「(略)先週、難聴者の方々とともに、県当局及び県警に対し、陳情活動を行いました。
今朝は、その概要についてご報告いたします。
まず、県警に対する要望です。
パトカーが赤色灯をつけて走行する際、“緊急走行時”の場合と“パトロール”の場合があります。
もちろん、“緊急走行時”の場合、ドライバーは道を譲らなければなりませんが、聴覚障がいなど難聴者にとってはその区別がつきませんので、譲る必要のない場合でも道路端に車を寄せようとし、毎回ヒヤッとされるそうです。
埼玉県警では今月から、“緊急走行時”は今まで通りに、そして平時である“パトロール”の時は“ゆっくり”と点灯させ、聴覚障がいなど難聴者が視覚的に分かりやすくなるような赤色灯を搭載したパトカーの試験運転を始めたそうですが、本県でも、聴覚障がい者の方々が視覚的にわかりやすいパターンに区別するなど、赤色灯の表示について改善してほしいとの陳情でありました。
このことにつきまして、私もしっかり後押しをしてまいりたいと思います。
次に、県当局に対し、手話言語条例を含めたコミュニケーション条例の制定とともに、補聴器の購入に対する助成を求める要望です。
手話言語条例とは、文字通り、聴覚障がい者にとって手話は言語であり、その普及啓発と施策推進の根拠となるものです。
この間、県議会公明党といたしましても提言を重ねておりますが、現在のところ制定には至っておりません。
一方、コミュニケーション条例は、音声言語や手話、点字など、どんな作法であっても円滑にコミュニケーションが取れ、障害のある人もない人も分け隔てなく、地域で安心して暮らせる社会の実現を目指すものです。
こちらも本県では制定に至っておりません。
当事者の方々から、日々直面する様々な不安や不便性についてお話を伺いしましたが、あともう少しの配慮と努力があれば、難聴者の生活の質は格段に向上することを学ばせて頂きました。
例えば、行政の窓口に磁気ループというシールドが設置されれば難聴者の聞こえの度合いが非常に良くなります。
また、山間部や離島など僻地にあっても、DXを推進し、オンラインで専用端末を使用しながら遠隔要約筆記ができるしくみを実現できれば、飛躍的にコミュケーションが取りやすくなります。
正に、そうした環境整備の推進力となるのが“手話言語条例”であり、“コミュニケーション条例”です。
また、難聴者にとって補聴器は欠かせませんが、購入費用や修理代が高額であることが経済的に大きな負担となっています。
難聴は医学的に病気であると位置づけられ、症状が進むとうつや認知症等を発症しやすくなります。
そうならないために早めの耳鼻科受診が推奨されるわけですが、おかしいなぁと思いながらも放置していたため、気づけば難聴が進行していたケースが少なくないそうです。
その予防策として、行政による健康診断に聴力の検査を取り入れ、難聴と診断されたら専門医の診断に繋ぐような制度やしくみが作れないか。
また、補聴器は、装着感覚になじむのに数か月かかることや、購入費用、修理代、電池代などのランニングコストも含めると、非常に高額になることから、敬遠する高齢者が多いそうです。
難聴からうつや認知症にならないよう、早期発見・早期治療と、補聴器の装着により生活の質を高めるためにも、補聴器の購入、維持費用に対する助成制度の導入が求められるところであります。
聴覚障害のみならず、様々なハンデによって困難を抱える皆様に対する支援環境を1つ1つ拡大強化していけるよう、そして誰もが安心して暮らせる共生社会の実現に向け、私も全力で取り組んでまいりたいと思います。
今朝は、難聴者の方々の県当局及び県警に対する陳情活動についてご報告いたしました。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 10:32