昨日、令和5年度当初予算編成に関する会派要望書(全144項目)を中村知事に提出いたしました。
今後、各会派から提出された要望を踏まえ、知事査定等により最終的に当初予算案として調製され、2月定例会に上程されることになりますが、県議会公明党として皆様のお声を1つでも多くカタチにすることができるよう、全力で取り組んでまいります。
一、総務・企画 関係
1)昨年は、市町と連携した「マイナンバーカード」普及促進の取組みが、カード申請率が7割超、交付率が全国第2位になるなど功を奏し、敬意を表したい。さらなる普及とともに、今後、健康保険証利用をはじめとする生活面での利便性の実感が大きく広がるよう関係機関と連携し取り組むこと。
2)10増10減の改正公選法が昨年施行され、次回衆院選から適用されるが、この先長期にわたる人口減少の推移を見据え、都市部に偏らない、地方の声を踏まえた抜本的な選挙制度改革の実施を強く国に求められたい。
3)昨年の参院選で本県の投票率は48.81%と過去最低を更新。投票率向上に向けた抜本的な対策強化の必要性を痛感する中、次回までに以下の取組みについて市町の選挙管理委員会と連携し検討を進めること。
①昨年5月、国から自治体に、投票入場券の性別に関する記載に関して数字や記号、バーコードなど、性の多様性に配慮した表現を検討するよう通達が行われた。市町で趣旨に基づいた改定が進むよう配慮すること。
②参院選では、上島町で弓削商船高等専門学校や弓削高校に移動投票所を導入し、学生から喜びの声が上がった。こうした若い世代の投票率向上を目的とした取り組みが全県に広がるよう、学校や関係機関と連携を密に推進を図ること。(教育委員会と連携)
③期日前投票の占める割合が増加傾向にあるが、それは有権者のニーズが高い証左でもある。“有権者ファースト”の考え方のもとで、若者が集まるスポットや高齢者が訪れやすい商業施設、あるいは施設入所者が施設内で意思表示できる仕組みを含め、投票所の設置拡大と投票期間の前倒しや延長を含め、市町と連携し取り組むこと。
④以前は集落ごとに投票所が設けられたが、今は2~3集落に1か所というふうに年々減少しており、過疎地では選挙のたびに、投票に行きたくても行けない高齢者が増える状況となっている。車が巡回しながらの移動式投票所の導入や、スーパー、コンビニなど多くの住民が集まる施設での投票など、“投票したい人を置き去りにしない制度や仕組み”を地域の状況に応じて創出すること。
⑤知的障がい者向けに市民団体が代理投票の手引きを作成し無料配布する取り組みが報じられたが、代理投票は“自分で書くことが難しい人が、投票したい候補等を職員に伝えて代筆してもらう”制度であり、高齢化がますます進む本県においても潜在ニーズは高いと考えられる。市町の選管と連携し、高齢者や福祉施設などに対し、積極的な制度の周知を図られたい。
4)県は昨年8月、ベトナム・ベンチェ省と経済協力に関する覚書を締結するとともに、年末には愛媛県とベトナムを結ぶチャーター便が初運行した。県内で最も多い外国人がベトナム人であることを強みとしながら、両地域がウィン×ウィンとなる交流の更なる拡大に努められたい。(経済労働部・観光スポーツ文化部と連携)
5)農水省の“BUZZMAFF”(登録者数15.6万人)や今治市職員が四国で初めて立ち上げたYouTubeチャンネル“マバラバ”の情報発信が注目を集める中、県としても“公務員ユーチューバー”にぜひトライしてほしい。
6)各種手続き申請の際、高齢者等から書き方が難しい、よく分からない等の声を耳にする。マイナンバーカードを活用して記入の手間を省略化したり、本人同意のもと、職員が要件を聞き取りながら申請書の作成をするなど、申請者の利便向上に努められたい。
7)ウクライナ情勢は未だ不透明で、物価高騰の長期化が懸念される中、事業者・生産者・生活者等の状況に応じて機動的な支援と対策を講じること。(経済労働部・農林水産部・保健福祉部等と連携)
8)こどもや若者が自分の意見を表明し、政策に反映させる場と仕組みを確立するため「こども若者県議会」(仮称)の設置を推進されたい。
9)県有施設の空調や照明等の設備に対し、ICT技術を最大限に取り込みながら「非接触化」、「バリアフリー化」、「長寿命化」を図ること。
10)市町と連携し高齢者等、デジタルに不慣れな方に対し、スマホの使い方やオンライン行政などを丁寧に教えてくれる「デジタル推進委員」の配置拡大など、デジタルデバイド解消に向け、より積極的に取り組むこと。
