多いため早急に河川内の除草を進めること
〇19)道路整備について
工場や建設会社などが付近にある道路は、大型トレーラ等が頻繁に走り他の道路に比べて劣化が早い。周辺住民が危険を感じる箇所については早急に調査し、修繕を行うこと。
【公営企業 関係】
〇1)医師や看護師の確保が深刻な県立南宇和病院について、プラチナドクターバンクや奨学金返済免除による若手医師確保等の取り組み強化のほか、オンラインによる遠隔診療システムの拡大などDX推進を加速させ中核的医療拠点機能を維持すること。
〇2)本年3月、県内4つの県立病院で、出産にかかる料金のうち、本来支払う必要のない消費税を約2万人から計1000万円を17年にわたって誤徴収していたとの報道があった。こうしたヒューマンエラーの根絶に向け、より一層、全庁を挙げたDX推進に取り組まれたい。
〇3)昨年、県立今治病院の老朽化対策基本計画が発表されたが、今治圏域最大規模の“政策医療”を担う機関として候補地への移転整備が早期に進むよう、今治市や市医師会など関係団体と連携を密に取り組むこと。
●4)豪雨時におけるダムの緊急放流については、国と県、下流域の自治体や住民との間で、丁寧に情報共有を図りながら準備を進めること。
【教育 関係】
〇1)深刻な教員不足に直面する中、働き方改革やDX推進等を着実に進めるとともに、独自の奨学金返還支援策や教員免許状を有するペーパーティーチャーの発掘、リクルートなど新たなアプローチを積極的に試み、教員確保に向け不断に取り組むこと。
〇2)昨年開設された不登校支援の拠点である県教育支援センター(メタサポセンター)について、先導実施の7市から県内すべての市町へ拡充できるよう取り組むこと
〇3)学校には来れるが教室には入れない児童生徒のニーズが高い校内サポートルームについては子どもたちの評価や多様な学習機会への対応など有用性も検証されており、不登校に至る前の早期支援及び不登校からの復帰率の向上を図るためにも、設置の拡大に向けより一層取り組むこと。
〇4)増加するフリースクールに対し、補助金を含めたサポート体制の強化を図ること。
〇5)学校単位での部活動の運営が困難になりつつある中、地域や学校現場からの声を踏まえ、地域移行が安定的に進むよう県として適切な支援に取り組むこと。その際、運動部活動と同様に、吹奏楽部など文化部活動の地域移行についても、市町と連携し可能なところから着実に進めていくこと。
〇6)わが国の最重要課題である少子化対策をはじめ子ども関連政策の司令塔として昨年4月、「こども家庭庁」が首相の直属機関として発足。本県においても「婚活」、「子育て」、「いじめ・虐待・貧困」、「若者活躍」、「男女共同参画」など部局にまたがる課題とタテ割りの弊害に対応するため、知事直轄の司令塔組織を新設し“県こども計画”の策定はじめ子どもの幸せを最優先する愛媛の実現をめざし、総合的に取り組まれたい。
(総務部・企画振興部・保健福祉部と連携)
〇7)中高生による自転車の危険運転に関する苦情が多く寄せられるが、自転車事故で最も死傷者数が多いのが中高生であり、彼らに対し、自治体や教育委員会等と連携し、交通ルールとマナーの正しい理解と実践についてより一層普及啓発を図ること。(県警と連携)
〇8)人口流出が続く中、地元で学び就職し地域経済の発展に寄与する「地学地就」を推進し、各地域の産学官が一体的に取り組めるようサポートすること。
〇9)スウェーデンでは特定分野で突出した才能を持つ子どもたち=ギフテッドを社会の宝と位置づけ特別な教育を実施しているが、わが国においても昨年からギフテッドに対する支援事業が始まった。ギフテッド教育にかねてから取り組んでいる愛媛大学教育学部とも連携し、県内の1人でも多くのギフテッドたちに光が当たるよう取り組みを進めること。
〇10)管工事を学べる実業高校が県内にないため、志望する生徒は県外への進学を余儀なくされている。将来の担い手が確保できるよう、工業科を持つ8校のいずれかに設備課を設置すること。(土木部と連携)
