「(略)先週、愛媛県主催による「空の移動革命シンポジウム」がオンラインで開催されましたので、今朝はその概要についてご報告いたしたいと思います。
ご案内の通り、次世代の輸送手段として期待される、いわゆる「空飛ぶクルマ」ですが、その導入と実現は、決して遠い未来の話ではございません。
既に多くの事業者や自治体で実証実験が行われており、2025年の大阪・関西万博では会場の上空を飛行することがニュース等でも取り沙汰されているところでございます。
この「空飛ぶクルマ」は、本県におきましても過疎地域や離島の物流・公共交通、救急医療や災害救助などの社会課題の解決や新たな観光ビジネスの創出など、様々な可能性が期待されています。
導入に際しての課題が様々ありますが、シンポジウムでは、それらを1つずつ着実にクリアしている現状についての報告があり、例えば松山市から宇和島市や広島市に16分で、また、松山駅から石鎚山までわずか9分で移動できるとの試算等も示されました。
確かに、本県のような地方都市は公共交通が脆弱であり、都会のように全域をくまなくカバーできていません。
例えば、観光を例にとりますと、松山城から今治城に移動する際は、バス、電車、タクシー等の乗り継ぎが必要となります。
正に、移動する時間と手間とコストが、観光コンテンツとしての大きなハンデとなっているわけですが、「空飛ぶクルマ」の導入によって、松山城と今治城を最短距離でピンポイントに移動することが可能となれば、ハンデは一気に解消し、観光コンテンツとしての魅力も格段に向上するに違いありません。
また、救急医療の面から考えますと、本県は全国第3位の有人離島を有するため、橋や船やドクターヘリなど、どうしても患者の搬送に困難が付きまといます。
しかし、「空飛ぶクルマ」が導入できれば、そのコストはヘリコプターより低く、自治体が複数台持つことができるので医師が派遣しやすくなり、救命率の向上が大きく期待されます。
県では今後、行政や大学、様々な分野の事業者等による推進ネットワークを立ち上げ、連携しながら、早ければ2025年度に県内で実証実験を始め、2027年度に人の輸送の開始を目指したいとのロードマップが示されました。
また、四国経済産業局からは、今後、空飛ぶクルマの部品製造や物流サービス、発着設備の建設・運営など、幅広い新たなビジネスが生まれ、「タクシーと変わらない料金で乗ることができ、移動の概念が根本から変わる」との期待が述べられました。
今朝は、県主催の「空の移動革命シンポジウム」の概要についてご報告させて頂きました。
私も、2027年度を目標とした本県での「空飛ぶクルマ」による人の輸送実現に向け、しっかりと後押しをしてまいりたいと思いますので、今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 17:05