11)空飛ぶクルマの導入をめざし、累次にわたりシンポジウムを開催するなど、県による先進的な取組みを高く評価するとともに、目標とする2027年度の人の輸送開始をめざし、地域課題の解決やビジネスチャンスの拡大に向けた取り組みを進められたい。
12)昨年、ローカル線のあり方を検討する国交省有識者会議が提言をまとめ、国、自治体と鉄道事業者が協議会を設置し路線維持のあり方について3年以内に対応策を決定するとしているが、県として、地域の声を踏まえながら丁寧な議論を進められたい。
13)国は昨年、2035年までに電気自動車100%の実現を打ち出した。本県も本庁・地方局・諸局を含め、公用車の100%電動化を計画的に、できるだけ早期に実現されたい。
14)コロナ禍において地方への移住機運が高まり、昨年の本県への移住者は4910人と過去最高を記録。その過半を20-30代が占めており、本県最大の課題である若者の人口流出の解消、並びに2026年の転出超過解消という目標達成への期待が広がる。移住者の意見を踏まえた情報発信の工夫など更なる移住政策の拡充を図られたい。
15)移住支援に関しては、空き家対策など住宅政策の観点から、県空き家対策ネットワーク(38団体)とも連携し、デジタルマーケティングを駆使しながら、移住者住宅改修支援事業などの情報発信も含め積極的に取り組むこと。(土木部と連携)
16)四国新幹線の整備計画格上げをめざし、JRや財界、他県とも連携しながら積極的に機運醸成を図ること。
17)離島住民に必要不可欠な交通インフラとして、また大規模災害発生時における車両・鉄道輸送の代替手段としての役割に鑑み、国と連携し、フェリー航路の維持確保に向け積極的な支援を行なうこと。
18)高齢化の進展で免許返納のさらなる増加が見込まれるが、移動や交通手段の確保が進むよう自治体と連携を図り、オンデマンド交通、貨客混載、カーシェア、超小型モビリティなど地域の実情に応じた公共交通ネットワークを構築すること。
19)免許返納により、買い物難民の増加が懸念される。市町や企業、NPOとの連携により、宅配サービスや移動販売カー、商業施設への移動手段の確保など、地域の実情に応じた支援を推進されたい。
20)昨年、岩城橋完成により2社が航路廃止を決定した。残るフェリー航路は生活航路として不可欠な2航路、トラックやトレーラー、観光バスなど車長の長い車両が唯一乗り入れ可能な1航路となる。航路は一度廃止になると復活させるのは殆ど困難であり、万一、上島町で大規模災害が発生し、救援物資の搬入や島民の大規模避難が必要となった場合のリダンダンシー確保の意味でも、3航路が今後も維持されるよう格段の支援を講じられたい。(土木部と連携)
二、観光・スポーツ・文化 関係
1)県は昨年8月、ベトナム・ベンチェ省と経済協力に関する覚書を締結するとともに、年末には愛媛県とベトナムを結ぶチャーター便が初運行した。県内で最も多い外国人がベトナム人であることを強みとしながら、両地域がウィン×ウィンとなる交流の更なる拡大に努められたい。(経済労働部・観光スポーツ文化部と連携)
2)県庁本館が国の登録有形文化財に登録されたが、貴重な歴史文化コンテンツとしての魅力を国内外に発信するとともに、将来的に国の重要文化財に指定されるよう取り組みを進めること。
3)コロナ禍で大きな影響を受けている文化芸術関係者が持続して活動できるよう、支援の拡充を図ること。
4)高齢者のフレイル予防に役立つことから、家庭用ゲーム機器やモバイル端末を使う「eスポーツ」を活用した高齢者向け講座など、健康長寿に向けた新たな取り組みを検討されたい。
5)新型コロナの感染状況を見極めつつ、みきゃん旅割の販売を継続し、観光需要を喚起し、地域経済の活性化に取り組むこと。
6)好評だった図書券の補助について、望む声は多い。検討されたい。
7)未就園児のうち外国籍の子どもについて。手続きが分からず園等に入れてない場合もある。ワンストップの相談窓口の充実や市町と連携し、アウトリーチの推進を図ること。(保健福祉部と連携)
三、県民生活・環境・防災 関係
1) 昨年、伊方原発3号機の海水くみ上げポンプの配管を復旧させる事態があったが、一昨年にも発電用設備の細管に付着した海生生物を清掃しており、県民の不安は拭いきれていない。信頼回復に向け、事業者への厳正な指導監督に取り組まれたい。
2) 近年の自然災害の激甚・頻発化に伴い消防団の重要性が増す中、県下において団員確保が深刻な状況となっている。市町や県消防協会等と連携し、機能別消防団や女性の加入促進など、多様な担い手の確保に向けて積極的に取り組むこと。
