「(略)ご案内の通り、連日、ロシアの軍事侵攻が続く中、ウクライナから周辺国へ多くの市民が脱出しています。
「今世紀最大の欧州難民危機」が指摘され、国際社会は一致協力して避難民や受け入れ国への支援を強化していく必要があります。
ウクライナの人口は約4350万人ですが、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によりますと、先月24日にロシアの侵攻が始まって以降すでに200万人以上が国外に退避したといわれ、これは、2015年にシリア内戦等の影響で中東から欧州に押し寄せた難民、移民の数を上回るペースといわれています。
現在、ウクライナと国境を接するポーランドやハンガリーなどが多くの避難民を受け入れ、滞在施設や医療、食料などを提供しておられますが、両国の真心からの人道支援に敬意を表したいと思います。
一方、避難民にとっては、先行きへの不安や家族の安否確認もままならない状況下で極限状態のストレスが続き、精神的なケアが非常に重要になってまいります。
国連では、今後数カ月間のうちに避難民が400万人に達すると見ており、近隣国だけでは受け入れ能力に限界があるため、欧州連合(EU)は避難民への対応で足並みをそろえ、当面2年間はEU域内の滞在許可や移動の自由を認めることとしています。
そのように国際社会全体へ支援の輪が広がりつつある中、日本政府もウクライナへの人道支援を強めています。
岸田首相は先月27日、1億ドル(約116億円)の緊急人道援助を表明。
今月11日には一時的避難施設や保健医療、水・衛生、食料などの分野を中心とした支援の詳細を決定しました。
いずれも国連などの要請を踏まえた緊急性の高いものであり、この度の支援決定を評価したいと思います。
また、避難民の受け入れも始まり、今月7日までに8人が入国したところですが、政府には今後、避難民がどれだけ増えるかといった見通しも含め、最大限可能な受け入れの態勢づくりを急いで頂きたいと思います。
特に、親族や知人が日本にいない避難民には、住まいの確保等きめ細かいサポートが必要になります。
また、避難生活が長期化すれば、就労や就学を手助けする必要も生じてまいります。
そうした中、愛媛県におきましても、この度のウクライナの人道危機対応及び救援活動等を支援するため、先週11日から愛媛県ウクライナ人道危機救援金の募集を開始しました。
今回の救援金は日本赤十字社の「ウクライナ人道危機救援金」に拠出し、伊予銀行、愛媛銀行、愛媛県信用農業協同組合連合会の各県庁支店での受付となります。
募集期間は5月31日(火)までとなっており、詳しくは県のホームページにてご確認を頂ければと思います。
また、愛媛県議会では、今回のロシアのウクライナ侵攻に対し3/2、全会一致で決議文を可決したところですが、あらためて、ロシア及びプーチン大統領の暴挙を断固非難するとともに、即時の停戦、戦争終結を求めたいと思います。
皆様におかれましては「愛媛県ウクライナ人道危機救援金」に対しまして、どうかご理解とご協力を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
1日も早くウクライナに平和が訪れるよう祈りつつ、国や県、そして私たち自身にできる人道支援について力を尽くしてまいります。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 13:33