「(略)先週、厚生労働省が人口動態統計を発表し、昨年(2020年)生まれた子どもの数が84万832人と5年連続で過去最少を更新したことが明らかとなりました。
1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す「合計特殊出生率」も1.34で5年連続で低下しており、少子化の進展がさらに深刻な状況となっています。今朝は、このことに関連し、菅首相に申し入れを行いました公明党の提言からいくつかご報告したいと思います。
さて、ご案内の通り、少子化が進む背景といたしまして、晩婚化や出会いの機会の減少、経済的な事情、家事・育児の負担が依然として女性に偏っている現状などが指摘されています。
それらに加え、妊娠から出産までのスパンで見ますと、コロナ禍の影響は昨年よりむしろ本年、さらに色濃く反映されることが想定されます。
その他にも、昨年の婚姻件数は約52万件で戦後最少を記録し、婚姻件数が減れば出生数も減る傾向にありますので、本年は年間80万人を割るのではないかという予測も現実味を帯びてまいります。
その意味では、昨年5月に閣議決定された第4次少子化社会対策大綱に明記された「希望出生率1.8」の実現に向けて、国も地方も“コロナ禍”という視点を含めた少子化対策の“アップデート”に取り組むことが急務といえます。
新たな政策の展開という点では、今月3日に、男性が妻の出産直後に計4週間取得できる「出生時育児休業」、いわゆる「男性版産休」の導入を盛り込んだ「改正育児・介護休業法」が成立。
さらに、来年4月からは不妊治療への保険適用もスタートし、妊娠・出産から育児まで、若い世代の方々に、より安心して子供を育んで頂ける環境が広がってまいります。
そして公明党として今、強く求めているのが「子ども家庭庁」(仮称)の創設であります。
先月31日、公明党は菅首相に対し、経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」に向けた提言を申し入れましたが、その中で、少子化対策の抜本的強化に関する提言を盛り込みました。
提言は「子どもの幸せを最優先する社会の実現」に向けて省庁の縦割りをなくし、子どもと家庭を総合的に支える首相直属の行政組織として「子ども家庭庁」(仮称)を創設し、若い世代に対する総合的な支援策を強力に推進する体制整備の必要性を説くものであります。
さらに、子どもの権利を保障する「子ども基本法」の制定や、子どもの声を代弁し、子ども政策について独立して調査・勧告などを行う新組織「子どもコミッショナー」(仮称)の設置も求めました。
現在、子ども関連の政策は、例えば不妊治療やDV、児童虐待、保育園や学童保育を所管するのは厚労省、幼稚園や学校の所管は文科省、子育て支援策は内閣府というふうに“縦割り構造”であり、一貫した形にはなっていません。
5年連続で出生数・出生率とも過去最少を更新し、長引くコロナ禍の中、予測を上回るスピードで進展する人口減少に歯止めをかけるためには、国も自治体も、より危機感を強めながら一体的に取り組む必要があります。
国においては、私たち公明党が主張する「子ども家庭庁」の創設や「子ども基本法」の制定など抜本的な体制整備に着手するとともに、若い世代を支援する政策を総動員し、結婚、出産、育児と切れ目ない支援策にさらなる厚みを持たせるべきと考えますが、ぜひ積極的な取組みが見られるよう期待を寄せたいと思います。
最後に、今週16日、国会が会期末を迎えます。これに対し、野党は3か月の延長を求めており、場合によっては一気に緊迫した政局となることも予想されます。
また6/20までとしている10都道府県への緊急事態宣言が解除されるのかどうか、その判断も今週なされる予定です。
感染拡大の落ち着きが維持されている本県といたしましては、万一の解散総選挙や人流の再拡大など、場合によっては予断を許さない1週間となることも想定されます。
そうした中、来週から県議会6月定例会が始まり、安全かつ円滑なワクチン接種を始めとする新型コロナ対策や当面する地域や暮らしに関する課題など、本日発表予定の補正予算案を中心に審査が行われる予定でございます。
私も日々、皆様から寄せられる様々なお声を、しっかりと県政にお届けできますよう準備してまいりたいと思いますので、今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 09:18