3)障がい者向けの水害ハザードマップの作成が多くの自治体で進んでいないとの指摘がある。主な課題として「作成方法」と「財政支援」が挙げられているが、県としてしっかりとサポートを行い、障がい者目線に立った地域防災力の強化に努められたい。
4)還付金詐欺など悪質業者とのトラブルが絶えない中、困ったときの相談窓口として「消費者ホットライン188」があるが未だ認知度が低い状況にある。とりわけ高齢者、若者など被害の傾向が高い方々に対する啓発に積極的に取り組むこと。
5)女性・高齢者等の活躍を後押しするため、社会人などが学び直しできるリカレント教育やシニア向けの企業説明会等の機会を充実し、誰もが希望に応じて必要な能力・スキルを身につけられるよう、又、今後増大する65歳以上の高齢者の就業機会拡大につながる環境を整備すること。
6)地域防災力の向上に向け、女性防災リーダーの育成など、女性の視点を生かした防災対策を進められたい。
7)乾式貯蔵施設での使用済燃料の保管はあくまでも一時的なものであり、再処理工場の稼働状況を踏まえ計画的に搬出するとともに、事業者に対し、使用済み燃料の保管状況や計画等について定期的に報告するよう求めること。
8)廃炉措置に関しては約40年にわたる長期的作業であり、人材を継続的に育成・確保していく必要がある。業界他社等との連携を強化するなど、事業者に対し教育訓練の充実強化を求めること。
9)災害情報システムや防災通信システム等において、5GやAIなどデジタル技術を活用しながら防災減災対策の進化を図り、頻発する激甚災害への備えを強化すること。
10)避難行動要支援者について、市町ごとの個別避難計画の策定が加速するよう、又、市町を超えた広域避難についても対策が進むよう、県として積極的に取り組むこと。
11)個人向け、町内会向けにマイタイムラインをホームページ上で配布し、市民に活用と協議を推奨している松山市の取り組みを全市町に広げ、地域防災力向上の後押しを図られたい。
12)県食品ロス削減推進計画に掲げるフードドライブ、フードバンク、3010運動等の施策を自治体・関係機関との連携で着実に推進し、2025年度までに2020年度比10%の食品ロス削減を達成すること。
13)2050年のカーボンニュートラル、さらには水素社会の実現に向けて、燃料電池等の製造販売を手掛ける県内有力企業や水素関連事業の振興に対し、県としてバックアップの充実を図られたい。(経済労働部と連携)
14)全国には優れた災害NPOが多くあるが、住宅被害時のブルーシート張りに特化した職人集団などもある。いざという時のために、専門集団の地元支部の育成等にも協力願いたい。
15)海の環境を守る為、生分解プラスチック等、植物由来などの新素材の積極導入を図ること。
16)脱炭素社会に向けて、アンモニア混焼や水素の活用など、県内企業との連携で、新技術の推進を図ること。(経済労働部と連携)
17)男性の育休取得が県内でも進んでいる。しかし、コロナ禍も影響しているのでは、との見方もある。どんな環境になっても、育休が取りやすいよう一層の制度整備を図られたい。
18)本年、愛南町で藻場の再生や海洋汚染につながる使用済み漁具の回収などを進める“町海洋環境保全プロジェクト”を立ち上げ、漂着ごみゼロを目指した取り組みが始まった。豊かな海を次世代に継承するために、プロジェクトが愛南町から南予全域、全県へ広がるよう、県として積極的に後押しすること。
四、保健・福祉 関係
1)視聴覚をはじめとした障がい者の方が情報アクセスの機会を確保するため、必要な対策を講じること。また、外国人の方が適切な情報に到達できるよう、多言語対応を促進するなど、誰もが安心して暮らせる社会の実現に取り組むこと。
2)ウクライナ情勢は未だ不透明で、物価高騰の長期化が懸念される中、事業者・生産者・生活者等の状況に応じて機動的な支援と対策を講じること。(総務部・企画振興部・経済労働部・農林水産部等と連携)
3)放課後デイサービス事業の支援について、県や自治体間で各種サービスの認定基準や評価判定についてばらつきが大きいことが指摘されている。国による児童福祉法改正の動向も踏まえ、事業者と連携を密にし、適切かつ公平な対応を図ること。
4)厚労省による「健康寿命」に関する調査によると、本県は男性が71.50歳でワースト2位、女性が74.58歳でワースト4位であった。延伸を阻害する要因を把握するとともに、ビッグデータ活用等による疾病予防や健康づくりをより一層推進すること。
