「(略)先週、県議会では臨時会が開催され、8月補正予算案が可決成立いたしました。今朝は、その概要についてお伝えさせて頂きたいと思います。
今回の補正予算額ですが、総額で約169億円。主な原資は、先に成立した国の第2次補正予算で大幅に増額された地方創生臨時交付金で、これまで5回にわたる本県コロナ対策予算の総額は実に累計794億円となります。
その概要ですが、まず、「感染拡大と医療崩壊を防ぐ」ということが1つ目の柱であります。
最前線で業務に当たる保健所や衛生環境研究所の体制強化を図るため患者搬送用車両や検査機器を整備いたしますとともに、
県立病院内での感染リスクの低減を図るため、3密回避を目的とした機器の導入及び空調設備の更新を進めることとしています。
また、高齢者や障がい者等が利用する福祉施設職員を対象に、感染症への対応力向上を図るための「eラーニング研修」の開催を支援いたしますとともに、県が管理する社会福祉施設の衛生環境の整備を促進いたします。
さらに、災害時に避難所となる集会所において、市町が行う空調やトイレの洋式等への改修を支援いたしますとともに、市町の避難所での感染予防に必要な衛生資材を県が備蓄いたしますほか、廃棄物処理での感染予防に向けた市町の事業継続計画(BCP)の策定を支援することとしています。
次に、2つ目の柱「地域経済を立て直す」についてであります。
新たなビジネスモデルを定着させ、事業者の経営力向上と感染が広がりにくい社会の実現を図るため、
中小企業者が実施する換気設備や間仕切り等の設備の導入や洋式トイレへの改修に対する支援、
業種別ガイドラインの実践活動を進化させる業界団体の取り組みを支援する予算等が盛り込まれました。
また、首都圏等での感染拡大を受け、今、オフィスを地方に分散化しようとする企業や地方への移住を希望するテレワーカーが増加傾向にありますことから、
シェアオフィスを整備する民間事業者を積極的に支援し、県内へのサテライトオフィス誘致に繋げていきますとともに、
市町や関係団体と連携して、都市部のテレワーカーを対象に、新しい暮らし方改革をコンセプトとした受け入れ環境の整備に取り組み、より一層の移住促進を図ることとしています。
また、県外観光客に安心して県内旅行を楽しんで頂くため、松山観光港等の県外航路を有する県管理港湾に検温のための資機材を整備いたしますとともに、
自転車走行環境の向上、そして主要な観光先となる自然公園やとべ動物園、こどもの城等の県管理施設での衛生環境の整備等に取り組むこととしています。
事業継続や雇用維持に向けた支援といたしまして、中小企業等の円滑な資金繰りを支援するために創設した県単独の感染症対策資金について新たに融資枠1,000億円を追加し、総額2,000億円に拡大。利子補給と保証料の全面支援も継続することといたしました。
3つめの柱「新しい生活・ビジネス・文化のスタイルを実践する」につきましては、
まず、デジタルシフトの加速として、県政のデジタル変革、いわゆる「デジタルトランスフォーメーション」を推進していくため、官民がWeb上で対話しながら地域課題を解決していくデジタルプラットフォームの構築を進めますとともに、
デジタルを活用したスマートな愛媛県庁を目指す「新しい働き方チャレンジ宣言」を実践するため、庁内の執務室や会議室の一部をスマートオフィスに転換し、Web会議環境の増強を図ることといたしました。
また、ICTを活用した学習支援等の充実として、国のGIGAスクール構想に基づき、県立学校の児童生徒に1人1台のパソコン端末を配備いたしますとともに、
本県のICT教育を本格展開するため、教員のスキル向上と研修環境の充実、さらに、農業高校等の研修に使用するラジコン草刈り機や、農業用ドローンなど農作業の省力化を図る機器の整備、県立学校等の教育関係施設における感染予防のために、使用頻度の高いトイレの改修等に取り組むことといたしました。
さらに、県管理の文化施設や武道館において感染リスクの低減を図るため、衛生環境の整備に取り組みますとともに、
事業活動に支障が生じている県内NPO法人に対する事業支援、感染症に対応した新たな取り組みの支援を行いますほか、
県庁舎や医療技術大学、アイテムえひめ、運転免許センターなどの県管理施設について、空調やトイレなど感染リスクの低減に向けた衛生環境等の整備に取り組むことといたしました。
以上、今朝は先週の臨時会で可決した8月補正予算の概要についてご報告させて頂きました。
新型コロナの感染拡大防止と社会経済活動の推進に向けて、今後1日も早く事業が執行されますよう、しっかりと後押ししてまいりたいと思います。
まだまだ猛暑が続きますが、皆様、健康に十分ご留意の上お過ごしください。今週もどうぞよろしくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 12:47