「(略)先週29日、参議院本会議にて総額約13兆円の今年度補正予算が成立しました。
これには公明党の主張が随所に反映されておりますので、今朝はその概要についてご報告いたしたいと思います。
まず、物価高対策に総額2兆7363億円があてられ、その内、物価高騰の影響を受ける生活者や事業者を自治体が独自に支援する財源となる重点支援地方交付金として約1兆6000億円が計上されました。
交付金の使途は二つの柱で構成され、一つ目は低所得世帯への支援(1兆592億円)で、住民税非課税世帯に1世帯当たり7万円が給付されます。できる限り年内の給付開始をめざし、今夏以降に給付された3万円と合わせて計10万円の支援といたします。
二つ目は、地域の実情に合わせて自治体が柔軟に活用できる「推奨事業メニュー」(5000億円)です。
政府は、生活者と事業者の両面で物価高対策の事業例を挙げており、それ以外でも自治体が効果的と考える支援策があれば、実施計画を策定して申請することも可能となります。
物価高対策ではさらに、光熱・燃油費負担を軽減する補助金を継続するため、7948億円を計上。公明党の主張を受け、燃油と電気・都市ガスの価格を抑制する激変緩和事業の期限を年末から来年4月まで延長し、家計の負担軽減をめざします。
次に、持続的賃上げ、所得向上と地方の成長の実現に向けては総額1兆3303億円が計上されました。
中小企業などの持続的賃上げに向けた支援には5991億円が充てられ、公明党が10月に発表した「中小企業等の賃上げ応援トータルプラン」を踏まえ、中小企業・小規模事業者が適切に価格転嫁できる取引環境の整備などが進められます。
同プランで公明党が求めていた医療・介護、障がい福祉分野における職員らの処遇改善などに向けては644億円を計上。人手不足が深刻な介護職員らについては、賃金を2%程度、月額で約6000円を引き上げ、都道府県を通じ、来年2~5月の賃上げ分が支給されます。
対象となるのは介護事業所と障害福祉サービス事業所の職員と医療機関の看護補助者で、常勤の職員数に応じて賃上げ分を施設に支給することとし、介護職への補助金は、施設の生活指導員やリハビリ職などの処遇改善にも充てられます。
次に、地方への経済回復波及と経済交流の拡大に向けては7181億円が充てられ、インバウンドの消費拡大を含む観光立国に向けた取り組みや、農林水産物・食品の輸出拡大策のほか、文化芸術立国の実現へ文化財保存・活用支援事業や子どもの鑑賞体験支援事業などが盛り込まれました。
人口減少対策や社会変革の推進には総額1兆3403億円。その内、子ども・子育て支援など少子化対策に1323億円を計上し、親の働き方を問わず時間単位で保育所などを利用できる「こども誰でも通園制度」(仮称)の本格実施に向けた試行的事業に91億円、来年12月からの児童手当拡充に備えた市町村のシステム整備に232億円、子ども食堂支援をはじめとする、ひとり親家庭などの支援強化に34億円が充てられました。
一方、政府は原則として25年度までに、各自治体が共通基盤「ガバメントクラウド」上に構築したシステムに移行する目標を掲げており、その移行のため基幹業務システムの仕様を統一する「標準化」に向けて5163億円が計上されたほか、マイナ保険証の利用促進・環境整備事業(887億円)、地域公共交通の確保・維持・改善に向けた事業(279億円)なども盛り込まれました。
国民の安全・安心確保には総額4兆2827億円が充てられ、その内、防災・減災、国土強靱化対策の公共事業関係費に1兆3022億円、自然災害からの復旧・復興の加速に4259億円を計上。
また、新型コロナウイルス感染症に関する病床確保などのための緊急包括支援交付金(6143億円)やワクチン接種関連経費(545億円)のほか、大規模な供給不安が生じている医薬品の安定確保などを進める事業(21億円)、不登校・いじめ対策の強化(55億円)などが盛り込まれました。
現在、県議会では12月定例会が行われていますが、今週にも国で成立した補正予算が追加上程される見通しとなっています。
物価高対策が1日も早く県民の皆様に届けられますよう、そして今回の総合経済対策が所期の効果を着実に挙げられるよう、しっかり取り組んでまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 17:13