5)児童養護施設等退所後に子どもや若者が安心して社会で活躍できるよう、相談支援の強化や居場所の確保、仕事や住まいなどにおける身元保証人確保等、総合的な支援に努めること。
6)ひきこもり当事者が安心して過ごせる居場所を確保するとともに、当事者やその家族を支え、オンライン活用も含めた多様な社会参加を後押しする取り組みを強化すること。
7)県では、2060年に出生数を8500人に増やせるよう、新年度から新たに結婚や子育てに支援を行う市町に対する交付金を創設し、少子化対策を強化すると聞く。ぜひ “愛顔の子育て応援事業”のスキームを活用し、上乗せ・横出しを図るなど“第1子”へのインセンティブ強化に努められたい。
8)ひきこもり当事者やその家族の孤立を解消するため、生活困窮者自立支援制度を支援の入り口とし、あらゆる支援機関が一体となって、早期かつ適切に医療・福祉・教育・就労など必要な支援につなぐ体制整備を図ること。
9)コロナ禍で、保育所が閉まったら子供を預けていた女性が勤めに出られず、スーパー、医療、介護など幅広い分野で困った状況が生まれたが、そうした分析から、保育サービスの充実は経済効果を生むと言われる。人口面も含め将来に対する投資という観点から、県としてよりいっそう保育サービスの拡充に取り組まれたい。
10)がん対策の強化に向け、がん検診受診率50%以上の早期達成をめざし、リスクの高い人に介入する「リスク検診」の導入を一層強化すること。
11)単身世帯が4割となる中、今後、高齢者(特に未婚者)の身寄り問題が懸念される。亡くなった後の葬儀やアパートの現状回復等の事務を誰が担うかといった課題や、多死社会到来への準備は急務である。国や市町と連携しつつ、対策を講じられたい。
12)コロナ禍で住居確保給付金の申請が急増したことは、借家暮らしで家賃を払えなくなった人がいかに多いかを示している。家族のいない単身世帯も含め、自立した生活を送る基盤である住まいに対する公的支援のあり方について議論し、多様な支援制度を実現されたい。
13)保護を必要とする子どもたちを取り巻く児童養護施設、自立援助ホーム、ファミリーホーム等の運営状況は総じて不安定な環境にある。現場ニーズにしっかりと耳を傾けながら、安定的な運営が可能となるよう支援の拡充強化に努めること。
14)50代から発症率が高くなり、80歳までに3人に1人が発症するといわれる帯状疱疹について、発症予防のためにワクチンが有効とされている。しかし、費用が高額で接種を諦める方が少なくない。国に対し費用助成並びに定期接種化を強く求めること。
15)将来子どもを持つ可能性を残すために精子や卵子を凍結保存して不妊に対処する「妊孕性温存治療」を行うAYA世代の患者にとって、その費用は高額で出産をあきらめる人も多い。若者が希望を失わないよう県としての助成・支援制度を創設されたい。
16)ヤングケアラーの実態把握に向けたアンケート調査を踏まえ、調査結果を学校関係者や要対協、民生・児童委員など地域関係者と共有し、具体的に必要な対策を講じられたい。(教育委員会と連携)
17)県内の公衆浴場は年々減少を続け、存続が危惧される状況となっている。2005年度以降、県の助成措置がなくなったが、このままだとボイラーが壊れた時点で廃業せざるを得ない状況であり、銭湯文化の継承の観点からも補助金、優遇税制など新たな支援策を導入されたい。
18)障がいのある方がそれぞれの障がいの特性に応じた手段により情報を取得したり、コミュニケーションしやすい環境づくりを進めるため、「情報・コミュニケーション条例」の制定を図ること。
19)全国に約200万人ともいわれる線維筋痛症患者が、国の難病対策の進展を一日千秋の思いで待たれている中、県としても実態の把握と共に相談窓口の設置など患者に寄り添った支援体制の整備を進められたい。
20)動物殺処分のワースト上位が続く本県の現状を打破するためには、とりわけ処分数の多い猫への思い切った対策が必要だ。不妊去勢手術に対する補助制度は現状、自治体によって温度差があるため、これを県の制度として一元化し、期限を設定した上で“全県一斉”に実施できる体制の実現に向け取り組まれたい。
21)児童相談所の職員増強を図られたい。とくに里親になりたいと希望される声もあるが、成立するまでなかなか行かないとの声もある。きめ細かな対応が望まれる。児童虐待対策としても里親制度の充実は必要不可欠である。
22)地域の住宅セーフティネットの体制を強化するため、住宅部門と福祉部門の連携の拡充強化を図ること。(土木部と連携)
