「(略)政府は先週、「15か月予算」の考え方で編成した今年度第3次補正予算案と来年度予算案を閣議決定いたしました。
近年よく耳にする「15か月予算」でありますが、これは4月からの次年度を待つことなく、補正で対象とした1-3月と次年度12か月の計15カ月間、予算を切れ目なく執行するための財政運営手法であります。
今朝は、その予算案の中で公明党が推進した主なものについてご報告させて頂きたいと思います。
まず、全体としては今回、コロナ危機を乗り越えるため、感染拡大防止と景気回復の政策を切れ目なく実行することを目的に、守りと攻め両面にわたり公明党の提言が盛り込まれることとなりました。
まず、感染の再拡大が続くコロナ対策として、逼迫の度を増す医療現場への支援強化を重視し、都道府県向けの「緊急包括支援交付金」に1兆3011億円を増額し、地域の病床確保等を強力に後押しいたしますとともに、感染収束のカギを握るワクチンについて、来年前半までにすべての国民に提供できる量の確保を進めつつ、円滑な接種体制を整備するために5736億円が計上されました。
国民の期待が高まるワクチン接種だけに、政府には、正確な情報提供に努め、国民に不安や混乱が広がらないよう丁寧な取り組みをお願いしたいと思います。
次に、厳しさが続く雇用環境の改善に向けてですが、「雇用対策パッケージ」を策定し、2兆円を超える規模で雇用維持・創出や就職支援を総合的に進めることとし、雇用調整助成金の特例措置を来年2月末まで延長するほか、雇用を維持したまま一時的に他社で従業員を働かせる在籍型出向も、新たな助成金でサポートを行うことといたしました。
また、休業や失業、収入減などで生活苦が深刻化する人への支援には、最大20万円の緊急小口資金や総合支援資金の特例貸し付けの申請期限を来年3月末まで延長するなど、セーフティネットも大きく拡充されます。
打撃を受けている中小企業の支援につきましては、売上が急減した事業者への持続化給付金に代わり、コロナ後もにらんだ経営転換や事業再編を促進するため、最大1億円を手当てする事業再構築補助金が新設されることとなりました。
グリーン社会の実現に向けては、2050年の温室効果ガス排出実質ゼロの達成をめざす2兆円の基金が設けられ、省エネルギー性の高い住宅の購入などを支援するグリーン住宅ポイント制度を創設し、一定の要件を満たすと家電製品などの購入に使える最大100万円分のポイントが付与されることとなりました。
デジタル改革については、来年9月の設置をめざすデジタル庁の関連予算が手厚く盛り込まれ、自治体情報システムの標準化・共通化や、運転免許証との一体化を通じたマイナンバーカードの普及を強力に後押しをする事業が盛り込まれています。
例えば、公明党が掲げる「誰一人取り残さないデジタル化」という理念のもと、高齢者の方々などにオンライン行政手続きやスマホの使い方を教える「デジタル活用支援員」事業を全国約1000か所で実施することとなりました。
激甚化する自然災害の備えにつきましては、喫緊の課題である防災減災、国土強靭化を加速するため、来年度から5年間で15兆円規模の事業費を確保いたしました。
具体的には、流域全体で安全性を高める「流域治水」をはじめ、インフラを老朽化前に補修する予防保全への転換が重点的に実施されることとなります。
以上が、先週、閣議決定された「15か月予算案」の概要であります。
まずはコロナ危機を乗り越えることが先決で、そのために十分な対策が打てるよう編成された内容といえるのではないでしょうか。
一方では財政悪化を懸念する声もございますが、今後、ワクチン接種等によりコロナが収束へと転ずれば必ず景気は上昇し、中長期的には財政再建に繋がっていくものと確信いたしますとともに、私たち公明党は、どこまでも国民の皆様の命と暮らしを守るために、引き続き全力を尽くしてまいる所存でございます。
最後になりますが、本年は、未曽有のコロナ禍で大きな試練の年となりました。
振り返りますと、何気ない日常が、実はかけがえのない日常であるということを痛感させられた、そんな1年でありました。
そうした中、医療従事者をはじめ県民の皆様には、例年にも増してお世話になり、心から感謝を申し上げます。
来年こそはコロナが収束し、県内はもちろん、全国的に希望と笑顔が広がる素晴らしい1年となりますようお祈り申し上げ、本年最後のご挨拶とさせていただきます。
皆様、ご自愛専一に佳いお年をお迎えくださいませ。本年1年、誠に有難うございました。明年も何卒宜しくお願い申し上げます。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 10:48