「(略)公明党女性委員会は、先週9日、首相官邸を訪れ、「真の男女共同参画社会の実現へ」と題する提言を菅総理に申し入れました。
今朝はその概要についてご報告したいと思います。
私ども公明党は、全国約3000名の議員の内、女性議員が約3割を占め、党女性委員会として独自の活動に取り組んでいます。
本年は、コロナ禍にありながらも3密を避け、感染予防に最大限配慮しながら「ウイメンズトーク」(懇談会)を開催し、あるいはオンラインを活用し、様々な立場にある女性の声に耳を傾けてまいりました。
それらを集約したものが今回の提言であり、副題に「すべての女性が安心して希望をもって生きられる社会を目指して」とあります通り、全国各地から寄せられた“希望を求める声”であります。
提言は、
「女性の社会参画をさらに進めるために」、
「妊娠・出産・子育て・教育への切れ目ない支援」、
「持続可能な社会の構築に向けて」
という3つの柱で構成されています。
まず1つ目の柱「女性の社会参画をさらに進めるために」では17項目を掲げ、主なものでは
「選択的夫婦別姓の導入」、
「多様性の尊重」、
「男性の育児休業取得率向上と「男性の産休」の創設」、
「保育士の処遇改善」、
「AYA世代のがん患者等への支援」などが挙げられます。
その中で「男性の産休」について、菅総理は「公務員に育休を1か月取らせることから始めたい」と応じられましたが、すべての男性が育児休暇を取得できる環境整備の促進に期待を寄せたいと思います。
2つ目の柱「妊娠・出産・子育て・教育への切れ目ない支援」につきましては19項目を掲げ、主なものでは
「不妊治療・不育治療の支援の充実」、
「出産一時金50万円への増額・妊娠検査への助成」、
「多胎児・多子世帯への支援」、
「子どものネット依存防止」などが挙げられます。
その内、不妊治療に関して、党女性委員会の古屋委員長は、
2000年に女性委員会として不妊治療の保険適用を求める署名活動を行い、約55万人の署名を政府に申し入れるなどした結果、2004年度から治療費助成が始まったことに触れながら、
「菅総理の下で、できるだけ早く保険適用の拡大を実現してほしい」と訴え、これに対し菅総理は「最速のスピードで実現していきたい」と述べられました。
さらに古屋委員長は、不妊治療のために退職等をした女性が4人に1人に上るとの調査結果を踏まえ、
「仕事と治療の両立が可能となるように年次有給休暇の時間単位付与制度などを進めること」と要望するとともに、事実婚カップルの不妊症治療への支援や不育症治療の保険適用の検討も求めました。
3つ目の柱「持続可能な社会の構築に向けて」では、
「プラスチック資源の3Rの推進」、
「紙おむつリサイクルの推進」、
「食品ロス削減の推進」、
「フードバンクや子ども食堂等を通じた食の支援の強化」
の4項目を掲げ、具体策が盛り込まれました。
提言内容は合計40項目で、今後、政府において検討され、年末に向けて取りまとめる「第5次男女共同参画基本計画」に盛り込まれる予定ですが、1つでも多くの提言が採用されることを期待したいと思います。
さて、今回の提言のテーマである「男女共同参画」ですが、国連のSDGs(持続可能な開発目標)の「ゴール5」に「ジェンダーの平等と女性の能力強化」が謳われておりますように、国際社会が結束して取り組むべき重要課題に位置づけられます。
日本も、女性活躍のための法整備や働き方改革を進め、目標を掲げながら推進しておりますものの、世界の進み方は日本をはるかにしのぎ、わが国との差は残念ながら拡大する一方です。
そのことは、年々低下するわが国のジェンダーギャップ指数(現在121位という深刻な事実)に端的に表れております。
具体的に例えば、国は2003年に「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を3割とする」との目標を定めて取り組んでまいりましたが達成できませんでした。
実はこの「3割」という目標には“女性の割合が1割や2割だと男性に飲み込まれるが、3割となると様々な立場にある女性の意見を出すことができ「多様性が担保できる社会」に繋がる”との意味があるそうです。
男女共同参画における1つの“ティッピングポイント”といえるでしょう。
そうした意味ある「3割」という目標を、政府はこの間の取り組みにおいてなぜ達成できなかったのか、真正面から受け止めるとともに、しっかり検証を行った上で“あらためて”、そして世界に目を転じると“早急に”、指導的地位に占める女性の割合「3割」を達成し、将来的には「5割」を目指して環境整備を進めてほしいと思います。
今朝は公明党女性委員会が先週、菅総理に申し入れた提言の概要についてご報告させて頂きました。
今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 10:13