23)高齢化の進展に伴い救急需要が増加する中、真に必要な方に救急車を回すため、消防庁では#7119(救急安心センター事業)を推進し、軽症者割合の減少や不急の出動抑制に成果を挙げていると聞く。本県でもぜひ、本事業の導入を検討されたい。
24)ケアマネジャーの資格更新時の講習料が高いとの声がある。また、県によって講習料もまちまちのようである。改善を図られたい。
25)未就園児について、厚労省は2019年度で182万人が保育所や幼稚園、認定こども園に通っていない未就園児と推計されると公表。そのうち育児について困難な状況にある家庭について、早急な対策が求められる。
① 一昨年9月 医療的ケア児支援法が施行。日常的に痰の吸引などが必要な児童が、園や学校で受け入れが可能となるよう、国や自治体の責務が明示された。愛媛県では子ども療育センターを中心に、機能強化と現場との連携をより一層強化し、医療的ケア児が一人も取り残されないよう図られたい。
② 外国籍の子どもについて。手続きが分からず園等に入れてない場合もある。ワンストップの相談窓口の充実や市町と連携し、アウトリーチの推進を図ること。(観光スポーツ文化部と連携)
③ 生活困窮により未就園児となっている場合には、市町の福祉窓口と子育て支援担当や社協と、児相とのより一層の連携を図られたい。
④ 一昨年9月 医療的ケア児支援法が施行。日常的に痰の吸引などが必要な児童が、園や学校で受け入れが可能となるよう、国や自治体の責務が明示された。愛媛県では子ども療育センターを中心に、機能強化と現場との連携をより一層強化し、医療的ケア児が一人も取り残されないよう図られたい。
⑤ 外国籍の子どもについて。手続きが分からず園等に入れてない場合もある。ワンストップの相談窓口の充実や市町と連携し、アウトリーチの推進を図ること。(観光スポーツ文化部と連携)
⑥ 生活困窮により未就園児となっている場合には、市町の福祉窓口と子育て支援担当や社協と、児相とのより一層の連携を図られたい。
⑦ 関連して、医療的ケア児対応について、企業内保育所などを含む認可外保育所においては、今回の医療的ケア児支援法の対象外である。しかし、子ども療育センターにおいては、相談窓口としての機能をしっかり果たされたい。
26)昨年から販売業者が取得した犬猫についてマイクロチップの装着と環境省データベースへの登録が義務化された。迷子対策や虐待や遺棄防止策の前進に期待する一方で、装着率は2割に満たない現状に加え、まだまだ抵抗感がある飼い主も少なくないため、県として、安全性や動物共生に対する理解が着実に広がるようしっかり取組むこと。
27)“手のひら県庁”を標榜する本県として、スマホで提示できる利便性や心理的負担の軽減など、障がい者がより気軽に移動や外出ができる環境が広がる(ミライロIDを活用した)デジタル障害者手帳の導入を検討されたい。
28)児童虐待相談件数が年々増加する中、児童福祉士など人手不足が深刻で対応が追いつかない現状が指摘される。現状をしっかりと把握した上で、市町や県警等としっかり連携を取りながら、毅然として取り組まれたい。
29)本県の心疾患の粗死亡率は全国2位と高く、特に心不全の年齢調整死亡率は全国より高い水準で推移している(令和2年)。健康寿命の延伸に向け、愛媛大学・ノバルティスファーマと結んだ産官学協定に基づき、着実に成果を挙げられたい。
30)治療をためらっていたカップルにとり待望であった不妊治療への保険適用が、昨年4月から始まった。一方で仕事と治療の両立に悩む方も多く、治療しやすい環境が整わなければ保険適用の効果は限定的となるため、県として雇用側にも適切な理解が進むよう取り組むこと。
31)18歳までの医療費無料化に全県的に取り組むこと。
五、経済・労働 関係
1)県は昨年8月、ベトナム・ベンチェ省と経済協力に関する覚書を締結するとともに、年末には愛媛県とベトナムを結ぶチャーター便が初運行した。県内で最も多い外国人がベトナム人であることを強みとしながら、両地域がウィン×ウィンとなる交流の更なる拡大に努められたい。(経済労働部・観光スポーツ文化部と連携)
2)「愛媛フードイノベーション・コンソーシアム」を産官学で推進し、県内の食品関連産業の発展と農漁業の活性化に繋げ、「フードテック先進県えひめ」の実現に向けて取り組むこと。
3)県は昨年、中国ECサイトに県産品の特設ページを開設。知事が出演したPR動画がWEIBOアワードでPRクリエイティブ都市賞を受賞し、販売面でも順調と聞く。世界最大の中国EC市場での県産品の更なる需要拡大に引き続き注力されたい。
