「9/9に県が発表した人口の将来予測は、衝撃的なものでした。あらゆる数字が、私たちの想像を超えて加速する本県の人口減少の実態を示すものであったからです。
そうした状況を踏まえ、中村知事は昨日の定例記者会見で「県民総ぐるみで取り組む えひめ人口減少対策重点戦略」を発表しました。以下にその概要をまとめてみます。
まず、人口減少の現状です。
本県の2020年の人口は1,334,841人で、毎年13,000人以上の人口が減少しており、年内にも130万人を切る可能性があります。
その内、20~24歳女性人口の減少が最も多く、出生数とともに婚姻件数も近年、急減しています。
次に、現状と希望のギャップです。
20~30代の未婚者へのアンケートでは8割が結婚を希望し、7割が2人以上の子どもを希望するとの結果が出ていますが、あまりにも激しいギャップというのが現状です。
県としては、あくまでも結婚・出産は個人の意思によるもので、多様性を認め個人を尊重するということが大前提であり、県外への進学・就職も同様に、各人の自由が尊重されなければならないということを基本認識とした上で、「若者たちに、愛媛を選択頂ける地域となることが重要」というのが、今回の重点戦略の基本的な考え方です。
そこで、県では2015年に策定した目標(2040合計特殊出生率2.07、2020年代に社会減ゼロ)を達成すれば、2045年から現役世代の割合が増加し人口構造が転換へ向かうという人口ビジョンのもと、出生数が前年比で増加し続けることで人口構造が若返り、社会・経済システムが着実に安定化に向かうよう取り組みを進めてまいります。
まずは、出生数の反転増加をめざす取り組みですが、若年層(特に女性)に県外への進学・就職数以上に県内に戻ってきてもらうこと、そして婚姻件数の増加が重要となります。
そのためには、若年者(特に女性)が愛媛でやりがいをもって働き、結婚の希望を叶え、出産・子育てがキャリアアップの妨げにならない社会を目指す必要があります。
そうした施策を強化することで、2060年に人口100万人を確保することを目標とし、まずは2026年に転出超過を解消するとともに、出生数8,500人をめざして取り組みを進めていきます。
但し、行政だけでは限界があり、経済界の協力を頂きながら女性から選択される企業へ成長することが不可欠となってまいりますので、企業と行政総ぐるみでの対策を展開し、行政は県内就職促進や移住施策、結婚支援等を実施するとともに、選択される企業への変革・成長を支援することとしています。
そして、市町との連携においては、それぞれの実情に応じた取組みが可能なメニュー選択型の交付金を創設することを発表しました。
これはその日の内に、新聞、テレビ、ネット等でも大きく報道された通りです。
例えば、結婚へ向けた経済的負担の軽減や、将来の妊娠のための健康管理(不妊治療支援)、母子等の健康支援や子育て家庭の経済的負担の軽減、保育士が働きやすい環境整備などが挙げられます。
以上のような取組みとこれまで進めてきた人口減少対策を組み合わせ、長期目標として「2060年に人口100万人確保」、そして短期目標としては「2026年に転出超過の解消、出生数8,500人」を掲げ、今後、具体化を図っていく考えです。
私も、加速する人口減少に対する懸念を共有しながらも、この危機感を逆バネにして生み出される様々なイノベーションやデジタル社会がもたらす異次元の可能性を信じ、県の政策をしっかりと後押ししてまいりたいと思います。
そして、出生数が前年比で増加し続けることで人口構造が若返り、社会・経済システムが着実に安定化に向かうよう、企業や県民総ぐるみで対策を展開していけるよう微力を尽くしたいと考えています。
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 16:43