「(略)県議会では先週、常任委員会が開催され、私が所属する環境保健福祉委員会でも活発な論戦が行われました。
今朝は、その中で、私が取り上げた質問の一部についてご報告したいと思います。
まず1点目は「災害時の広域避難について」であります。
本県でも毎年のように発生する豪雨ですが、本年も7/7を中心に豪雨が発生し、土砂災害や河川の氾濫について避難勧告などの警報が出されました。
その際、いわゆる“災害時要支援者”と言われる方々から実際の避難の際に感じた恐怖と不安について後日連絡を受け、改善に向けた要望などお話をお伺いしました。
ご要望の内容は、例えば
「松山市が指定した最寄りの避難所よりも砥部町の避難所の方が近いので、警報が出された時点でそちらに避難したが、まだ開設されていなかった」、
「うちの避難所は河川の向こう側にあり、増水時に移動するのはとても不安だ」、
「町内に大型の県有施設があるが、避難所としての利用はしていないと言われた」など、実際の経験を踏まえての訴えでありました。
委員会の席上、私は、そうした事例をご紹介した上で、
「現在は法律に基づき、自治体ごとに避難計画が作られ防災対策が進められているが、市町の枠を超えた避難体制のあり方や、県有施設の活用、あるいは“流域治水”といった考えを取り入れるなど、広域行政を担う県として、より実際に即した柔軟な避難体制、防災減災対策が求められると思うが見解はどうか?」と理事者を質しました。
それに対し県は、
「広域避難については現在、国の中央防災会議のほか、重信川流域で河川管理者の国、県、関係する市町で検討を行っており、状況を注視しながら支援していきたい」、
また、避難所については「原則として当該市町の居住者、滞在者を想定するが、境界を越えて避難しても受け入れを拒むことはないと市町に確認している」とのことでした。
ここで大事なことは、“想定外も含め、万一の発災時に避難所ごとのスムーズな受け入れ態勢をどう作るか?”というのが課題の本質です。
私は、それに対する解決の糸口の1つは「マイナンバーカード」だと考えています。
カードの普及とともに行政のデジタル化が一旦進めば、本人確認はもとより、避難所に居ながらにして罹災証明の発行や各種の行政手続きが可能となり、復旧復興へのタイムラグを大幅に短縮することが可能となります。
その意味では、マイナンバーカードのさらなる普及が進みますよう、また、国民の側に普及の妨げになっている誤解や不安があるとすれば、その解消や啓発に取り組んでまいりたいと思います。
また、広域避難については、菅総理の掲げる“タテ割り行政の打破”、このことが防災減災対策においても重要と考えます。
部局の“壁”、県と市町の“壁”、健常者と障がい児者との“壁”、そうした“壁”の間で、誰も取り残さず、すべての人が適切に避難できる体制の実現をめざし、さらなる取り組みを進めてまいりたいと思います。
質問の2点目は、「相次ぐ有名人の自殺について」です。
このことは、ファンのみならず国民全体に大きな衝撃を与えています。
動揺の広がりをとても心配していますが、本県の状況等について理事者に質問を行いました。
答弁によりますと、
「1-8月の県内の自殺者数は前年を下回る142人だが、時系列で見ると、1月から6月までは減少で推移していたのが7-8月が前年度比9人増と、全国同様増加の傾向が見られる」とのことでありました。
県では、心と体の健康センターや各保健所など様々な窓口にて相談を受けつけておりますが、
5月に開設した「こころのホットライン」では、感染への不安や解雇・収入減などの相談がのべ130件寄せられており、7月以降は減少しているとのことで、
「自殺者数の増加とコロナの影響は判然としないが深刻に受け止めており、支援につながるよう相談窓口の周知に努める」とのことでした。
それに対し私は、まず、
「コロナ禍で、経済苦や生活苦、孤立に直面する人たちをはじめ、私たち誰しもが心が折れる可能性を持っている」とし、
「心の中にあきらめや絶望を抱え悩んでいる人の、ちょっとした変化に気づくことが、社会に求められているのではないか。
相談窓口も“対面型”や“電話型”のほか、ネットやSNS上での“つぶやき”から解決の糸口が見つけられる可能性もあるかもしれないため、
県警や他部局との連携やデジタルシフトの流れの中で、“誰かの悩みに、誰かが気づくことのできる社会”の実現をめざし、より一層の取り組みを!」と要望させて頂きました。
これ以上悲しみの連鎖が起きないよう、微力ながら力を尽くしてまいりたいと思います。
本日は、先週の常任委員会で私が取り上げた質問の一部をご報告させて頂きました。
10月に入り一段と秋の深まりを感じるところですが、皆様には引き続き、新型コロナの感染回避、健康管理に十分ご留意頂き、充実した秋をお過ごし頂ければと思います。今週もどうぞよろしくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 16:27