4)再生可能エネルギーの地産地消に向けてカギとなるのが蓄電池と言われている。全国ではCNF(セルロスナノファイバー)によるバッテリーの開発が進んでいるが、本県もCNF先進県として遅れを取ることなく、新産業の創出に向け全力を挙げられたい。
5)若者の起業精神を育むための教育を行う企業や大学に対する補助を行い、起業家教育の推進を図ること。
6)県内中小企業等にAIやIoTなどデジタル技術の導入が進むよう、専門人材の育成も含め環境整備が進むよう支援を拡充すること。
7)外国人労働者は、製造業の盛んな東予地域では必要不可欠な人材群おして位置づけられている。今後も適正、スムーズに受け入れられるよう、外国人労働者の労働環境の改善も含め、国と連携し、支援体制の拡充に取り組むこと。
8)2050年のカーボンニュートラル、さらには水素社会の実現に向けて、燃料電池等の製造販売を手掛ける県内有力企業や水素関連事業の振興に対し、県としてバックアップの充実を図られたい。(県民環境部と連携)
9)国際市況の高騰により、生活必需品の値上げが相次ぐ状況にある。物価動向を注視しながら、企業への融資制度など機動的に対応すること。
10)ウクライナ情勢は未だ不透明で、物価高騰の長期化が懸念される中、事業者・生産者・生活者等の状況に応じて機動的な支援と対策を講じること。(総務部・企画振興部・農林水産部・保健福祉部等と連携)
11)県の中核産業人材確保奨学金返還支援制度がIT人材確保枠を追加するなど発展的に定着しつつある中、本県の人口減少問題と照らし合わせると、“奨学金の返済が終わらないと、結婚も子育ても考えられない”と考える多くの若者の声をより重視し、返還支援の額を大幅に増加させるなど、思い切った制度の見直しを進められたい。
六、農林水産 関係
1)ウクライナ情勢は未だ不透明で、物価高騰の長期化が懸念される中、事業者・生産者・生活者等の状況に応じて機動的な支援と対策を講じること。(総務部・企画振興部・経済労働部・保健福祉部等と連携)
2)2020年の養殖率の上昇幅が全国4位となるなど本県の“陸上養殖”が勢いを増す中、西予市の水産会社は通常より大きなサイズのヒラメを養殖し、単価の高い米国向販路開拓の成功で売り上げを伸ばしている。地方創生の観点から、漁業者や漁業地域を問わず、付加価値の高い“陸上養殖ビジネス”の可能性について検討されたい。
3)鳥インフルエンザへの対応について、水際で防いでいる県はじめ関係者に敬意を表したい。ただ、安心できる状況になるまで、緊張感を持った対応をお願いしたい。加えて風評被害が生じることのないよう、又、産地および養鶏業者の支援に万全を期すこと。
4)野生鳥獣による被害防止のため、ベテランハンターによる若手育成や多様な人材活用による新たな技術を導入した捕獲強化を図ること。
5)豚熱等の家畜伝染病の発生を防止するため、畜産農場の防疫措置の強化や野生イノシシやネズミ等の侵入対策など飼養衛生管理を徹底し、重要病害虫等による侵入・まん延防止に努めること。
6)「防災重点農業用ため池」の決壊による水害の発生を防ぐため、防災工事等の取り組みを集中的かつ計画的に推進するとともに、決壊の恐れのあるため池の管理・監視体制を強化するため、ドローン等のICT を含む先進技術の導入を図ること。
7)太陽光発電事業者と農家・地域住民との間で、営農上や防災面、景観、光害、獣害促進など様々なトラブルが生じていると聞く。市長と連携し、農地転用の適切な審査や設置後の管理など悪質事例等が発生しないよう注視すること。
8)林業においては現在、森林の地形や資源量を航空レーザ計測によりデジタル化するなど情報の高度化・共有化に取り組んでいるが、デジタル先端技術の積極的な導入・活用と更なる市町連携で、県産財の増産及び林業の成長産業化を推進すること。
9)国策の後押しをCLTの利用促進など県産材活用拡大の好機と捉え、林業躍進プロジェクト等、各施策の推進に全力を尽くすこと。
10)アコヤ貝大量死について、愛南町の母貝業者からは、県漁協が推奨する漁場の引っ越し作戦は燃油や人手の負担が大きいため躊躇せざるを得ないとの声が寄せられている。病気に強い貝づくりとともに、事業の継続が危ぶまれる業者に対し早急に支援策を講じられたい。
11)県水産研究センターは建設から40年以上経過し、老朽化が激しい。アコヤ貝大量死への対応やデジタル技術を活用した環境資源の管理技術、新たな養殖技術の開発など課題が山積する中、本県基幹産業の拠点として新センターの整備に取り組むこと。
