「(略)公明党は先週13日、中小企業・小規模事業者らの賃上げを強力に支援する施策を掲げた「中小企業等の賃上げ応援トータルプラン(以下、中小企業トータルプラン)」を政府に提言しました。今朝はその概要についてご報告させて頂きます。
まず、提言の背景についてですが、物価高を克服し経済の好循環を生み出すには、物価上昇率を上回る賃上げが欠かせません。
今年の春闘は、大企業で大幅な賃上げが相次ぎましたが、中小・小規模企業ではなかなかそうはいかないのが実情です。
そこで公明党として、家計が実感できる所得の向上に向けて中小企業等の賃上げを強力に促していくための施策を提言にまとめました。
ポイントは、①適正な価格転嫁と取引環境の改善、②生産性の向上、③資金繰りを3本柱として計20項目を提示しました。
特に、大企業との取引で弱い立場にある中小企業は、原材料費・人件費などの上昇分を価格に十分に転嫁できていません。
中小企業に不利な長年の取引慣行を見直し、価格転嫁しやすい環境整備へ対策の拡充を行う必要があります。
そのため提言では、価格転嫁の取引状況を把握する中小企業庁のアンケート調査を強化し、結果を毎年公表するよう主張し、公正取引委員会には、不適切な取引を行う企業名の公開をできるだけ毎年行うよう求めました。
「人件費の価格転嫁交渉が難しい」との声が非常に多いため、転嫁を適切に進めるための新たな指針作成を訴えますとともに、国や自治体が発注する公共工事やビル管理などでも適切な価格設定を行うよう提言に盛り込みました。
次に、賃上げの原資確保に必要な「生産性の向上」についてであります。
成長分野への事業規模の拡大を促す「事業再構築補助金」や、設備投資を支援する「ものづくり補助金」では、賃上げを行う企業への補助額の上乗せが実施されていますが、引き続きこうした措置を継続・拡充し、切れ目なく支援を行うよう明記しました。
また、人手不足は、どの業界においても喫緊の課題であり、省人化、省力化に必要な設備などへの投資支援も提案しました。
そして資金繰りに関しては、政策金融で、賃上げに取り組む中小企業への金利の低減措置を導入するなど資金繰り支援を拡充するよう訴え、税制面では、今年度末が期限の賃上げ促進税制の長期延長や、赤字でも賃上げを行う企業などを対象に、企業が活用しきれなかった税額控除分の繰り越しを翌年度以降も認める「繰越控除制度の創設」も盛り込みました。
その他、「中小企業トータルプラン」では医療、介護、障がい者福祉、保育など、社会生活を支えるソーシャルワーカーとして働く方々の処遇改善や、トラック運送業の標準的な運賃の見直しなど、それぞれの業種の状況に応じた賃上げを訴えました。
また、組織に属さず個人として働くフリーランスが安心して働ける環境づくりへ、取引の適正化や相談体制の強化も要請しています。
賃上げは、多岐にわたる業種で目配りする必要があり、引き続き持続的な賃上げに向けた施策を着実に推進するために、司令塔となる組織や関係省庁が連携する会議体の設置についても強く求めたところでございます。
今後も公明党は「中小企業トータルプラン」を実現すべく、日本経済を支える中小企業・小規模事業者等の支援に全力で取り組んでまいります。
今朝は、先週、政府に提出いたしました、公明党の「中小企業等の賃上げ応援トータルプラン」についてご報告させて頂きました。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 09:38