「(略)来月の定例会を目前に控える中、先週は特別委員会の視察や各種セミナー、講演会やイベントなど、連日にわたって研鑽が続きました。詳細は後日、ブログ等で発信予定ですが、今朝はその概要についてご報告したいと思います。
まず、1/14-15は「えひめICT未来創造特別委員会」の一員として、NTTドコモ、NTT東日本、横須賀リサーチパークなどを視察しました。
テーマは、本年春に導入が予定されている第5世代移動通信システム「5G」。そして5Gが普及すると、私たちの暮らしや社会はどのように変化するのか、あるいはどんなことが可能となるのか、その糸口をつかむというのが主な視察目的でありました。
東京スカイツリーにあるNTTドコモ「PLAY5G」では、未来のサービスやコンテンツを、五感で体験。
例えば、ゲームセンターの要領でコントローラを操作すると、実際、遠隔地で(高精度レベルで)ショベルカーを動かすことができたり、
2時間の映画コンテンツがたったの3秒でダウンロードできたり、
VRゴーグルをつけるとグランドの審判目線でラグビーワールドカップの臨場感が味わえたりするなど、5Gといわれるこれまで見たことのない世界を体験することができました。
問題は、この5Gを「何にどう生かすか」です。
先程のショベルカーの事例は、視点を変えますと、ゴッドハンドと言われる名医が遠隔地から精密医療機器を使って手術ができる可能性を示しておりますし、
VRゴーグルの事例で申しますと、プロ野球を、例えば、大ファンであるサードの選手の目線で楽しんだり、史跡やお城などで戦国時代の追体験ができたりすることも可能となるのです。
つまり、本県の文化や歴史・スポーツなど、様々な観光資源やコンテンツを、これまでの何倍も魅力あるものに磨いていくことが可能となりますし、人口減少や担い手不足、公共交通の縮小といった社会的な課題の改善や解決に向けても期待が大きく膨らんでまいります。
そうした社会のツール、基盤となるのが5Gなのです。
政治に携わる1人として、5Gを「本県の何にどう生かしてどのような未来を描くのか」、そのビジョンが問われていることを肌で感じた視察でありました。
次に、翌16日は「中国越境ECセミナー」に出席いたしました。
現在、私は県の経済部門を所管する経済企業委員会に所属しておりますが、
Eコマース(電子商取引:EC)と、貿易先としての中国、この2つは、今後の本県経済の発展に向けて絶対外せないテーマと考えています。
セミナーを通して感じたことは、やはり、知恵は現場にあり、ということです。
講師は、名だたる流通大手やアマゾン、楽天を経て現在、(中国で主に取引を行う)ベンチャー企業の役員をされている方で、
そのお話には、現場ならではの説得力、迫力を感じますとともに、中国EC市場の成長スピードといいスケールといい、想像を超え圧倒される思いがいたしました。
かの国は皆様ご承知の政治体制でありますので、私たち日本人が普通に生活していても(ネットでググっても)情報はなかなか入ってこないので気づきませんが、中国ではもう既に5Gがほぼ全域に普及し、そのサービスやコンテンツが日常生活に深く組み込まれているのです。
彼らの多くは、今や映像コンテンツをTVや映画館では見ないそうです。なぜなら、どんなに長いコンテンツでも2-3秒でダウンロードできるから、すべてスマホやデバイスに落として、好きな時間に好きな場所で楽しむのだそうです。
買い物も、情報も、決済も、生活のすべてがスマホ1台で、手のひらで完結する、そんな社会になっているのです。
そうした私たちのはるか先を行く、しかも広大な中国市場に、愛媛県としてどうアジャストしていくか、課題の大きさを再認識させられました。
今この瞬間、中国越境EC市場で起こっているダイナミズムをしっかりと県政に届け、積極的に提言を行ってまいりたいと思います。
翌17日はNTTドコモ主催の「地方創生セミナー」に出席しました。
こちらも、テーマは5G。
移動体通信企業としては、正に独壇場であり最大のビジネスチャンスでもあり、といった中で、
愛媛県における行政や、産業、観光、教育などの分野で行われている具体的な取り組みと今後の可能性を、サービスベースで確認することができました。
特別委員会の視察と重なりますが、あらためて5Gの持つ可能性と影響の大きさを痛感させられました。
翌18日は、松山市防災組織ネットワーク会議主催の「防災講演会」に出席。
25年前の阪神淡路大震災を経験された気象予報士の方の講演がひと際心に刺さりました。
よく「正常化バイアス」という言葉を聞きますが、これは脳が勝手に自分に都合よく考える習性で、私も言葉自体は前々から知ってはいましたが、講師ご自身の体験談ともいうべきお話を伺いながら、
この「正常化バイアス」の克服こそ最大にして最重要の防災対策ではないか、と痛感するとともに、当事者ならではの思いやエピソードなど、圧倒的な説得力をもって意識変革の重要性が胸に突き刺さる、そんな思いがいたしました。
“リアル”ということでは先ほどから申し上げております5G、この5Gが創り出すこれからの超スマート社会は“リアル”と“バーチャル”が融合する社会と言われています。
「正常化バイアス」の克服という防災減災対策にとって最も重要な「意識変革」を可能にするのは、当時(者)の“リアル”体験以上のものはなく、それを社会全体にどうシェアしていくか、そのことが大きく問われていると感じました。
以上が先週の概要ですが、今回の視察等で得た1つ1つの貴重な知識と見聞を、来月から始まる県議会2月定例会で、また今後の議員活動に反映できますよう、しっかり取り組んでまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 18:45