12)燃料油の高騰や飼料、肥料の高騰により、一次産業のコストが大幅に騰がっている。臨機応変な対応を願いたい。
七、土木・建設 関係
1)地域の住宅セーフティネットの体制を強化するため、住宅部門と福祉部門の連携の拡充強化を図ること。(保健福祉部と連携)
2)介護度が軽い、もしくは不要な高齢者の方々に対する民間施設にサービス付高齢者住宅があるが、高額なため年金生活者では手が出ない。県営住宅の空き室・空き棟の活用や高齢者集住型団地の可能性など、「年金生活者が安心して暮らせる公営住宅、又はサービス」の実現に取り組んで頂きたい。
3)空き家対策を加速化させるため、自治体と連携し、空き家に関する多様な相談にワンストップで対応できる相談窓口等の整備を進め、空き家を利活用した古民家や滞在型施設の支援など、新しい生活スタイルに向けた取り組みの推進を図ること。
4)バリアフリーのまちづくりを推進するため、市町と連携し、歩道の拡幅や段差の解消、音響式信号機の設置、無電柱化、視覚障害者誘導用ブロックの整備等による歩行空間のバリアフリー化、ICTを活用した歩行者移動支援サービス等の普及に努めること。
5)昨年、岩城橋完成により2社が航路廃止を決定した。残るフェリー航路は生活航路として不可欠な2航路、トラックやトレーラー、観光バスなど車長の長い車両が唯一乗り入れ可能な1航路となる。航路は一度廃止になると復活させるのは殆ど困難であり、万一、上島町で大規模災害が発生し、救援物資の搬入や島民の大規模避難が必要となった場合のリダンダンシー確保の意味でも、3航路が今後も維持されるよう格段の支援を講じられたい。(企画振興部と連携)
6)建設業の就業者数の減少が続き、高齢化の進展が著しい。経営上の課題に関する県内企業調査でも「若年労働者の確保・育成」が最多となっており、県として「魅力あふれる建設産業づくりアクションプログラム」を強力に推進し、学生はじめ女性や外国人材も含め、担い手確保と育成に全力を挙げること。
7)松山外環状道路の空港線の内、2024年春完成予定の余戸南IC~東垣生IC区間については側道も含め、安全かつ円滑に工事が進むよう万全を期すこと。(県警察本部と連携)
8)県営住宅入居の際の連帯保証人について、身寄りのない低所得の高齢者が入居を断念することのないよう保証人不要の実現をめざし取り組むこと。
9)空き家対策が進まない要因の1つに所有者不明土地問題がある。相続人調査において行政書士等を積極的に活用するなど、今後さらなる拡大が予想される空き家の発生を未然に回避する対策の強化に努められたい。
10)新居浜の災害対策として、国領川の河床掘削を進めること。
11)しまなみ海道の通行料金について自転車・原付・125CC以下の二輪車は500円と設定されている中、自転車は期間限定で無料となっている。観光誘客、生活利便性の両面から原付・125CC以下の二輪車についても無料化を働きかけること。
12)国の流域治水プロジェクトを加速させ、気候変動の影響を踏まえながら本県河川整備基本方針・計画の見直しを図り、激甚化する洪水や内水による被害の回避に向け、“気候変動適応型水害対策”の位置づけで抜本的な治水対策の推進に取り組むこと。
13)災害復旧における水道事業者の果たす役割は大きく、少子化が進む中で将来にわたる人材確保は喫緊の課題である。水道事業者の経営革新や技術者の資格取得支援、さらには教育委員会と連携し実業高校における設備コースを新設するなど、水道事業の人材確保に向けて重層的な体制で戦略的に取り組むこと。(県教育委員会と連携)
14)河川や護岸の草木等を除去してほしいとの要望は年間を通じて根強いものがある中、昨年度、県は草刈りロボットの実証実験を行い、新年度からの導入を検討していると聞いた。安全性やコスパ等も精査した上で、県民ニーズの高い“護岸メンテナンスのDX化”をぜひ実現してほしい。
15)管工事を学べる実業高校が県内にはなく、志望する生徒は県外への進学を余儀なくされている。2027年度の県立学校振興計画の策定においては、将来の担い手が確保できるよう最大限考慮すること。(教育委員会と連携)
八、公営企業 関係
1)老朽化が著しい県立今治病院の建て替えについては、第2次県立病院中期経営戦略に基づき、令和7年度までに、診療機能を維持するために妥当な施設整備の方 法について検討し、具体的な結論を得ること。
