「(略)県議会では、本日より6月定例会が開会いたします。来月7日までの会期で6月補正予算案を中心とした審議が行われますが、今朝は、開会に先立ち発表された補正予算案の概要についてご報告したいと思います。
まず、喫緊の課題である新型コロナ対策につきましては、4月、5月と補正予算を編成し追加対策を講じているところでありますが、感染症対策の切り札とされるワクチン接種が段階的に進む中、今回の補正予算では、更なる医療体制の充実や今後の人流の回復に向けた対応についての対策を強化するとしています。
具体的には、感染力の強いデルタ株等、変異株の動向を引き続き注視する必要がございますが、それらに対するさらなる医療体制の充実として、感染の疑いのある患者を診察している救急医療機関等が行う院内の感染防止に必要な(簡易陰圧装置や空気清浄機などの)機器整備等を支援いたしますとともに、今後の感染拡大に備えるため、県立病院への人工呼吸器やICUベッドなど医療機器の追加整備等が進められます。
また、感染症治療の最前線で、献身的に職務を遂行されている医療従事者等を応援するため、医療機関や宿泊療養施設、高齢者・障がい福祉施設において、感染リスクの高いエリアで業務を行う医療従事者や職員に対し、県独自の慰労金(5万円)を給付する予算が盛り込まれました。
さらに、障害者就労施設等と連携し、障がい者の方々が心を込めて作った焼菓子などの商品や視覚障がい者が行うあん摩マッサージ利用券を、応援メッセージを添えて医療従事者に提供するという県オリジナルの応援事業が展開されることとなりました。
なお、知事によりますと、今回の慰労金や応援品の財源は、個人や法人からの寄附による「新型コロナウイルス感染症対策応援基金」を充てたいとのことで、ご協力を頂いた多くの関係者の皆様の感謝と応援の気持ちを医療従事者等に届けたいとしています。また、寄附をお寄せ頂いた個人や法人の皆様方には、どのような事業にこの基金を活用したか、後日ご報告するとのことであります。
次に、女性や離職者に対する支援です。
コロナ禍で様々な困難を抱える女性の支援に向け、従来の対面相談や電話相談に加え、今回新たに、SNSの活用や訪問等により幅広く相談に応じる体制へと拡充強化が図られます。
また、離職中の方々を支援するため、県の求人・移住総合支援サイト「あのこの愛媛」に離職者やUターン希望者に向けた特設ページを開設し、就職希望者への効果的な情報発信を行い、非接触型の求職活動を促進することとしています。
併せて、コロナ禍の長期化に伴い全国的に採用活動のオンライン化が進む中、県内の中小企業者の採用力を強化するため、デジタル技術を活用した人材採用や広報活動に要する経費に対する補助が盛り込まれました。
次に、第4波後の人流回復等に向けた対応です。
国の支援メニューを活用しまして、宿泊事業者による旅行ニーズの変化等に対応する前向きな取り組みや、感染拡大防止対策に要する経費が補助されます。
また、県内中小企業者によるテレワークの導入を後押しするため、専門家の派遣から通信機器の導入まで、伴走型の総合的支援に積極的に取り組むとしています。
なお、人流回復につながる需要喚起策について、中村知事からは「当初予算等において事業費は既に確保しているが、今後の感染状況をしっかりと見極めタイミングを見計らって、事業効果の早期発現に努めてまいりたい」との考えが示されました。
以上の新型コロナ対策の他、防災・減災対策の推進につきましては、国の内示を受け、ため池や山地の防災対策をはじめ道路改築や海岸・港湾施設の整備、都市公園施設の長寿命化などを積極的に推進するほか、大洲・八幡浜自動車道の整備や、肱川流域の堤防整備に伴う橋の架け替え工事、松山外環状道路の整備なども着実に進めていくとのことであります。
また、当面措置が必要な施策への対応につきましては、交通事業者が行う低床式路面電車の導入を促進するほか、本県が幹事県となって複数の県と連携して働き方改革の推進に資する業務改革モデルの構築に取り組むこととしています。
以上、予算額は一般会計73億5,050万円、企業会計1億2,313万円、計74億7,363万円となっております。今朝は、6月補正予算案の概要についてご報告させて頂きました。しっかりと審査を進めてまいりますので、今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 14:46