「(略)県議会では先週、閉会中の特別委員会、常任委員会がそれぞれ開催されました。
その内、今朝は、私が今年度所属する建設委員会での審査概要についてご報告したいと思います。
今回の議題は「とべ動物園の魅力向上に向けた取り組みについて」でありました。
一般に、動物園は約8割が公立で運営され、自治体によって異なりますが、多くは都市公園や都市整備といった土木部の所管となることが多く、愛媛県もその1つです。
「とべ動物園」は、今から69年前の昭和28年に道後公園内に開設され、昭和63年に現在の場所に移転。
当時は100万人を超える入園者数を数えましたが、少子化や人口減少の進展により、コロナ前の令和元年には約46万人へと減少しました。
そこで県は、有識者等からなる「とべ動物園魅力向上戦略検討委員会」を設置し、持続可能で魅力あふれる動物園をめざした取り組みについて諮問を行い、約3年の検討を経て報告書がとりまとめられ、それを元に、県としての今後10年間の目標、基本方針、事業計画が策定されました。
第1期は令和元年度からの3年間ということで、理事者からまず、第1期の取り組み状況について説明がありました。
「この間は、ハード面ではアシカ舎の改修、ソフト面ではグランピングやイルミネーション、トリックアートやアートイベントなど、魅力向上に向けて、様々な新しい取組みに挑戦し、それらをメディアやWEBを最大限活用し、積極的に情報発信を展開。その結果、コロナ禍の影響で休園せざるを得なかった月を除くと、過去5年で最高の入園者を記録した。」との報告がありました。
掲げた目標に対し着実に成果を挙げられた当局の取り組みに、敬意を表したいと思います。
次に、第2期、令和4年度から6年度の3年間の取組みについての説明がありました。
第2期は、入園者数の目標を55万人と設定し、動物への興味が深まる行動展示や、楽しく動物を観覧できる環境整備を重点戦略として進めるとし、その柱の1つは、とべ動物園の強みである繁殖技術の高さを活かし、人気のある動物や希少種など種の保存に貢献する動物の導入をめざす取り組みであります。
ご案内の通り、「とべ動物園」きっての人気者である「しろくまピース」は、日本で初めて人工哺育に成功し、昨年22歳の誕生日を迎えたホッキョクグマですが、これは愛媛県の繁殖技術がいかに高いかを示すもので、そのようにして培われた知見こそが「とべ動物園」の一番の強みとの説明がありました。
続いて2つめは、園内の休憩施設の整備や園内飲食施設の充実、3つめに外国人観光客の回復を視野に入れた多言語表記動物解説板の整備、4つめに夜の動物園の人気の高さから獣舎のライトアップなどへの取り組みが挙げられました。
そして、第2期を含めた今後の新たな戦略として、「とべ動物園」と「県総合運動公園」、「えひめこどもの城」を「とべもり」エリアとして一体化させ、それぞれの魅力の相乗効果を発揮できるよう周遊化を進めていくとの方向性が示されました。
子どもたちにとって夢が膨らむビジョンだと感じましたし、その進展に心から期待を寄せたいと思います。
この他、委員会では様々な質疑がなされましたが、私からは大きく2点、要望を述べさせて頂きました。
1つ目は、「とべ動物園」が持つ強みを維持し、磨き続けてほしいという要望です。
理事者の説明にあった通り、しろくまピースに代表される「とべ動物園」の魅力を支えるものは、繁殖や育成に関する全国トップクラスの「技術力」です。
また、地の利でもあります今治市の加計学園や保健福祉部など他の部局とも連携しながら、そうしたスタッフ・施設が有するスキルやノウハウを常にアップデートさせながら、獣医師など人材の育成確保に取り組んでほしい旨の要望を申し上げさせて頂きました。
2つ目は、歴史ある「とべ動物園」は愛媛県にとって貴重な財産であり、ぜひ教育委員会や各自治体と連携し、県下すべての子供たち、例えば遠足行事として小学校の児童がもれなく訪れることができるしくみ、みんなが「とべ動物園」を体験できるしくみを、財源も含めて検討してほしい旨の要望を申し入れあっせて頂きました。
幼少期の感性で体験したことは、かけがえのない生涯の原風景となると思います。
そして、青年期になれば、グランピングやトリックアートなど違った魅力を楽しみ、親になったらきっと子供を連れながら、祖父母となれば孫を連れながらというふうに、ライフステージに応じて何度も訪れ楽しむことができる、県民にとって、そんな「とべ動物園」になってほしいとの思いを込めて要望いたしました。
今朝は、先週の建設委員会での審査概要についてご報告させて頂きました。
コロナ後の子供たちの笑顔を心に描きながら、引き続き取り組んでまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 14:43