2)昨年度、県立中央病院に開設された院内保育所について、他の県立病院への横展開とさらなる働きやすい環境の整備に向けて引き続き取り組まれたい。
九、教育 関係
1)不登校や病気療養などの事情を抱えて学校に通えない子どもたちが、希望すれば学べるようオンライン教育のさらなる推進を図るとともに、感染症や災害時など非常時にもタブレット等を活用したオンライン授業を実施できるよう体制を拡充すること。
2)昨年4月、民法の改正により成人年齢が18歳になることから、若年者が法的トラブルに巻き込まれないよう、学校教育をはじめとした消費者教育を一層充実させ、若者の消費者被害の防止や自立支援を推進すること。
3)学校における防災知識や地域の災害リスクの学習、実践的な避難訓練やワークショップ、学校と地域防災コミュニティの連携・協働など、具体的で役に立つ新たな防災教育の推進を図ること。
4)GIGAスクールサポーターやICT支援員等を配置するなど、教育現場のICT化を推進し、誰ひとり取り残さない教育環境の整備で、デジタル教育先進県愛媛をめざし取り組むこと。
5)管工事を学べる実業高校が県内にはなく、志望する生徒は県外への進学を余儀なくされている。2027年度の県立学校振興計画の策定においては、将来の担い手が確保できるよう最大限考慮すること。(土木部と連携)
6)2015年度から社会保険労務士の高校への出前授業が行われているが、実施した学校から高い評価を得ていると聞く。18歳選挙権が導入されシチズンシップ教育への関心と機運が高まる中、今後さらなる実施校の増加に向けて取り組むこと。
7)本県児童生徒数はピーク時に比べ1/3以下に、学校数も1/2以下となり、今後も減少が続く中、圏域を含めた広域調整を担う県として、オンライン教育などDXの進展も踏まえながら、今後の学校教育のあり方など中長期にわたるビジョンを構想すること。
8)ヤングケアラーの実態把握に向けたアンケート調査を踏まえ、調査結果を学校関係者や要対協、民生・児童委員など地域関係者と共有し、具体的に必要な対策を講じられたい。(保健福祉部と連携)
9)県は昨年、2027年度までに現在の55校から44校に再編する県立学校振興計画案を公表し、県民の関心が高まっている。存続を望む地元の声を丁寧に受け止めながら、時期の見直しも含め、子どもたちに最善となる議論を進められたい。
関連して、宇和島市から、宇和島南中等教育学校と宇和島水産高校の統合については「真珠科」を設置し、真珠養殖の後継者育成に繋げてほしいとの声が寄せられており、南予の海面養殖業の持続発展の観点から、ぜひ実現をお願いしたい。
10)コロナ禍において特別支援学校の通学バスが増便され、保護者から安堵の声を聞く。コロナ収束後も、子どもたちの適正や保護者のニーズを精査し、通学バスの便数を適切に確保すべく取り組むこと。
11)夜間中学の設置について。国は都道府県ごとに最低1校の設置をしたいとしており、本県の一刻も早い設置を望む。
12)昨年度、小学5年と中学2年全員が対象の全国体力テストで、本県は男女とも前年よりレベルを下げ、体力低下が顕著であった。コロナ禍ではあるが、市町教育委員会と連携し、体力向上に取り組むこと。
十、警察 関係
1)ひし形マークの啓発や歩取プロジェクトの推進により、横断歩道での停止率が大きく向上した。取り組みに敬意を表するとともに、歩行者死亡事故ゼロを目指し、さらなる交通安全の強化に向け不断に取り組むこと。
2)視覚障がい者等の安全な歩行を支援する新しいシステム「高度化PICS」については、松山盲学校や視覚障がい者団体等の意見も踏まえた整備推進を図るとともに、様々な先端技術の動向も注視し、より安全な歩行支援の拡充に努められたい。
3)高齢ドライバー対策として、サポカー限定の運転免許が本年5月から導入される。車を日常的に使用し免許の返納をためらう高齢者は多く、そうした方々に、新たな運転免許制度の趣旨やサポカー補助金等の支援策について、しっかりと周知すること。
4)鉄道車両内での襲撃事件が近年相次いでいる。本県においても鉄道のみならず、バス・航路など公共交通事業者と連携し安全対策を協議するなど、県民の命を守る取り組みに万全を期すこと。
5)新居浜警察署、久万高原署の建て替えを図ること。
6)主要交差点において停電対応可能な信号機の設置を早急に図ること。また、信号機のLED化の要望を多く聞く。前倒しの対応を願いたい。
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 22:03