「(略)県議会では先週19日、6月定例会が開会しました。
また、その日は国内移動の全面解禁日ということで、大きな喜びと一抹の不安が交錯する中、“新たな日常”への第一歩を踏み出す日ともなりました。
感染第2波に備えながら、地域社会と経済の再生に向け、私自身、全力で取り組んでまいりたいと思います。
さて、今朝は、今回上程された県の6月補正予算案の概要についてご報告したいと思います。
予算案は大きく3つの柱から編成されています。
1つ目は、新型コロナウイルス対応のさらなる充実。
2つ目は、西日本豪雨災害への対応と防災・減災対策の推進。
3つ目は、産業振興と重要課題への対応強化であります。
まず、1つ目の「新型コロナウイルス対応のさらなる充実」についてでありますが、
医療・検査体制の整備と心のケアの充実として、
入院患者を受け入れた医療機関に対する県独自の協力金(患者1人当たり30万円)を新たに支給いたしますとともに、
重点医療機関の病床確保のための空床補償や宿泊施設の借り上げ及び運営の更なる継続など、
感染第2波が発生した場合でも医療崩壊を起こさせないよう、医療体制をさらに強化するための経費が盛り込まれました。
また、感染リスクを伴う治療・検査を行う医療従事者への応援手当金の支給や、PCR検査体制の強化を行いますとともに、
現場で不足する消毒液等の医療用衛生資材を調達して医療機関へ配布を行うほか、
入院患者の増加に備え、入院医療費の公費負担に係る予算が増額される見込みとなっています。
さらに、感染者やご家族等からの電話相談に対応する「こころのホットライン」の運営の継続、
そして「三浦保」愛基金を活用した児童生徒の健全育成に資する体験活動を支援する予算等が盛り込まれました。
次に、事業継続と経済活動回復への支援として、
国の中小企業者向けテレワーク導入補助へ県独自の上乗せ助成を行いますとともに、
「新しい生活様式」の定着をビジネスチャンスと捉え、食品や衛生用品等の商品開発に取り組む中小企業を支援するほか、
海外売上高が減少している県内ものづくり企業に対する現地調査の支援やWebによる商談機会の創出など、多彩な支援事業が盛り込まれることとなりました。
また、
県産品の売り上げが減少している県内小売業者を対象に県外での販売活動やECサイトを活用した割引キャンペーンへの取り組みを支援するとともに、
県産水産物の消費を回復するため食品流通事業者がスーパー等で取り組む販売活動の促進や、
木材加工事業者が付加価値の高い木材製品の製造・出荷に取り組むための機械整備を進める経費が盛り込まれました。
さらに、
新型コロナの収束後を見据え、国の観光需要喚起策に連動した県内旅行商品の造成や宿泊旅行の促進キャンペーンの準備を進めますとともに、
公共交通機関の利用回復に向け、新しい生活様式に即した実証実験等に取り組む鉄道やバス等の交通事業者のほか、松山空港発着の国内線の需要回復に向けたプロモーション活動に取り組む航空事業者を支援する内容が盛り込まれました。
次に、2つ目の柱である「西日本豪雨災害への対応と防災・減災対策の推進」ですが、
現在、整備目標を10年前倒しで進めている肱川水系治水対策について堤防等の整備をさらに加速いたしますとともに、
国土強靭化のための緊急対策など国の内示を受け、農業基盤の整備をはじめ、道路改築や橋梁の長寿命化、河川、海岸、港湾、砂防など、広範にわたる各施設の整備事業が盛り込まれることとなりました。
最後に3つ目の「産業振興と重要課題への対応強化」であります。
まず、産業の振興ですが、
昨年発生したアコヤガイの大量へい死を受け、新たに稚貝の安定生産に向けた種苗生産施設の整備支援、
また、水産物の安定供給に向けた漁業生産共同利用施設やアメリカへの輸出拡大に向けたHACCP(ハサップ)対応の施設整備、
赤石五葉松盆栽のEUへの円滑な輸出に向けた施設など、それぞれの整備に対する支援が盛り込まれますとともに、
重要課題であります本県の働き方改革を推進するため、
県内市町と連携した業務改革モデルの構築に向けた取り組みや、
県内の優れた近現代建築物の魅力を発信するシンポジウムの開催経費等が盛り込まれました。
その結果、今回の補正予算案の総額は一般会計で139億9,371万円となり、新型コロナ対策としては累計で約509億円。
さらには、先ごろ可決しました国の第2次補正予算がまもなく本県にも配分されますので、準備が整い次第、追加提案される見込みとのことでございます。
コロナ禍において当面する様々な困難を、県民一体となって乗り越えるべく、そして1人でも多くの皆様に希望をお届けできますよう、今議会での審議に全力を尽くしてまいりたいと思います。
今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 16:44