●11)「流域治水マニュアル(住民版)」について自治体や県教育委員会等を通じて県内児童生徒に普及啓発を図るとともに、家庭や自主防災組織での実践を通じ、地域防災力の強化に繋がるよう取り組むこと。(総務部・土木部と連携)
〇12)特別支援学校における、医療的ケア児とその家族への支援に関する取り組みについて
①保護者の負担を軽減するため、医療的ケア手続の入学前実施や保護者からのケア引継ぎの迅速化を図ること。
②看護師等の増員や通学経費補助等に必要となる財政支援の更なる拡充を図ること。
〇13)愛媛県立学校の校舎老朽化対策と特別支援学校城北校高等部について
①県立聾学校の老朽化が進んでいる。とくにプールの老朽化が激しく故障したまま放置されている。今後の利用頻度や利用価値を調査・検証し、修繕か撤去か決定し早急に対応を図られたい。
②聾学校内にある特別支援学校城北校高等部は、新校舎に移設されず聾学校内に残る予定。人数に応じた広さの職員室や更衣室等の確保を図られたい。
〇14)教員の働き方改革を進め、教員の事務作業を削減すべきである。主に学年や学級の会計処理をスクールサポートスタッフ等に任せるなど、教員本来の仕事である児童生徒に関わる時間を大幅に増やすことを図られたい。
【警察 関係】
〇1)近年、若者を中心に闇バイトや大麻利用が急増し社会問題となっている。いずれもきっかけの多くはSNSであることから、サイバーパトロールの強化やプロバイダ事業者への投稿削除、投稿者への個別警告など、サイバー犯罪対策のさらなる強化を図ること。
〇2)特殊詐欺などサイバー犯罪の被害者の多くは高齢者であることから、高齢者団体等と連携し、サイバーセキュリティ講習やサイバー犯罪疑似体験事業などの取り組みを拡充強化すること。
〇3)特殊詐欺の手口や事件発生情報が県民にプッシュ通知で送られ、不審者や事件事故等に遭遇したらスマホから県警へ情報提供することができる県警公式防犯アプリ“まもるナビ”の普及促進に積極的に取り組むこと。
〇4)2020年に設置された撲滅BOXを活用するなど、あおり運転による事故防止に取り組むこと。
〇5)中高生による自転車の危険運転に関する苦情が多く寄せられるが、自転車事故で最も死傷者数が多いのが中高生であり、彼らに対し、自治体や教育委員会等と連携し、交通ルールとマナーの正しい理解と実践についてより一層普及啓発を図ること。(教育委員会と連携)
〇6)信号機のない横断歩道の停止率UPに向けた「まじめ愛媛の停止率・まずは全国平均(2021)」、「大人も手を上げよう運動(2022)」、「手上げ横断モデル事業所キャンペーン(2023)」等の着実な取り組みに敬意を表するとともに、横断歩道停止率“全国1位”を掲げながら横断歩道中の死亡事故ゼロに向け、引き続き全力で取り組むこと。
〇7)県警自ら策定した計画に基づき、年次休暇の年間15日以上の取得に加え、育児休業取得率の女性職員100%、男性職員50%以上等の目標達成をめざし、働き方改革、ワークライフバランスの推進に不断に取り組むこと。
〇8)需要が少なく老朽化した歩道橋について総点検し、バリアフリーの観点も踏まえながら、改修や撤去、付け替えなど箇所ごとに適切な対応を進めること。(土木部と連携)
●9)昨年4月から、スマホ等を使って現場の映像等を警察に送信できる「110番映像通報システム」が全国の警察で本格導入され、適切な事故対応や行方不明者の発見などに効果を上げている。本県においても大規模災害への備えや初動捜査への有効性等の観点から早期の普及に取り組むこと。
●10)認知症不明者が年々増加する中、保健福祉部局や市町、医療機関等と連携し、行方不明を未然に防ぐ取り組みをより一層強化すること。
●11)視覚障がい者等の安全な歩行を支援する「高度化PICS」について、県下全域に個所付けが広がるよう取り組むこと。
●12)新居浜警察署、久万高原警察署の建て替えを図ること。
●13)主要交差点において停電対応可能な信号機の設置を早急に図ること。
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 14:29